録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

ウルトラマン海外展開裁判、米国で円谷プロ勝訴

2018-04-25 21:52:39 | 特撮・モンスター映画
すでにご存じと思いますが、海外でのウルトラシリーズの展開や利用権をめぐる裁判で、米国において円谷プロ側の勝訴判決が下りました。

円谷プロ、米国のウルトラマン海外権利訴訟で勝訴 タイ人実業家の契約書は「真正ではない」との判断

これが最終決定なのかはわかりません。日本における控訴や上告のような形で裁判が続くのかも知れませんし、あくまで米国での話であってそれ以外の国ではまた裁判が繰り返されるかも知れません。ですが、今回の裁判は「ウルトラマンは誰のものか」と言った所有権のような曖昧なものではなく、1976年度当時の契約書が「真正な契約書ではなく、効果はない」として、決定力のある契約書を今回の裁判相手であるユーエム社が持っているわけではない、と判断したことにあります。そもそも提出してきたものが原本ではなく写しであった時点でその信ぴょう性は薄いとみなければならなかったんですけど、円谷プロ側がヘタなのか相手が巧なのか、各国での裁判は勝ったり負けたりを繰り返していたようです。仮に今後裁判が続くとしても、この米国裁判の判断は円谷プロ側にとって大きな武器になると思われます。先日の中国製アニメのようにウルトラマンが勝手に使われるようなことは難しくなるでしょう。もっと早く判決が下っていたら、先日から日本でも公開された映画「レディ・プレイヤー1」でもウルトラマンが出たかも知れません。お声がかからなかっただけかも知れませんが、少し残念です。

そもそもこの事件は、円谷一族と友好関係にあったタイ人とのなぁなぁな関係と、商売のヘタさが元でした。以前この件を書いてからまた資料を探したりしたのですが、中には「円谷プロがタイのチャイヨー・プロとの合作である"ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団"を無断で海外に販売したため、チャイヨー側が怒ったので契約を結んだ」なんて書いてあったものもあります。それが真実かどうかまではわかりません。ですが、円谷プロの創始者である円谷英二氏は海外事業の難しさをその10年も前に警告していたのです。
1967年の映画「キングコングの逆襲」のパンフレットに「怪獣ブームに答える A君への手紙」と題した円谷英二からのメッセージが文章として書かれていますが、その中にこのような一文があります。

"私はアメリカとの合作の仕事をするたびに英語の話せない自分をもどかしく思う。いくら通訳がいても、こちらのイメージが相手に正確に伝わったかどうか不安である。
 若いスタッフには、英語だけでも話せるようになれといつも云っているのだ。
 日本映画が発展するためには、なんとしても海外にのびていかなければならない。そのためには、これからの若い諸君が、国際人として通用する人間にならなければだめだ。
 いわゆる活動屋の時代はとうに終わったのだから・・・・・・。"

「キングコングの逆襲」をはじめとするアメリカとの合作映画における円谷英二氏の仕事はあくまで特技監督でありますが、それでも打ち合わせの際にまともな会話ができない自分をもどかしく思っていたようです。まして、円谷プロとして製作した、「ウルトラマン」にせよ、「ウルトラセブン」にせよ、海外での放送を考慮に入れて製作されていた跡が見られるのですから。両作品ともほぼ内容は無国籍で時代設定も近未来(ただし、番外的内容であるウルトラマンの「怪獣殿下」は除く)でありましたし、音声は俳優のセリフと効果音、BGMが別収録になっていたのも吹き替えを考慮に入れたためでしょう。多分円谷英二氏はこの時点で近い将来海外相手に困ったことになる可能性を考えていたのでしょう。ですが、残念ながら円谷プロは活動屋の集団でした。英二氏の死後はむしろ海外よりも国内に目を向け、製作当時の日本が舞台であることを明確にした作品が目立つようになります。作品の内容としてそれまでに比べて劣っているわけではありませんが、先細りが目に見えていた市場での展開を図った結果、問題の時期になった1976年にはウルトラシリーズすら中断せざるを得ない模索時期に入っています。おそらく件の契約書を書いたとされる円谷皐氏にしたところで「海外でウルトラマンの知名度が上がれば」程度にしか思っていなかったのではないでしょうか。ですが、一度中断したことでむしろウルトラマンを求める声が上がり、円谷プロ製作ではない「コメットさん」に3回も登場したり、マンガ「ザ・ウルトラマン」が新たなファンを開拓したりと違った展開を見せていったのですから、ちょっと余計なことをしてしまったものですが。

ですが、少なくとも事態は円谷プロの有利なものになっていくのは間違いないでしょう。海外を考慮に入れて、地上波でも見られるウルトラシリーズ~今やっているシリーズは地方では衛星放送でしか見られない~を展開してくれると録画しやすくてうれしいのですが。でも、それでも「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」が再び国内で見られるようにはならないんだろうなぁ。
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