録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

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このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
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※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

Core i7 11700の能力を改めて考える

2021-04-28 11:51:09 | 意味なしレビュー
前回、購入前の予想以上に性能が振るわなかったCore i7 11700。このままだと買った甲斐がないので(一応それまで使っていたCore i7 8700と同等以上程度はあるのでゼロ価値ではないですが)、なんとか性能を引き出せないか、もうちょっとテストをしてみます。性能が出るかどうかなのでデータが正確かどうかは二の次の手抜き調査になりますが、ご了承願います。

1.BIOSをアップデートしてみる
まずはマザーボード、H570 Phantom Gaming 4 のBIOSのアップデート。前回調査したときは購入時の1.3でやっていたんですが、すでに1.7が出ていますので、そちらを充てて使ってみます。テストは前回と同じ、約49分の1440x1080MPEG2-TSとHandBrake。フレームレートのみ同じに合わせ、x264でVerySlow。

(1.3)57分36秒 →(1.7)57分00秒

一応上がっている、と言えば上がっているんですが、この環境は性能のブレが大きいのでこのくらいだと誤差の範囲と言えちゃうんです。それでも、上がったとしておきます。もちろん満足のいく性能になった、とは言えませんが。

2.BIOSでAVX512を切る
TMPGEncでAVX512を使わないようにすると、H.265だけの調査しかしていませんがエンコード速度が向上していました。バージョンアップしたBIOSによってAVX2とAVX512がセットではなくなり、AVX512だけBIOSで無効にできるようになりましたのでそれでやってみましょう。この項目だけx265のSlowもやってみます。ただ、そちらは1.3での動作したものとの比較になります。

x264
57分00秒→1時間37分35秒

x265
1時間51分45秒→1時間52分56秒

むしろ遅くなりました。特にx264利用時の遅さはかなりひどく、念のため二回やってみたのですがほとんど同じでした。まぁIntel側としてみればAVX系の無効はあくまでオーバークロックのためにやる作業であり、性能アップのためではないらしいので仕方ありませんが。機能的には生きているソフト側の対応と違ってBIOSレベルだと性能の低下が著しくなるんでしょうね。だからこそx265時ではわずかな性能低下に収まっているのは何かおかしいですが、今回は性能アップを狙った手抜き調査ですので性能アップにつながらない検証はやめておきます。

3.コアを減らしてみる
TDPは総合的発熱量ですから、8コア入っているというのはそれだけで電力を多めに消費し、TDPを守ってパフォーマンスを上げるのは難しくなります。それなら、コアを減らせば1コアあたりに振り分けられる電力は増え、むしろ使わないコアが熱を吸ってくれるのでクロックが上がり、性能の逆転現象が起きるのでは? と思いついたので6コア12スレッドに落としてみました。

(8コア)57分→(6コア)1時間7分15秒

逆転はおきませんでした。まぁこの予想が当たっていたらCore i5の方がi7より性能が上がってしまう場面が出てきてIntelも商売に困ることになるわけですが。ただ、1コアあたりのクロックは同じTDPでも上昇していましたのでその点だけの予想は当たっていました。ただ、TDPを80W以上に上げた時と同程度のクロックに収まってしまっていて性能は上がらなかったのですが。

4.TDPをもっと上げてみる
前回は性能上昇が空回りしているとみてTDPのアップを95Wでやめておきましたが、思い切って125Wまで上げてみました。UEFIに掲載されているデータシートによるとTDP65WのCPUはPL2動作の際最大129W、約2倍までTDPが上がります。ならばそれに近い値まで上げてみれば、常時PL2に並の電力が使われ、クロックが上がるのではないか、という予想です。かなり危険な域にも見えますが、11700のCPUダイ自体はTDP125Wの11700Kと同じもののはず。選別は行われているでしょうが、ギリギリなんとかいけるかも。参照用の80Wおよび95Wは旧BIOSで調査したものです。

(65W)57分00秒→(80W)51分39秒→(95W)50分29分→(125W)51分05秒

誤差の範囲と言えますがむしろ落ち、完全に速度が空回りしていることがうかがえます。CPUの熱量が増えただけでクロックは95Wと比べても全く上がりませんでした。

5.PL2のTDPを上げてみる
最後の手段です。PL1は125Wに、そしてPL2のTDPを調整して、これまでの"自動"からデータシート上最大表記の224Wに設定してみました。結果は

51分49秒

落ちました(笑)。まぁ、この結果になりそうなのはエンコード開始直後に分かりました。今まで以上に早く、わずか数秒で4.4GHz状態から3.5GHz前後に落ちてしまったからです。多分一瞬で安全装置が働くレベルの高熱に達してしまったんでしょう。エンコード中のクロックはほぼ同等だったのでその分遅くなったというわけです。


と、いうわけでいろいろあがいてみましたが、11700で前回以上のパフォーマンスを出すのは無理でした。ここまでやってみて分かったのは、11700はTDPによるクロック縛りの他、負荷時によるターボ機能の縛り、クロックの限界を持たされている、ということです。何度も書いているように11700はエンコード開始直後には4.4GHzにクロックが上がり、この時点では猛烈なfpsを稼ぐのでRocket LakeのIPC上昇の高さを感じます。ただ、それが終わってしまうとTDP65W時で3GHz、95W以上時で3.5GHz前後に収まってしまい、エンコード作業が終わるまで4GHz以上に上昇することはありませんでした。TDPを上げてもクロックはそれ以上上がらないので意味はなく、ただCPU温度が上昇するのみです。ここから一つ断言できるのは、わたしの環境では4.4GHzまでクロックが上昇するのは、アイドル時やそれに近いほど負荷が少なく、クロックが低い時からのみ、ということです。実際、エンコード途中にポーズを入れて一時停止し、クロックが下がったことを確認してから再開すると再び4.4GHzに上昇します。ひょっとしたら1分ごとに5秒くらいの割合でエンコードを一時停止するようにしたらエンコード速度は速くなるかも知れません。面倒くさすぎるのでやりませんが。一部商業サイトで、たかが2~3分で終了する動画エンコード結果を掲載し、「第11世代は動画エンコードも速くなっている」と評していますが、あの短さでは開始時のブート効果の影響が大きすぎ、我々のような数十分以上の長さの動画エンコードのデータの参考にはなりません。

