海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

巴里の吉牛のリムスキー

2007年12月31日 | 与太話
今更ですが、2000年代はじめに「2ちゃんねる」で流行った吉牛ネタ。「吉野家コピペ」というらしいですね。
私も便乗して老リムスキー=コルサコフのぼやき、という設定で考えてみたものです。
あ、別にチャイコフスキーやスクリャービンをけなすつもりは毛頭ございませんからね。あくまでネタです。念のため。

***

昨日、巴里の劇場行ったんです。劇場。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、<ディアギレフ特別興行>、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、ディアギレフの公演如きで普段来てない劇場に来てんじゃねーよ、ボケが。
客寄せ興行だよ、客寄せ。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で劇場か。おめでてーな。
よーしパパ、カルサーヴィナのおみ足見ちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、150フランやるからその席空けろと。
劇場ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字型ホールに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、チャイコフスキーはないのか、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、チャイコフスキーなんて巴里では流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、チャイコフスキー、だ。
お前は本当にチャイコフスキーを聴きたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、チャイコフスキーって言いたいだけちゃうんかと。
ロシア音楽の大御所の俺から言わせてもらえば今、ロシア音楽通の間での最新流行はやっぱり、
スクリャービン、これだね。
オール・スクリャービン・プログラム。これが通の聴き方。
スクリャービンってのは光が多めに入ってる。そん代わり音が少なめ。これ。
で、それに退廃的な官能性。これ最強。
しかしこれを聴くと次から「好きになってしまうかもしれない」という危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、漏れの《サトコ》でも聴いてなさいってこった

***

「漏れ」なんて言い方に時代を感じます。今なら「ワイ」ですかね。
馬鹿さ加減では「ある日のリムスキー教授」といい勝負ですが、こちらの吉牛も「さもありなん」という点が好きだったりします。


[この記事は「リムスキーダイスキー」に掲載していたものに加筆修正して再掲しました]

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