東の空から太陽が昇ってくる光景だけを見るだけが目的だった。
黄金色に輝く砂浜を眺めながら、この景色に間に合ってよかったと思った。
潮が満ち、そして引いていくときの模様は、二度と同じものが描けない。
そんなことを考えながら、もう少し走ってみようと思った。
途中、沿道に菜の花が咲いていた。そういえば、菜の花は南房の花だった…かな。車を止めてカメラを握り菜の花に向かった。
すぐ脇に水仙の花も咲いていた。レンズを向けるが、太陽の向きと僕の影との関係が邪魔してうまく構図を取ることができない。
そんな僕の様子をサルが見ていた。
家に帰りアップにすると、三匹の親子だった。もっと近づこうとしたら、母親に攻撃されていたかもしれない…
再び車を走らせると、水仙の名所があるという看板を発見し、標識を追うように車を走らせた。すると、斜面になった場所にたくさんの水仙が花を咲かせていた。花の香りに癒される。途中、ここに向かう臨時バスが連なって走っていたが、「昨日テレビで紹介していたところじゃないの」と、母が言っていた。
敷地内には桜の木もあり、早く咲きたいのか、芽を膨らませてその時を待っていた。
山を抜け、浦賀水道側に出る。雲は多かったものの、青い海が美しく輝いていた。
海ほたるに寄り、食事をした後に空を眺めていた。羽田空港に向かう飛行機が、時に2機並行して着陸態勢に入ってやってくる。国際線の飛行機は見なかったが、国内線と違うアプローチをするのか、それとも単に滞在時間が短かったため目にしなかったのか。
たまには何も考えずにドライブするのもいい…が、果たして本当に何も考えていなかったのだろうか。事故にならない程度にあれこれ考えていたが、どうなるものでもない。