あと一歩

あと一歩のところで電車が出てしまった。３分待てば次の電車が来るのだが、冷たい風に吹かれながらの３分は少しばかり長く感じられる。

あと一歩、そこのところでなぜか一瞬力が抜けてしまう。「詰めが甘い」ということだ。いつも結果を欲している。自分ではそう思っていて、それはわかる他人にはわかるかもしれない。だが、結果を掴む一歩手前で立ち止まってしまう。

それは、どんなにがんばっても結局はその結果…成果を掴むことができないのをわかっているからだと思う。それは仕方のないことだと理解しつつ、とりあえず結果に向かって「頑張ってはみた」と自分に言い訳するためだけの行為なのだ。それだけのことだ。

自分には何も残らないが、それも悪くはない。とりあえずとはいえ頑張っている僕につられて頑張って結果を掴む人がいるなら、それはむしろいいことなのかもしれない。

そう思えば、空回りばかりの人生も楽しい。心から楽しめなくても、そんな自分を失笑しつつ、暖かな目で見られる。それでいいのかもしれない。