なんでもノート

デュッセルドルフより、
非日常的な日常の記録。

清掃工場見学

2009年10月29日 | デュッセル生活
…ついにこの日がやってきました。

ケルンで開催されていた「Entsorga-Enteco」というリサイクル管理環境技術のメッセ(展示会)があったのですが、この関連で清掃工場見学に参加することができました。
※以下、内容が若干マニアックですので、興味のある方のみご覧ください。

行先は、ケルンの一般家庭及び事業系ごみの処理施設。この会社は今日見学する焼却施設(竣工から約10年)のほか、その隣にコンポスト化施設、また最終処分場の管理もしています。独英通訳付きで、メッセ会場からバスに乗り、15分ほどで到着です。


ヘルメットをかぶり、いざ出発。


構内の様子。ゆったりとした配置の中、きれいに管理されており、植栽も美しい。


持ち込みゴミの重さをはかる計量棟。持ち込み前と後に車両重量を計る二度計量をしており、日本とほぼ同じ仕組みのようです。


プラットホーム。8門です。日本同様、バンカ(ゴミをためているところ)内の方向に空気を引き、圧を負にすることで臭気漏れを防いでいますが、よく機能しており、臭気はほとんどありません。
写真の車両はケルン市内の家庭系ごみ収集をするものですが、日本のものよりもだいぶ大きいサイズです。


ちょうどゴミを空ける車が来たので、ギリギリまで寄って見学。日本であればあと3メートルは下がらせられるのでしょうが、ドイツらしくそこら辺を歩き回ってもOK(自己責任ということですが)。
 

この施設のユニークなポイント。鉄道の引き込み線。ゴミの一部は鉄道で運ばれ、車両の交通量を抑える方策になっています。また降ろして運び空ける作業過程は自動化されています。


もうひとつのユニークなポイント。焼却に入る前の選別工程の施設で、一般的には併設していないとのこと。コンベヤでごみを運び主に自動選別で金属等を取り除きます。分別というよりはゴミの均質化に役立っている様子。
 

ごみバンカ。炉が4つあるので、ホッパも4つです。
ごみ質は紙やプラスチックの率が高く、カロリーも高そうです。ドイツでも紙や容器包装プラスチックは分別回収をしているはずですが、混入率は日本より高そうです。
 

そしていよいよ炉室。室内温度は変わりません。立ち上げ時の燃料を尋ねたところ、ガスとのことでした。
 

中央制御室。機器のつくりは日本と変わりませんが、働いている人がオーバーオール姿で、見学者も全く意に介さずリラックスしている所がいかにもドイツ人らしくて、とても気に入っている一枚です。
 

発電機室。室内は40度ほど。売電のほか隣接する民間工場に熱供給をしています。


排ガス処理室。そして煙突。排ガスに対する懸念は日本同様に高いようです。
 

ドイツのごみ処理については、今まできちんと調べる機会がなかったので、これを機に基本的なことはおさえてみようかと思います。

…ながながとすみません。でもドイツに来てよかった、と思える出来事でした。

NRW州議会見学

2009年10月25日 | デュッセル生活
デュッセルドルフはドイツ最大の州である、ノルトラインヴェストファーレン(NRW)州の州都。市内には州関係の中枢機能があります。
中でも州議会の建物はユニークで、夏の間、日曜日に一般公開をしていたのですが気づけば今日は最終日、ということで見学へ行ってきました。

※今日の夜中の3時に夏時間が終わったので、今日は時間に注意です。といっても一時間遅くなる方向なので、ちょっと得した感じがします。

州議事堂はライン川沿いにあります。隣に見えるのはラインタワー。今日は最終日だからなのか、見学客も多い様子。
 

ツアーらしき人たちについて、館内を見学。この議事堂は1988年にできたものですが、ドイツの州議会の独自の建物と建てられた初めてのもの。その理念が建物にも表れているらしく、本会議場を中心に円形で成っています。
 

本会議場。2005年5月の前回選挙にて選ばれた187議席のメンバーの指定席制です。現在はCDU(キリスト教民主同盟)とFDP(自由民主党)の連立政権です。右側の写真は議長席からの眺め。議長席の周囲は政府席となっていて、2階部分にはメディアや一般傍聴席があります。
 

5年ごとの改選なので、次の総選挙は来年2010年5月となります。現在の連邦議会もこれをにらんで動くものらしい・・・とあまりにも勉強不足でよくわからないのでした。
州議会の英語の説明はこちら。(…州にしては英語情報少なすぎです!)

