シクロクロスレースで試走後、レース後よく聞かれる「〜はどのラインで通った?」「〜選手はあのラインで通っていたから速かった!」というよくある会話があると思います。
そもそも理想のラインとはなんなのか、僕なりの考え方を書いてみようと思います。
シクロクロスをするにあたって大体のライダーがやっているであろう8の字練習はスムーズに抜けられる理想のラインとタイヤを潰して路面とのμを感じながらグリップの限界点を掴むには非常に有効だと感じています。
僕もシクロクロスシーズンに入る前に感覚を取り戻すために必ず行なっています。
次にS字
赤と黒、どちらのラインが速いラインと言えるでしょうか?
僕は「黒」だと思います。
アウトインアウトのセオリーから言うと赤だと思います、確かに赤のラインは舵角が緩やかでぱっと見は速く抜けれるかと思うかもしれません。
しかし、脱出でも舵角を切っている=踏めていない、つまり脱出の速度は黒の方が速いと思います。
シクロクロスのタイヤは最大33ミリまでとMTBに比べたらかなり細くグリップの限界点も低い、そういったタイヤを生かしてあげるにはファストインスローアウトよりも入り口を多少犠牲にしたスローインファストアウトの方がよりミスも少なくコーナー立ち上がりの初速が速い分コーナー後の直線の速さにも繋がるのではないでしょうか。
しかし、これは図面上に描く理想のライン。
路面のμが全て一緒ならこのラインがベストだと感じますが実際には同じコース上でも砂の浮き具合、泥、芝…etc によってμが大きく違います。
当たり前ですが、一番グリップするのは路面のμが最も高いライン、これは毎周回刻一刻と変化していきます。
そのラインを瞬時に判断する技術というのがとても重要になってきます。
つまり、シクロクロスの理想のラインとは刻一刻と変化する路面の中で一番μの高く脱出速度を優先したラインなのではないでしょうか。