そこそこ負荷のかかっている3.5GHz時でもまだ発熱量には余裕があるように思えます。ならば適度にターボを解放してくれれば少なくともエンコード速度は上がるのでは・・・と思うのですが、実際にはやってくれません。その理由はどこにあるのか。
一番に考えられるのがCPUの思想、初めからそういうものとしてコア設計が行われたという点。ベンチマークのスコアやゲームのfpsを稼ぐことを第一とした場合、このやり方は決して悪くありません。それらGPU処理の多いソフトの場合、CPU処理の負荷が少なくなる瞬間が必ずあるので、その間にクロックを落とし、負荷がかかったと同時にクロックをマックスにする、これで総合消費電力は少し抑えながらCPU能力を1ランクアップさせることができるのですから。いまだ古い14nmを引きずり、7nmのRyzenに比べて発熱量・消費電力において不利なのが現行のCoreですから、そうするのもやむを得ないかと。だとすると、ブランド面でも価格面でも上ながら同じ8コア16スレッドのi9、特にTDP65Wの11900の挙動が気になりますが。

そこで第二の理由として考えられるのが、CPUの差別化という点。i7は低負荷からでないとクロックがマックスになりませんが、i9は発熱状況などを見て適度にクロックをマックスまで上げるよう調整されているかも知れません。この予想が正しいとしたらi9 11900のエンコード速度は大きく上昇し、4750Gを上回るかも知れません。そうでもないとi7のi9の価格差が納得いかないものですし。もっとも、この妄想が正しいとするとi9がi7に比べて特別な機能を持たせて優秀というよりi7が性能を抑えることで相対的にi9の上位をはっきりさせて価格を上乗せする理由にした、という消費者にとってうれしくない差別化ということになってしまいますが。ベンチマークでは出づらい結論なのですが、一度確かめてみたいです。

第三の理由として考えてみたのがチップセットの差別化。わたしは今回ミドルクラス向けのH570を使用しましたが、第11世代向けにはよりハイクラス向けのZ590が存在します。チップセットの差別化のためにH570はCPU性能が出にくいように調整、とまではいかなくてもGPU性能維持のためにCPU性能は抑えられた状態でしか使えないようになっているかも知れません。前回も書いたA10-7800とロークラスのチップセットを組み合わせたときの挙動がまさにそれでして、ハイクラス向けのチップセットではcTDPを使ってTDPを低下させるとCPU・内蔵GPUとも適度に性能が低下したのに対し、ロークラス向けではゲームを重視したのかGPU性能やゲームのベンチの性能はほとんど低下せず、CPUの負担ばかりが高いソフト(もちろん動画エンコード)では大幅に性能が低下する、という動きになっていました。IntelのCPUでCPU性能より内蔵GPU性能を重視する仕様のチップセットにして誰が喜ぶんだ? という疑問もあるでしょうが、チップセットを作っているのもIntelですし、ディープラーニング向けとしてXeグラフィックを今後重視するのが同社の戦略ですから、あり得ない話ではありません。

第四の可能性としてわたしがド外れを引いて性能が出ないだけ、ってのも無きにしも非ず。なにせ中央のねじ止めをすると起動しなくなる謎のマザーだからなぁ。ただ、その場合はそもそも安定して動かないはずだし、限りなくゼロに近いけど100%の否定はできない、ということにしておきましょう。

いずれが正しいのか、これは試してみるしかありません。が、テストのためだけに高いCPUやチップセット搭載マザーボードを買うつもりはありませんし、経済的余裕もありません。当店の経営者が無能ということもありますが、このご時世のあおりを受けて店の経営は芳しくなく、会計事務所から「給料減らして経費削減も考慮に入れてみますか?」と言われているくらいです。最近投資に力を入れているのは、せめてたまに買うPC用のパーツ代くらいそこから賄えないか、という思惑もあるからなのです(実際今回のIntelセットはその利益から買っている)。実験のためだけのハイクラスを買う予算があるなら、近々来る予定のRyzen5000GなAPUや、次の世代のIntelCPUのために確保しておきたいです。個人じゃぁ当然そんなものでしょうし、だからこそ商業サイトは他と同じネタばかり掲載するんじゃなくて手を変え品を変えてやって欲しいんですが。


AMD派のわたしではありますが、別にIntelCPUの欠点を暴きたいために今回のCPUを買ったんじゃないんです。むしろ最新に相応しい性能を発揮し、次に買う予定の5000Gシリーズ(買えるかどうかはおいておいて)と堂々と渡り合うIntelCPUが欲しかったんですよ。最近のIntelCPUは一~二世代くらいは飛ばす、という買い方をしていたんですが、現状のこの性能では次もすぐ買わざるを得ません。ある意味イヤな商売の仕方だなぁ、儲かるやり方とはこういうことを言うんでしょうか( ..)φメモメモ。その代わり、次々世代のAPUはZen3でかつGPUがRDNAに変更らしいので多分飛ばすでしょうが。IntelとAMDの立場が私の中でも逆転しつつあります。
これ以上わたし程度のユーザーにどうこう言われることのないCPU、出してくださいよIntelさん。もちろんGPU性能も期待してますよ。
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第11世代Core検証編 ちょっとおすすめできない性能

2021-04-18 11:32:01 | 意味なしレビュー
引き続き購入したIntel第11世代CoreCPU、Core i7 11700(以下11700と表記)を見てみます。
組立てが終わればまず性能チェック、CPUの性能チェックと言えば当ブログでは須らく動画エンコードであるべし、ということでワンパターンの約49分で1440x1080のMPEG2-TSファイルをx264を使ったH.264/AVCへの変換速度とx265を使ったH.265/HEVCへの速度を調べてみます。以前なら主なエンコードソフトは、わたし愛用のMediaCoderをメインとして使い、それ以外を補助のデータ用として使う、というのが筋だったんですが、前回の調査でMediaCoderがx265使用時に8コアを使ってくれない不具合が発生し、かつそれが直っていないようなので、今回はHandBrakeを全面的に使用し、かつ他のソフトの並列をやめ、代わりにPreset・速度設定を変えたデータを掲載します。Placiboはちょっと省略させていただき、Ultra FastからVery Slowまで、ビットレート1Pass4000Kbpsで、エンコード終了までにかかった時間をlogをもとに計測しました。なんでもPresetが低速モードほどマルチコアの性能差が出、高速だとシングルコアの性能が出るとかいう話がありましたので。比較対象としてはAMDのAPU、Ryzen 7 PRO 4750G(以下4750G)を搭載したPCを使います。CPUコアはすでに旧世代となったZen2ですが実用上は問題なく、かつGPU内蔵型としては現状AMDとしては最高性能であることに変わりはなく、同じく内蔵GPUを使って動作させる11700とは実際販売価格も近いので競合関係にありますので、比較用として良いものと思われます。

