海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

《ロシアの復活祭》覚書その7~トロンボーンソロに代わって...

2021年04月29日 | 《ロシアの復活祭》
《ロシアの復活祭》で用いられている聖歌の元ネタ探しは、今でも時おりYouTubeで検索してロシア聖歌の動画を手あたり次第聴いたりしていますが、いまだに<聖歌2> "Ангел вопияше" (嘆く天使)と<聖歌3> "Христос воскресе" (キリストは復活した)が特定できないままです。

その代わりにこんな動画を見つけました。

Rimsky Korsakov - Russian Easter Festival Overture, Op. 36
- National Philharmonic, Charles Gerhardt
(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=B_pAxxPzk2o

この演奏、数多ある《ロシアの復活祭》の一つかと思いきやさにあらず、作品の聞かせどころである中間のトロンボーン・ソロに代わって重厚な男声合唱が入っているんですね!(7:12あたりから)

トロンボーンのソロは、この作品に関する自伝での言及部分、「司祭の象徴的で美しい節回しの福音書の誦経」を指していると思われるので、もともと聖歌の旋律(というか誦経の節回し?)を借用したものであっても不思議ではありません(ただし具体的な聖歌名などは自伝には示されていない)。

この演奏で男声合唱を用いたのは、単に奇をてらってそれらしく置き換えただけなのか、それなりに「正しく」聖歌を引用したのかは不明で、そのあたりは情報がなくてよくわかりませんでした。
途中で「ゴスポディ」(=神)と歌っているのが聞こえるので、ロシア語(教会スラブ語?)ではあるようです。

それはそうと、復活祭の典礼でこの男声合唱のように教会内で歌われていたとしても違和感はありませんね。
聖歌の元ネタ探しの副産物のような感じですが、興味深い演奏に出会えました。


【おまけ】
こちらの演奏は意図的にか偶然かハープの音がやたらと目立っております。
オーケストラの中ではハープこれほどはっきりとは聴こえてこないので、面白いです。

RIMSKY KORSAKOV A GRANDE PÁSCOA RUSSA OSES 110719 ANDRÉ CARDOSO(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=hWjv3GSHiSs