ユトレヒト(オランダ)へ

2009年10月24日 | 
今日は思い立ってオランダ・ユトレヒトに日帰り旅にでかけることにしました。
ユトレヒトはオランダ第4の都市で交通の要所、といっても人口30万人弱。駅には巨大ショッピングモールがあってお買い物ができそうだし、ミッフィーの生まれたところだし、というのが主な動機です。

アムステルダムに行った時にも乗ったICEに乗って、1時間45分ほどでユトレヒト中央駅に到着。また近いのに言葉も雰囲気も違う世界です。


駅から少し歩くとアウデグラフトという運河に出ます。賑やかな運河沿いを少し歩くとドム塔が見えてきますが、広場では伝統的な音楽と踊りをやっていました。ユトレヒトの運河はオランダの運河にしては珍しく、地面の5メートル位下に水面があります。
 

裏の運河は落ち着いた気配で、あいにくの雨でも予想外に紅葉がとてもきれいでした。そして降っていても自転車は走る走る。
 

セントラル・ミュージアムを見学。世界遺産にもなっているリートフェルトのシュローダー邸を見学したかったのですが、遅い時間枠しか残っておらず断念。カフェでお昼です。
 

さていよいよ分館「ディック・ブルーナ・ハウス」へ。
金色のミッフィーがお出迎え、子どもが遊べるコーナーも充実しています。(ちなみにここでの日本のプレゼンスは非常に高いようで、展示はオランダ語、英語に次いで日本語でされています。)
 

展示はそれほど多くありませんが、作者ブルーナ氏のこれまでの作品や経緯や、影響を受けた芸術家(マティスやリートフェルドなどなど)、日々の生活や創作への気持ちなどをとても面白く見ました。
考え抜かれた線と限られた色のデザインは、世界中で理解され親しまれる、言葉を越えた表現となっていて、必要最小限というコンセプトにとても共感します。
右は気に入った絵。
 

おみやげにはユトレヒト名物?アップルボール(Bond&Smoldersというお店にて)。
  

そしてブルーナ氏もお気に入りというケーキ屋さんでクッキーを。


場を変えると時に頭が活性化することもあるので、はたらきすぎを反省して、暇を見つけてでかけようと思います。

ベルギー(アルデンヌ地方)へ

2009年10月17日 | デュッセル生活
今日は知人の車で、ベルギー南東部アンデルヌ地方へ。
アルデンヌと呼ばれるベルギー東南部は、古代ローマの時代から交通、軍事の要衝として栄え、中世の古城が多く、緑深い丘陵とムーズ川によって造られた風景が美しい地域です。

デュッセルからは秋の風景を楽しみながら2時間ほどのドライブです。ナビに行き先を入れて、アウトバーンを走っているとついてしまうから不思議。

■アンヌヴォア城
本日の目的地は、この地方の古城のひとつ、アンヌヴォア城です。といっても庭園がメイン。泉水庭園で、地形の起伏を利用した水の景観がとても面白く見られました。
 

左は自然の落差だけを利用した噴水の一つ。季節の様々な植物も美しく、写真右はあちこちに見られましたが、花なのか実なのかわからずに気になりました。
 

城館には入ることができませんでしたが、美しい佇まいです。


■ディナンの町
近くの町、ディナンに立ち寄りました。ムーズ川沿いの断崖の下に開けた街は、まるで絵のようです。


前の写真の正面にある城塞(シタデル)にはロープウェーで登れ、上からは見事な街を見下ろすことができます。こんなところにこんな街があったのか…という思いがします。


ランチはムール貝。"er"のつく月、つまり9月(September)~12月(December)がムール貝のおいしい季節なのだそうなので、今年もシーズン突入です。


ディナン名物、堅焼きビスケット。店内でシンプルな形のものを購入。


ベルギー、オランダは日本では注目度が低い国ですが、見所の多い国のようです。どこかに行くたびに、逆に行きたい所がふえていきます。

秋のソフトボール大会

2009年10月11日 | デュッセル生活
さて今日は待ちに待った(人もいるかもしれない)デュッセルドルフ日本クラブのソフトボール大会の当日です。

欧州でソフトボール?というなかれ、春と秋と年に2回開催されるこの大会は大イベント。たとえば今回は77チームがエントリー(企業チームがほとんどです)、参加者だけで約1,100名、家族等関係者を含めると、2、3千人規模のイベントとなり、大会運営も一大事。デュッセルドルフ周辺の日本社会の規模の大きさがわかるかと思います。