両者の機材はこんな感じ

Intel機
CPU:Core i7 11700
メモリ:DDR4-3200 8GBx2(Gear1にBIOSで変更)
CPUクーラー:虎徹 MarkII
マザー:H570 Phantom Gaming 4
OS:Windows10 Pro

AMD機
APU:Ryzen7 PRO 4750G
メモリ:DDR4-3200 8GBx2
CPUクーラー:Ryzen7 1700付属のリテールクーラー
マザー:ROG STRIX B550-F GAMING 
OS:Windows10

それでは測定したデータを見てみましょう。なお、特にマザーボードやチップセットによってCPUは全く違う挙動を見せることが稀にあるため、全く同じ結果が他の環境でも出る、とは限りません。過去にA10-7800が異なるマザー・チップセットで速度の傾向が違うという体験をしたことがあります。ただ、ウチではテストのためだけに複数の環境を用意できるほど経済的余裕がないため、結論を出す際には今回の挙動を「一般的な動作」とみなして行います。ご了承ください。
ビットレート設定は1Passで4000Kbps、フレームレートのみSameおよびConstantに変更し、あとはデフォルトのままです。

H264/AVC
Very Slow
11700:57分36秒
4750G:45分37秒

Slower
11700:41分31秒
4750G:32分53秒

Slow
11700:29分22秒
4750G:22分2秒

Medium
11700:21分31秒
4750G:17分3秒

Fast
11700:18分35秒
4750G:14分52秒

Faster
11700:15分39秒
4750G:13分7秒

Veryfast
11700:12分35秒
4750G:10分38秒

Superfast
11700:9分51秒
4750G:8分33秒

Ultrafast
11700:9分17秒
4750G:7分36秒

いや、予想外の結果です。まさかここまで11700が4750Gに歯が立たないとは思ってませんでした。ならば次はx265を使ったテストならどうでしょうか。Core i7 8700の時は、なんだかんだ言ってもまだAVX2に関してはIntelに一日の長があり、同じ6コア12スレッドのRyzen 5 3600と比べてもx265では若干有利だったので、こちらはどうでしょう。
なお、x265は重すぎるので"slow"までのPresetとさせていただきました。

H.265;HEVC
Slow
11700:1時間51分45秒
4750G:1時間33分0秒

medium
11700:49分33秒
4750G:43分35秒

Fast
11700:33分56秒
4750G:29分39秒

Faster
11700:30分22秒
4750G:26分39秒

Veryfast
11700:30分15秒
4750G:26分25秒

Superfast
11700:21分43秒
4750G:17分31秒

Ultrafast
11700:17分43秒
4750G:14分36秒

・・・AVX2の効率、悪くなってません? そうかどうかは後で調べるとして、この遅さの一因にあるのがクロックです。11700は、計測ソフトCore Tempによるとアイドル時の温度が各コア20~25度、クロック800Mhzくらいです。エンコードソフトを走らせるとこのクロックが一気に4.4GHzまで上昇、見るからに速いfpsを稼ぎますが、10~20秒後くらいにコアの温度が70度に達すると急に失速、そのあとはほぼ3~3.2GHz、温度は40~45度で推移。ここからほとんどクロックも温度も変わることはなく終了まで続きます。一方、4750Gは最初から最後までほとんど4.2GHzおよび温度70度強で動作します。このクロック数の差がエンコード速度の差に出ているものと思われます。正直IntelCPUはCPUに対して過保護です。CPUクーラーに虎徹 MarkIIを使っていることもありますが、正直発熱にはまだ余裕があるはずです。なので、当ブログのポリシーには反しますがちょっとだけ活入れを行います。

今回のマザーの場合、UEFIのOCツール項目の中に"Dual Tau Boost"というものがあります。これを有効にした場合、cTDP機能を使ってTDPを変更できるのです。AMDAPUではcTDPは下に下げるもので省電力化のためにあった機能ですが、IntelCPUではむしろ上げるために使うもののようです。これをデフォルトの65Wから80Wまで上げてみました。OverClockならぬOverTDPで過保護すぎる熱管理をちょっぴり解放してみよう、というわけです。これがCPUにどの程度過度な負担になるかは分かりませんが、少なくとも保証外動作にはなるでしょう。ただ、それでもリミッター解除のPL2にして224とかにする(PL2モードはそれがデフォルト、怖)よりはマシかと。x264のVeryslowとx265のslowのみ図って比べてみます。

H.264/AVC Veryslow
11700(80):51分39秒
11700(65):57分36秒
4750G:45分37秒

H.264/HEVC Slow
11700(80):1時間42分7秒
11700(65):1時間51分45秒
4750G:1時間33分0秒

TDPを80Wまで上げるとクロックが増し、4.4GHzのブースト時間が終わっても3.5GHz以上のクロック数を保ち続けます。ただし、CPU温度はアイドル時でも25度程度、エンコード時50度前後まで上がりますが、まだ余裕がある印象です。デフォルト時に比べればだいぶ伸びましたが、それでも4750Gにおよびません。もはやIntelCPUのAVX2効果が衰えているのでは? と疑いたくなります。と、言うことで、エンコードソフトをPEGASYSのTMPGEnc.Vider Mastering Works7に変更し、AVX2およびAVX512の有効無効を切り替えて計測してみることにしましょう。UEFIでもAVX2は無効にできるんですが、そっちだとウチのマザーではAVX2とAVX512がセットになって無効化されてしまうので、AVX2を残したままAVX512だけ無効にすることが可能なTMPGEncにしています(ちなみにAVX512だけ残してAVX2のみ無効はできません、やっても両方無効になります)。フォーマットはx265を使ったH.265/HEVCへのものにしますが、エンコードソフトが違うためにHandBrakeの結果と直接の比較はできないし、過去のデータと比較しやすいMedium相当の"標準"にしています。ビットレートは1PASS・CBR4Mbpsで、TDPは80W。

x265(11700 80W)
全有効:48分32秒
AVX512無効:46分29秒
AVX2無効:59分41秒

参考用の過去データ
4750G:41分08秒
Ryzen5 3600:48分29秒
Core i7 8700 :47分22秒

さすがに初代RyzenのようにAVX2を切ったほうが速い、とまではいきませんでしたが、AVX512は切った方が速くなるデータが取れてしまいました。これは過去の8700で同じテストを行ったことがないので断言はできませんが、これまではAVX512はそれほど効果が高いわけではないけど速くなる、とされていたように思います。そうでなくなったということは、明らかにAVX2、少なくともAVX512担当部分の能力は落ちています。しかも、TDP80Wと盛っているにも関わらず通常ソフトと同じ条件ではAVX2のやや苦手な3600と同程度・同じIntelですが3世代も前の8700には負け、AVX512が切れる特殊なソフトを使ってやっと上回るというのはあまりに信じがたいデータです。ソフトのアップデートは行われているのでそれが響いた可能性ももちろんありますが、それでも3600や8700って6コア12スレッド、しかもリテールクーラーですからね。8コア16スレッドの最新コアでクーラーを定評のあるものに変えたものがやっと互角にしかならないというのは、IPC19%アップどころか落ちているとしか判断のしようがありません。

もう少し盛ってみましょう。TDPを95Wまで上げてみます。ここまで上げるとアイドル時でも30度前後になり、負荷時には50度を常時超えるくらいの温度になります。計測はまたHandBrakeに戻してx264:VerySlowとx265:Slowのみ。

x264:VerySlow
65W:57分36秒
80W:51分39秒
95W:50分29分

x265:Slow
65W:1時間51分45秒
80W:1時間42分7秒
95W:1時間40分7秒

なんか伸びが鈍化してしまいました。計測温度がTDPに応じて順調に上がっているわりにクロックはあまり変化していないので、PL1ではこの辺が頭打ちなんでしょう。リミットを解除してPL2動作させればもう少し上がるかも知れませんが、それは「性能を図る」ことを第一とする当ブログのやり方とは違いますし、マザーやチップセットもミドルクラスかそれ以下向けを使用しているのでやめておきます。

最後にGPUテスト。GPUは今世代から全く新しいアーキテクチャに変更されたディープラーニング向けのXeが搭載されています。モバイル向けは同じくモバイル向けのRyzenの内蔵GPUを上回る、とIntelの発表や記事でのテキストでは書かれています(具体的な検証結果を見たことはありませんが)。ただ、デスクトップ向けはダイのスペースが足りないため、Irisのブランドが付いているモバイル向けほどの性能はないようです。その計算能力を見たかったのですが、ドライバの関係かはたまた全く対応していないのか、検証ソフトのGPUPIではOPEN CLの計算対象に今回の内蔵GPUが指定できないのです。一応ドライバはIntelのWEBサイトから直接落としてきたのでこの時点で最新と思われますが、使えないのは残念。しょうがないのでとりあえずゲーム向け3D性能のベンチマークソフト結果だけでも見ておきますか。比較対象はもちろん4750Gの内蔵。ベンチマークソフトは、凝った調査をする気はないのでとりあえずドラゴンクエストベンチマークとFFXVベンチマークの二つ。TDP65Wと80Wの両方見てみました。

ドラクエ(最高品質:1920x1080:フルスクリーン)
11700(60W):5084
11700(80W):5188
4750G:10118

FFXV(標準品質:1920x1080;フルスクリーン)
11700(60W):2163
11700(80W):2169
4750G:2069

80Wにしても伸びは少ないですね。多分GPU側のクロックは上がっていないのでしょう。ドラクエは4750Gに対して半分のスコアしか出ておらず、これはまぁ仕方ないでしょう。それだけにFFXVのベンチスコアは納得いきません。どっちにしても重いのですが、何度やっても11700の方が4750Gより少しいいのです。以前からFF系ベンチはGeForceに最適化されていてRADEONではスコアが伸びない、と言われてきました。ひょっとしたらそれは半分だけ正解で、RADEONだとスコアが出ないように作られているのでは? と疑いたくなる結果です。これ以上はやめておきますが。(申し訳ありません。どうやら指しておいた別のRADEONが悪さして高速化していたようです。お詫び申し上げます)


以上、新コアを使ったIntelの新CPUの性能を、Core i7 11700を使ってみてみました。CPUやマザー・チップセットの個性のせいでこうなっているのでは? を願ってしまうような性能、としか言いようがありません。なにせ比較対象の4750GはZen2でしかなく、AMDにはこの上にZen3が控えているのですから。少なくともZen3がZen2に単純性能で負けているということはないでしょうから、今回のRocket Lake-SがZen3に比較できる余地はない、という結果は見えています。何度も言いますが組み合わせによっては別の結果が出ることはあり得ます。それでも、わたしが見る限りRocket Lake-Sの性能はお勧めできないものでした。素直に第10世代を買った方がコストパフォーマンスの面では上だと思います。
全く見るところがない、というわけではないのですよ。実はMediaCoderを使ったx264計測では、シングルコアの性能が強く出るとされている高速Presetでは11700が65Wでも4750Gを上回る結果が出ているのです。

Fast
11700:694.9sec
4750G:685.6sec

Faster
11700:556.7sec
4750G:575.2sec

このFastとFasterを境に逆転するのです(このクラスのCPUを使ってx264のFaster以上のPresetを常用する人はほとんどいないと思いますが)。クロックは変わっていないので、このあたりからはIntel新CPUの「IPC19%アップ」もまんざら嘘ではないな、という気がします。このデータを正式採用しなかったのは、前の検証からMediaCoderはx265時に8コアが生かされないことがあるため、検証用としては不十分、HandBrakeで統一したほうが良い、と判断したからです。あれを見る限りIPCの向上はあくまで部分的、シングルコアの性能がより強く出ている実行の場合はそれが出やすいですが、マルチコアの性能が強めだったり、ゲームによってはそれほど使われないだろうAVX2や512の影響が強く出る場合なら、ヘタすれば6コア12スレッドの8700並かそれ以下になってしまうという結果にさえ結びつきます。
どうもとりあえずゲームのスコアさえよければいいCPUだと思ってもらえる、と考えてそっちに全振りした感じがします。あるいはIPC向上を性能のアップではなく省電力に割り振ったか、でしょう。わたしは自分向けのデータが欲しかっただけなので十分満足していますが、第8世代以降のIntelCPUを使っている人は買い替える必要はないかと。それ以前のもので買い替えなければならない人や新規に買う人でも第10世代で十分・・・あるいは第12世代まで待った方がいいかも知れません。ただ、今後半導体が全面的に不足する、という予想があちこちから出ていて、今後大幅な値上げや供給不足になる可能性が低くないのです。その場合、一番安定供給が期待できるのはIntel自社生産の第11世代、ってことになるかも知れません。そこが一番の魅力、と言ってしまうと怒られるでしょうか。