わが職場にとってもこれは一大行事、一月ほど前から原則週に2回の練習を重ねてきました。女性出場枠があり、おまけに今回は私も幹事だったため、当然参加させて頂いておりました…。(私のチームは日本人駐在員だけでなく、現地スタッフも一緒に参加してくれているところが気に入っていました。)

今日はかなり寒く、ときおり雨にもふられる天候でしたが、つつがなく試合と懇親会を終えることができました。ひと昔前の日本にあったように、こんな課外行事や休日や家族ぐるみのおつきあいが多いのは、海外駐在の一つの特徴かもしれません。


ライプツィヒへ

2009年10月09日 | 
今日は日帰り出張でライプツィヒへ。旧東独地域へは初めて足を踏み入れます(ベルリンを除く)。

行ってからローカル紙を目にして気づいたのですが、なんと今日、2009年10月9日はライプツィヒにとってメモリアルな民主化デモ20周年の日でした(日本の報道はこちら)。
ちょうど20年前の1989年10月9日、ライプツィヒのニコライ教会前の広場で毎週月曜日に行われていたデモは最高潮に達し7万人が参加。東ドイツの民主化を求めるものですが、1ヶ月後のベルリンの壁崩壊につながる出来事で、本当はドイツ統一はここから始まったと言われています。
今日は記念式典が開かれていて、ケラー大統領、メルケル首相もライプツィヒに来ていました。

7時20分デュッセル発の飛行機に乗りライプツィヒ空港に到着、そこから電車で15分ほどでライプツィヒ中央駅へ到着です。欧州最大級の行き止まり式ドームをもち、構内に大きなショッピングアーケードがあります。
 

デモの起点となったニコライ教会とその前の広場。
 

(用務先はここからローカル電車を乗り継ぎ2時間ほど行った先。車窓からはどことなく西側とはちがった風景が広がり、ちがった仕組みのインフラ(地域熱供給システム)や打ち捨てられた建物などが興味深く見られました。)

さて、夕方のライプツィヒに戻ってくると、記念イベント(プログラムはこちら)のためか街は人にあふれています。写真左は旧市街のですが、左手を入るとメードラーパッサージュという古くからのショッピングアーケードが広がり(写真右)、ゲーテの「ファウスト」に登場する酒場もこの地下にあります。
 

トーマス教会。バッハがオルガン奏者兼合唱団の指揮者を務めたことで有名で、お墓が教会の中にあります。ちょうど金曜日のコンサートが始まる時間で、聞くことが出来ました(2ユーロ)。
 

ニコライ教会の近くでは、ビルの壁面に20年前のデモの映像が投影されていました。
 

また光のイベントが開かれており(かつてのようにろうそくを持って、デモルート歩くなど)、ライプツィヒ大学のビルも89とサイン。中央駅も独特の照明がされていて、人々が集まっていました。
 

一緒に行進したいところですが、最終の飛行機が21時にせまっているので本日はここまで。駅構内にもパネルがありました。


思いがけずとても長く、忘れられない一日となりました。ドイツにはまだ見るべきものがたくさんありそうです。
ちなみに飛行機は1時間半ほど遅れていてショックでしたが、デュッセル-ライプツィヒ便は行き帰りとも100%ビジネス客でした。

順次更新中

2009年10月04日 | デュッセル生活
…この1か月間、公私ともにイベント続きでお話したいことだらけです。
順次、過去日付にさかのぼって、書き込みたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

コペンハーゲンへ(2/2)

2009年10月03日 | 
オリンピック開催都市がリオデジャネイロに決まって、明けた翌日のコペンハーゲンの街は暗く寒い雨。

東京からのご一行は、午後早く立つので午前中は市内観光を。雨なので運河ツアーはあきらめて、国立美術館とローゼンボー離宮へ(写真)。秋の趣です。
 

私は夜まで時間がありますが、雨と寒さで散策はとても無理そう。無人運転の地下鉄で少し郊外のForumという大型ショッピングセンターへ。どこの国に行っても、この手のモールの客層や利用方法や雰囲気は変わらない気がします。
 