供給は安定するかも知れませんが、性能はなんか不安定にも見えます。コメント欄で「性能のブレが大きい」と書きましたが、時々信じられないくらい性能が低くなることがありました。あまりに不自然な時~例えばx264のVerySlowで1時間20分もかかった時など~は他と比べて納得のいくデータになる方が多くなるまで、アイドリングの時間を十二分にとって何度もやりなおしてます。なので見た目の数倍手間がかかってます。ひょっとしたらCoreTempの計測より実際のCPU温度はずっと高いのかも知れません。
ここ最近のIntelの迷走ぶりはかつてのAMDのFXを思い出す、と言う人もいるかも知れませんが、FXはベンチマークや商業サイトの評価はともかく肝心かなめの動画エンコードが当時としては速かった、という利点がありましたのであれはあれで薦められる良いCPUでした。が、Intel第11世代に関して言えば、少なくともわたしの環境わたしのやり方ではそれがありません。ただ、GPUの再生画質などは世代を重ねるごとに上昇していますし、動画エンコードはQSVがあれば十分、という人も少なくないでしょう。特にx265は重いので、QSVでH.265/HEVCを使った方が結局実用的だったりしますし。そうした再生・エンコードの画質面のバランスで言えば、Fluid Motion Videoのような強力な再生能力こそないものの、Core i7 11700は割といい選択肢と言えます。もっとも、それならCPUコアは減るけど安くてGPUが同じCore i5 11500の方がいいんじゃない?と言われたら言い返す言葉がありませんが。そもそも最近のIntelなら一番コスパが良くてお買い得なのはCore i5なんですよねぇ。
気になるのは、Core i9 11900は11700と比べてどの程度性能が違うのか、という点。若干クロックは上がっていますがTDP65Wで8コア16スレッドに変わりはなく、それでいで値段がかなり高いので、本当に値段相応の性能差があるのか興味があります。ただ、商業サイトも実質プロなYoutuberもTDPの高い"K"付だけを比較対象にして同じやり方で同じことを言うばかり。せっかくメーカーから貸し出しをしてもらえたり、経費で購入できたりするんですから、個性のある検証、一部の人のは刺さるようなデータも提供してもらいたいものです。
 

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新APU、デスクトップ向けRyzen 5000番台情報公開

2021-04-15 09:43:40 | AMDブログ
前回、Intel新CPUのテストを「ほとんど終わっている」と書きましたが、実は全然終わってません・・・、思っていた以上に性能のブレ幅が大きく、ちょっとした外気温度やCPU負担後のアイドリング状態だけで結果が大きく異なるケースがいくつか見られたため、データ撮り直し状態です。なんとか今日中にデータだけでも完成させたい・・・と頑張ってます。

と、わき目も降らずにバタバタやっていた間に、AMDがコアをZen3に変更した新APUを正式に情報公開していました。情報としてはもう古いですが、記録として。


注目点は、まず3次キャッシュが前世代が単体CPU比で1/4の8MBだったのが、1/2の16MBまで引き上げられたこと。Zen3は8コア1ユニット単位で構成され、3次キャッシュを全コアで共用できることでマルチ性能を引き上げたのがウリの一つですので、増量は当然かつありがたいです。できれば同容量の32MBならもっとよかったのですが、それは差別化のために仕方のないところでしょうか。
二つ目は、最上位のRyzen 7 5700GでもTDPが65Wなところ。単体CPUのRyzenではTDP65Wは6コアのRyzen5 5600xしかなく、9はもちろん7でも冷却にはちょっと気を配る必要がありましたが、65Wならそこまで高性能な冷却でなくても十分なので、扱いやすいです。それでいてクロックはRyzen7 5800x比でブースト時の最大が100MHz低いだけ。挙動はいろいろ違うかも知れませんが、低発熱でも十分な性能が期待できます。
3つ目は、今回もOEM向けである点・・・。つまり販売があってもバルク扱いになるということ。これは相変わらず残念な点で、おそらく地方の店には回ってこないでしょう。ただ、販路が絞られている分単体CPUより買いやすいかも知れません。

APU5000番台にはZen2モデルが混じるという話もありましたが、今回のデスクトップ向けを見る限り、どうやらモバイルだけにとどまりそうです。おそらく全モデルでZen3+Vegaという構成になるでしょう。CPU性能はもちろんFluid motion Videoに心配することなく買うことができそうです。わたしとしてはZen3の大本命で、どうしてもいち早く欲しいAPUです。正直Ryzenの品不足から単体CPUの代用品として買われてしまい、通販には回ってこないのでは・・・という心配もしていたのですが、なんとかRyzen7だけは品不足から脱却しつつあるので、そこまで壮絶なことにはならずに済みそう。ただ、半導体自体が今年後半には品不足になる、という予想もありますのでそれに巻き込まれなければいいのですが。
発売日は不明。日本での需要は高いと思いますので、ぜひ一般向けに十分な供給を期待したいです。
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第11世代Core前置き編 今回買ったもの

2021-04-12 12:18:06 | 意味なしレビュー
Intelは第6~第10世代と5世代にわたって基本設計の変わらないCPUを使い続けてきていました。これは14nmまでの製造プロセスまでは順調に行ったものの、その先の10nmの製造プロセス開発に手古摺り、クロックやパフォーマンスが上げにくいものになってしまったからです。新製造プロセスで新CPU、この狙いが空回りしている間にAMDとTSMCに性能で抜かれてしまったため、矢継ぎ早に同じCPUで、長年据え置かれていた4コア8スレッドの縛りを解禁してコア数を増やすことで対抗してきましたが、それも第10世代で限界を迎えました。このままでは持たないと判断したのか、Intelは再び重い腰を上げて14nm製造プロセスのままノートPC向けが先行していた新CPUおよびGPUコアを流用した新CPUをついに投入してきました。これが第11世代です。「新GPU、Xeの採用」「CPUのIPCは19%上昇」と事前にはIntelのかなり荒い鼻息が聞こえてきそうな情報が出てきていましたが、いざ市場導入されると、もう一つユーザーからのいい声が聞こえてきません。あまりパフォーマンス出ない、早ければ年内にこんどこそ10nmで新LGAに切り替えた新CPUが出るからそれまで待つ・・・と言った声が多い気がします。新設計にもかかわらず評判の伸びが悪いCPUの新製品・・・。
 
 
面白そうじゃないですか!!!
 
と、いうわけで久々にIntelCPUの購入を決めました(笑)。そもそもああいう声を上げる人の中には買って試してもいない人も多く、そういう前評判や他者の意見を使っている人の発言は必ずしも真実に近いわけではないですからね。わたしのやり方で実力を試すには第11世代Coreは絶好のターゲットです。以前ならこういう発想で買うのはAMDのCPUだったんですが、今はIntelのCPUを買う理由になるわけですから時代も変わったものです。
今まで使っていたのは第8世代のCore i7 8700。その前は6700でした。基本的に一世代置きくらいには買いかえたいと思っているのですが、第8世代のi7は第10世代のi5とほとんど同じ性能で買い替えの必要なし、と判断したので飛ばしたのです。今までi7の無印を購入し続けていたので、今回もi7の無印、11700を買います。残念ながら地元にはCPUを単体で売るようなショップが少なく、あってもCPUはともかくマザーボードはほとんど売らず、ショップブランドPCの完成品をメインとしている店だけしかありませんので、通販で取り寄せます。発売初日こそ「売り切れ」が目立った第11世代Coreですが、今は最上位のi9のKおよびKF以外はどこも在庫があり、簡単に買うことができます。この世界的半導体不足でAMDのZen3世代CPUなど発売からだいぶたってやっとRyzen5に加えて7までなら買える、まで不足していたのに比べると安定した供給は嬉しいです。自社製造の強みですね。
 
マザーボードはASROCKのH570 Phantom Gaming 4。ミドルクラスのチップセットを使った、わたしには十分な性能で価格も比較的安いマザーです。以前はGIGABYTEの製品を買うことが多かったのですが、前に失敗してからなんとなくASROCKを買う方が安心感があります。
  
  
と、言ってもトラブルゼロ、ではなかったんですけどね。どうにもこうにもIntel系との相性が悪い・・・。 今回もケースに入れずにテスト動作させると無事起動→ケースに入れてねじで固定すると動作しない、という不具合に見舞われました。非動作の条件はなんだろうとさんざんためした結果、なんとマザーボードの中央部分のねじ穴を使ってねじ止めを行うと動作しなくなる、という現象が起こっていることがわかりました。原因は謎です。古いケースだし余計なノイズでも拾っているんでしょうか? しかし、必ずしもねじ止めは全部行わなくてもいいわけなので、そこだけ下のスペーサーのみでねじ止めは行わず、他の部分をねじ止めして固定することで無事動作しています。まぁ気にしないことにしましょう。
メモリはDDR4-3200の8GBx2の16GBと無難に。そういえば第11世代でi7以下のCPUで3200を使うとメモリコントローラーが"Gear2"となってクロックがメモリの半分になるという仕様になっている、と聞きました。影響は少ないと思いますがBIOSの設定で"Gear1"にしておきました。もちろん全く問題なく動作します。上位機との差別化のためにわざわざ性能の落ちる可能性を入れなくてもいいじゃないですか、と思うのですが
GPUは内蔵を使います。いつもそうですし、今回の目玉ですからね。ただ、Fluid Motion VideoのためにRADEON RX 550が別に装着されています。が、今回の実験では別にRX550は何もしませんしさせません。自動運転の自動車向けに採用が進むなど注目されるGPUによるAI処理。それにこれ以上遅れてはならぬとIntelが参戦すべく投入したのがXeです。まずはWindows向けに実績積みから、というところなんでしょうね。一方、その流れに背を向けて計算能力を落とし、ゲームのフレームレート稼ぎに特化させているのが現行のAMDのRADEONなんですが・・・大丈夫なんですかね、アレで。そうそう、新GPUなんですが地味に前世代ではサポートされていたSGX機能が外されました。具体的にいいますとUltraHD BDの再生ができなくなりました。まぁ厳しい条件が課せられたので使っている人少なかったようですし、AMDも追随しなかったので、これは仕方ないかな。PCのAV向け機能がまた一つ落ちた、という印象も与えるのでその点では寂しくなりますが。

今回CPUクーラーは交換しました。11700には従来型と同じでリテールクーラーが付属しています。これはK付きには無い利点であり、わたしは「付属品はパッケージとしての性能を図る上で無視できない」と考えており、今まではリテールクーラーを使って性能を図ってきました。ちなみにリテールは今回から変更されたらしく、CPUとの設置部分が銅になり、フィンの色は黒、ファンの羽のひねり方が変更されていて、今までより冷えそうな印象です。
注:羽の枚数が増えた、みたいなことを書いていましたが、枚数は同じでした。訂正します。すみません。
ただ、11700って11700Kと比べるとやたらクロックが低いんです(Fは無と同じクロック)。ブースト時の最大クロックは11700Kが5.0GHz・11700が4.9GHzと大差ないのに対し、ベースクロックは11700Kが3.6GHz・11700が2.5GHzと結構大きいのです。これはTDPは11700Kが125Wに対して11700が65Wと半分なせいですが、これを考えると11700もリテールクーラーでも十分動作するものの、クーラー自体が小さいので放熱面で少し不安。パフォーマンスを出すとなるともう少し冷えるクーラーを使わないと遅いクロックのままなんじゃ・・・。という考えが頭をよぎり、別売りのCPUクーラーを買ってみることにしました。と、言っても空冷の虎徹 Mark IIですけど。サイドフローのCPUクーラーだと、今のケースでは高さがこの虎徹 Mark IIが限界なんです。これ以上背が高いと蓋が締まりません。さすがにそろそろ買い替えを検討してもいいのかも。
 
 
そういえば購入したパーツと一緒に三つもノベルティグッズが付いてきました。わたしはIntel製の新CPUを出てすぐ買うことはあまりやらないのでIntelからこうしたものをもらった覚えはあまりないのですが、最近はこうなのでしょうか? 販促用に秋葉原で配るやつならよくもらいましたが。
 
今回ついてきたのは
 
ウェットティッシュです。あって困ることはないいいノベルティです。
 
ランタン・・・なんで(^^;) ちなみに電池式で、懐中電灯としても使えるのでまぁ時と場合によっては役に立つこともあるかと。
 
一番の謎、ロケットのペーパークラフト。多分CPUのコードネーム、Rocket Lake-Sにひっかけてのものなんでしょうが、意味は分からないです。「キットの組み立てを通じてモノづくりの楽しさを感じてください。」なんて書いてありますが、一応組立てPC用としてCPU買ったわけだからなぁ。まぁ作ることはないです、悪いけど。
 