さらに時間があるので、そうだ!と映画を見に行ってみることにしました。ドイツでは稀な吹き替えられていない英語の映画が見られるはず。空港で拾った英語タウン誌から探して、その辺の人に映画館の位置を尋ねて行った映画館はふつうのシネコンスタイル。ちょうど時間が合ったのは「The Ugly Truth(邦題:男と女の不都合な真実)」。スラング満載の英語がよく分かりませんが大した内容ではないのでまあよし…


昨日の市役所前広場も撤収が始まっています。風が強く暴風雨の様相。


帰り道はもう一つのこの旅のハイライト。ドイチェバーンのナハトツーク、夜行列車で戻ります。18:53発で12時間後の6:54にデュッセル着。いろいろなタイプの部屋がありますが、2人用の個室寝台で、少し安いチケットがあり99ユーロでした。
  

部屋は鍵や洗面台もありホテルの部屋のよう。ドイツ人のお姉さんと同室になり、2段式の寝台は上段をとりましたが、ゆっくりと横になれます。到着前の指定した時間に起こしてくれて、朝食のルームサービス?もついていました。
 

デュッセルについて降りてみると、隣の車両が出発した時と変わっており「モスクワ→アムステルダム」とありびっくり。車内はロシアムード(!)
確かコペンハーゲンでは、ミュンヘン、バーゼル(スイス)、ケルン・アムステルダム行きの電車がすべて一つだったので、どこかで3分割されるのだとは思っていましたが、違うのが付いてくるとは…さすが欧州大陸。


降りてしばらくは揺れがおさまらず、船酔いのようでしたが、最後まで面白い旅になりました。以前は、ドイツに戻ってくると少しがっかりしていましたが、今は少しほっとする感じがあります。あと半年です。

コペンハーゲンへ(1/2)

2009年10月02日 | 
今日はご存知、コペンハーゲンでIOC総会が開かれ、2016年オリンピック開催都市が決まる日。近くにいるので、休暇を取って様子を見に行くことにしました。

イースター休暇の旅行の時と同じ6時半のエアベルリン機にて、コペンハーゲン空港に着陸…すると、なんと、日本国政府専用機2機とエアフォースワン(アメリカ大統領専用機)を発見。一気に目が覚めました。
左写真手前と右奥にエアフォースワンが2機写っています。空港に入るとIOC総会歓迎モードが始まっていました。
 

街は警戒態勢で、そこらじゅうに警官や警備担当者がいます。パトカーの先導で移動する車両も多く見られました。規制は散発的なように見え、各所でバスや清掃車などの公共車両も含めて交通がブロックされて混乱(写真左)。下の道路のオバマ氏の通行待ちで橋も封鎖されており(写真右)、私も対岸の目的地にたどり着けず。
 

市庁舎前広場には特設ステージが設置され、総会の様子のパブリックビューの会場となっています。
東京から1泊4日の弾丸ツアーで応援に来た皆さんと合流して、東京のプレゼンを視聴。他の投票では見られない現象だと思いますが、投票前の各立候補都市によるプレゼンは、投票結果を大きく左右すると言われており、シカゴはオバマ大統領夫妻、東京も鳩山新総理がスピーカーの一人として登場しています。


夕方の投票まで、しばし市内散策。2度目となると市中もずいぶん楽に動けます。
クリスチャンハーフェンの水辺を歩くと、秋のコペンハーゲンが広がっていて、しばし時を忘れてしまいました。
 

夕方は再び市役所前広場に行き、投票経過をみんなで視聴…のはずが、ステージでは音楽が繰り広げられ、投票過程がよくわからず、日本でテレビ見ていた方がよかったのでは…と評判でしたが、最後の発表の瞬間には広場を埋め尽くす人。各都市の応援団だけでなく市民も多く集まっていたようです。まわりの人が、残念だったね、と声をかけてくれました。


個人的には実はオリンピック東京開催を積極的に支持はしていなかったのですが、思いがけず、残念だという気持ちを持ちました。改めて東京という都市について、問いかけ、取り組むには、オリンピックというのはよいステージになり得たのだと思います。
これまでの招致活動に投入した資源は相当なものだと想像されますが、この成果とエネルギーを今後どのような形で活かしていくことができるのか、むしろ正念場かもしれません。

また、欧州で東京の皆さんに多くお目にかかれたのは、やはり貴重な機会となりました。
かっこいい招致ビデオに思わず自分が説得されて、素敵な都市東京に、早く帰りたいような、やっぱり恐ろしいから近づきたくないような。