一応動作確認は終わり、OSの再認証も済みました。今回も内部パーツを交換してのOS再認証は「その前にOSのアップデートを済ませておく」ことが重要です。そうでないと通らないことがよくあります。それにしても最近のWindows10はこの認証がちゃんと通っているか調べにくくなりましたね。かなり迷いました。Microsoftはどうしても従来型のデバイスマネージャー経由から単色UIの設定経由に移動させたいのでしょうが、どっちも使えるようにしてほしいです。
 
前置きだけでちょっと長くなりましたので、性能テストは次回とさせていただきます。テスト自体はほとんど終わっているのであとは文章を書くだけなんですが、一応計測が間違ってないかどうかの追テストもやってますので少しお待ちください。
 
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終わる楽天モバイル1年間無料キャンペーン、そして来たもの

2021-04-07 20:48:02 | モバイル機器
お試しで一年間回線使用料無料、の楽天モバイルのキャンペーンがついに4月7日で終了します。


8日分からの受付は本来の有料サービスになってしまうわけですが、それでも通話はRakuten Link、通信は1GBまでしか回線を使わなければ基本料金無料という状態に変わりはないですし、十分お得でしょう。ただ、多分ユニバーサルサービス料金はかかると思いますので完全無料ではないですが、まぁ3円かそこいらですから無視できる範疇と思います。

で、その4月7日午前、突如我が家まで楽天の通信電波が届くようになりました。ついこの間までギリギリ届かない、届いても非常に遅い、なんて状態だったのですが、我が家の中でアンテナが4本たってます。気づいたのは11時ごろだったので何時からつながるようになったのか分かりませんが、昨夜はつながらなかったのは確実です。まるで無料キャンペーン終了に間に合わせるように工事したようです。
さて、さっそく調べてみましょう。電波や電磁波があちこちに発生していて条件としてはあまりよろしくなさそうな我が部屋でほぼ正午ごろ、my 楽天モバイルを使って速度をテストしてみます。前回はなんとか届いていた道路を挟んだ向かい側では受信4.6Mbps・送信0.2Mbpsという速度でしたが、今回の家の中での接続速度は

受信(下り) 16.7Mbps
送信(上り) 3.0Mbps

素晴らしい! 立派に接続している速度と言えます。これで物足りないという人はもちろんいるでしょうが、わたしには十分です。なにせmineoの夜より速いんですから。特に正午の時点でこの速度は立派でしょう。まぁ電波が届いたばかりで界隈に接続している人はほとんどいないゆえの速度かもしれませんが、これがほぼ常時出れば用は足ります。
ちょっと外へ出てみてみましょう。楽天モバイルはプラチナバンドを持っていないので家の中では電波がつかみにくくなる、という話を聞いたことがありますので。外と言っても家の前なので、部屋とは数mくらいしか離れていません。

受信 18.3Mbps
送信 10.1Mbps

受信も上がってはいますが、それ以上に送信の速度が全然違います。やはり楽天モバイルは家の中では弱くなるのでしょうか。実際、今日は休日だったのであちこちあるきまわりましたが、やはりビルの中は電波を受信しづらくなっています。特にエレベーターに乗ってしまうと、今回は全部電波が一度切れてしまいました。なので停電でエレベーターに閉じ込められて、「携帯電話で助けを呼べ!」なんてケースになると現状のわが地区の楽天では力になれない、ってことになりますね。時間が解決してくれるでしょうけど。

それにしても、ここまで速度が出ればもう間違いなく開通した、と言っていいでしょう。それだけに当ブログでの楽天モバイル追いはいったんここまでとして、あとは何か変化があったときに触れる程度にしておきたいと思います。ではでは。

追記:今度は「3か月無料」が始まりました。集客力はあるんでしょうが、収益とか大丈夫なんでしょうか。
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フジHDの「外資規制違反疑い」を見てみる。

2021-04-06 16:32:47 | Weblog
先日の東北新社の放送法外資規制違反問題ですが、ここにきて地上波の基幹放送であるフジテレビを傘下に置く「フジ・メディア・ホールディングス」も、一時規制である外資20%を超えていた、という話が出てきています。


すでに「違法だ」「ここも認定取り消しだ」という声も個人では出てきていますが、現状はあくまで「疑い」です。ここら辺、結局放送局を救うために放送法が面倒くさいことになっていることが原因なんですが、まだ手続き上のミス、という可能性が残っているのです。
放送法が違反としているのは、わたしが見た限りでは株の保有率ではなくあくまで議決権です。一般には株の率=議決権の率ですが、少なくとも放送法はそうなっていないようです。これもわたしが調べた限りは、なんですが

第百六十四条 認定放送持株会社の株主名簿に記載され、又は記録されている一の者が有する株式(その者の子会社その他その者と総務省令で定める特別の関係にある者であつて株主名簿に記載され、又は記録されているものが有する当該認定放送持株会社の株式を含む。以下この項において「特定株式」という。)の全てについて議決権を有することとした場合にその者の有することとなる議決権の当該認定放送持株会社の総株主の議決権に占める割合が保有基準割合を超えることとなるときは、特定株主(特定株式のうち、その議決権の当該認定放送持株会社の総株主の議決権に占める割合が保有基準割合を超えることとならないように総務省令で定めるところにより議決権を有することとなる株式以外の株式を有する株主をいう。)は、当該株式についての議決権を有しない。

多分ここが該当すると思うんですが、持株会社の株主名簿に記載して特定株主にしてしまえば、議決権を与えないことができるみたいなんです。つまり外資による投資の割合が100%にでもならない限り、いくら増えてもこれを盾に調整すれば法の範囲内にできてしまう、ということらしいんですよね(違ってたらすいません)。フジHDの外資保有率が高い、という話は急に出てきた話ではなく過去にも問題になったことがあるため、当然フジHD側もこの辺は把握していて、わかっていて議決権を調整していた(いる)と思います。今回の場合これに基づいて外資の議決権を外すための調整をミスして名目上の割合は増えてしまったが、まぁいつもと同じだから大丈夫だろう、くらいで資料を提出してしまったんだと思います。もちろんそれを見過ごした総務省および総務大臣の責任は重いですが、あまりそっちへの避難の声は聴かれない気がします。
認定更新制である限り、過去に戻って認定の取り消しというのは、わたしはすべきではないと思っています。東北新社の件では「ザ・シネマ4K」のみ取り消し処分が下りましたが、あれは東北新社としてはBSのスロットの確保のためだけにキープしていたようなチャンネルでしたから、半分イケニエとして世間の声を抑えるためだけの措置に過ぎないと思います。もちろんわたしは、東北新社から撤退の申し出でもない限り過去に戻って認定取り消しというのは反対です。素人が何を言っても意味はないでしょうが、調整が可能な法律である以上、穏便であってほしいものです。本当、放送局が権力の圧力に簡単に屈するようになったらいろんな意味で終わりですから。
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期待と不安が交差する・・・仮面ライダー50周年新作発表

2021-04-04 11:30:42 | 特撮・モンスター映画
東映の誇るヒーロー、仮面ライダーがこの4月で生誕50周年だそうです。いやめでたい。ウルトラマンなどと違って特定のシリーズ・話が高く評価されるシリーズではありませんが、定期的に作り続けられてこの年数ですからすごいものです。ただ、現在の仮面ライダーは仮面ライダーというよりメタルヒーローによりすぎた気がしてからわたしはテレビシリーズのチェックを外してしまい、CSで劇場版をやっているときに見る程度に成り下がってしまいましたが。
その50周年企画発表、が注目されていました。いくつも新作の発表がありましたが、その中の一本にあったのが「シン・仮面ライダー」です。


このタイトルを見たときにちょっと予感はありましたが、案の定脚本・監督は庵野秀明監督です。うーん、さすがに庵野監督=シン、はワンパターン過ぎないですかねぇ。企画は他作品よりもっと早かった! なんて声もあるようですが、タイトルはどうにでもなるでしょう。このタイトルならシン・仮面ライダーより真・仮面ライダーやってほしい(あるんですわ、序章しか作られなかったビデオ映画が)。
正直庵野秀明氏が「実写等身大ヒーローもの」の「監督」って時点でちょっと嫌な予感がします。今でこそエヴァンゲリオンだったり「シン・ゴジラ」だったりをヒットさせた大監督のイメージを持つ庵野秀明氏ですが、エヴァンゲリオンはアニメですし、「シン・ゴジラ」は監督ではなく総監督、現場の監督は盟友の樋口真嗣監督が務めています。「シン・ウルトラマン」はまだ公開されていませんが、庵野秀明氏の参加は脚本にとどまっていますし、実際の出来は樋口真嗣監督の腕次第かと。
で、次の「シン・仮面ライダー」は脚本と監督・・・となると、個人的にはアレしか思い出さないのですよ。そのタイトルは「キューティーハニー」。倖田來未氏による主題歌のカバーこそ話題になりましたが、確か興行的にはコケましたよねぇ、制作会社潰れましたし。Wikipediaによるとテレビ局など余計な分子の声が入るようになったことや予算的制約のせいもあったようですが、 やはり監督の責任もなくはないかと。もちろんあれから年月は経ってますし、東映も全面的にバックアップすると思いますし同じことにはならないでしょうが、どうも個人的には盛り上がってこないなぁ。だったら書くな、って言われるかも知れませんが。


わたしとしてはむしろ楽しみなのはこっち。


明確に「仮面ライダーBLACK」のリメイクをうたっており、期待が高まります。不勉強なため白石和彌監督の作品は見たことがないのですが、それだけに未知への期待と理想とする完成形の想像がいい具合に入り混じっている感がわたしの中で漂います。あえて過去の同監督作品は見ないで鑑賞に及んだ方がよさそうです。

しかし、日米合わせてこうも特撮そのものやその流れをくむ作品が連発する時代をまた迎えるとは、数年前には想像もしていなかったなぁ。この時代を作った功労者の一人が庵野監督であることは間違いありません。変なレポートで特撮を過去の遺産扱いしたときは怒りも覚えましたが、ちゃんとその責任を取ったことは(ちょっと偉そうな言い回しかも知れませんが)高く評価しています。「シン・仮面ライダー」もいい意味で期待を裏切ってくれればそれでいいのです。ただ、タイトルは再考した方がいいと思いますが。
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楽天モバイル、エリアギリギリで計測してみる

2021-04-02 22:55:16 | モバイル機器
今年に入ってからたびたび書いている楽天モバイル話。先日公開されているエリアが更新されまして、わが地区もだいぶエリアが広がってきていまして、マップによりますとあと300mくらいまで近づいているようなんです。ただ、公開されているエリアと実態が異なるのはよくあること。たいていの場合は公開より少し広くなっています。
それで実機をもって調べてみたところ、なんと我が町まで楽天エリアが拡大していることがわかりました!!

・・・ただし、隣の町内まで orz

我が町内ギリギリのところにある我が家では実機のスイッチを入れても楽天回線を見つけることができません。が、道路を隔てて西側にある隣の町内、その距離300mどころか15mちょっとくらいまで移動すると楽天回線を見つけ、受信が可能になります。ならば逆は、と調べてみますと、東の隣の町内はわが町内と同じく範囲外ですが、もう一町内東に移動すると範囲に入ることがわかりました。
ちなみに我が地区は道路に沿った細長い区間をもって一町内となす整理がなされています。西の範囲内も東の範囲内もその道路を隔てた長い部分で接触しているため、西の町範囲内→我が町範囲外→東の隣範囲外→東の町範囲内と直線的に移動するには200mも歩く必要はないくらいしか離れていません。
つまり、範囲内に我が町と隣の町がまるで食い込むように範囲をよけられているのです。いや、そこまでしてわたしの家を範囲外にしなくても・・・と思うのですが、「テストするにはその方が面白いだろ」と挑発されているようにも見えてしまいます。さすがにわたしが住んでいる家を察して範囲を調整しているわけではないでしょう。我が町と隣町は一応商業地区内で東西の範囲内町内は住宅地区なので、商業地区はとことん後回しにする方針なのかもしれません。

ただし一度西の町までいって電波を受信し、家の表までもどってくると、ギリギリ電波を受信してネットにつながる環境を維持できます。ただ、家の奥に引っ込むとすぐ切れてしまうほど弱い電波しか届いていませんけどね。ちなみにそうやってギリギリつながっている楽天回線の速度を図ってみると

受信(下り) 0.7Mbps
送信(上り) 0.1Mbps

という貧弱極まりないもので、とてもこの回線状態で電話をする気にはなりません。ちなみに範囲内の西の町(先の計測値から約15m先)まで行って速度を図りますと

受信 4.6Mbps
送信 0.2Mbps

一応受信はできますが送信はやはりお寒い速度しかできません。本当にギリギリなんですねぇ。本領発揮はもう少し先のようです。
まぁそれでも「前倒しで工事を進める」の予告通り、回線工事は進んでいるようです。夏までに人口カバー率96%、が本当にできるかはちょっとあやしいですが、とりあえず我が家は範囲になりそうです。でも、普通に受信ができるようになると楽しみがなくなるなぁ。
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