海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

チャイコフスキーとモスクワ博物館(2)

2016年05月12日 | モスクワ巡り
さあ展示室の中へ入っていきましょう。

展示室は大小10室ほどあり、それぞれの部屋にテーマが決められ、それに沿った展示がされているようです。
ご覧いただければわかるかと思いますが、各部屋の壁は自筆譜などをあしらったパステル調の色合いとなっており、展示方法も配慮の行き届いたもので、とても好感が持てるものでした。
この手のロシアの博物館に行ったときにいつも感じるのですが、ロシア人のこうした展示に関するセンスは抜群ですね。

今となっては手遅れですが、私はそれぞれの部屋のテーマや展示物のメモを取ってこなかったので、内容は今一つ不明確で、これから記していく記事も多少怪しいところがありますが、その点はご了承を。
では、まず初めの部屋からです。



ここはチャイコフスキーの生い立ちに関する内容の展示です。




家系図です。中央上、やや左の茶色の四角がピョートル・イリイチ。下方がご先祖様になります。
「チャイコフスキー」という姓は「お茶(=チャイ)」に由来するのかと思っていましたが、曾祖父の姓は「チャイカ(=かもめ)」、その妻が「チャイチハ(=?)」のようで、その子供、つまり作曲者の祖父の代から「チャイコフスキー」を名乗るようになったようです。




子供のころに書いた絵でしょうか。
まさか、こんな絵が100年以上あとに公衆にさらされるとは夢にも思わなかったことでしょう(笑)
それにしてもよくまあこんな絵が残っていたもので...





次の部屋(次の次だったかも)です。




左下の本は確かロシア語訳聖書だったと思います。




夜会用の衣服でしょうか。ステッキにシルクハットもありますね。




その次の部屋。左のキャビネットにはメトロノームと蔵書が収められています。




自筆譜のコピー。自由にめくって見ることが出来ます。




大きなタブレット状の端末があり、自筆譜などを閲覧することが出来ます。


ここまでで全体の3分の1ほど。丹念に見ていくと結構時間がかかりそうな感じが伝わりましたでしょうか。
続きます。




チャイコフスキーとモスクワ博物館(1)

2016年05月12日 | モスクワ巡り
今回のモスクワ旅行でまずご紹介するのが「チャイコフスキーとモスクワ博物館」。
チャイコフスキーが1872年から1875年まで住んでいた家を改装して、「グリンカ中央音楽博物館」の分館として2007年に開館したようです。
http://glinka.museum/en/contacts/muzey-p-i-chaykovskiy-i-moskva-.php


左側はカフェになっていて、博物館は右側半分の2階になります。

この博物館は、サドーヴァヤ・クドリンスカヤ通り沿いにあり、スターリン様式の巨大建築「文化人アパート」の対面に位置します。
近くには「シャリャーピンの家博物館」もあります。


文化人アパート。見よ!この堂々たる建築様式を!


シャリャーピンの家博物館。今回は外から見ただけ。


外壁にはチャイコフスキーが住んでいた旨プレートで表示されています。

円柱のあるところが玄関で、ここから博物館に入ります。
扉を開けると薄暗い殺風景な雰囲気。警備員の女性に不審そうな目で睨まれて面喰いますが、右手にカッサ(チケット売り場)があり、ここで入場券を購入。料金は200ルーブルなり。写真撮影は100ルーブルの追加料金が必要です。
入場券を買ったら手荷物を荷物置場に預けます。自分で置くだけですが、荷物は警備員が見張ってくれている(はず)。
そして反対側に回り、奥の階段を上って、展示室のある2階で待ち構えるおばさまに入場券を渡します。


1階階段室の壁に博物館案内表示。展示室は2階ですが、1階にはサロン、3階には小ホールもあるようです。


階段を上がって2階に出ると吹き抜けのある空間に出ます。写っていませんが右手のほうから展示室に入ります。シャンデリアの下にちらりと見えるのが1階のカッサ。

このあたりの流れはややわかりにくく、私は1階のカッサの右奥が展示室と思って入っていったら、別の部屋だったようで呼び止められる羽目に。
また2階の展示室に入る前に、床が汚れないように靴の上に(下に?)草履のようなものをはかされますが、私は靴を脱いではこうとして、これまた笑われてしまいました。
(そこで急に記憶がよみがえりましたが、ロシアの美術館や博物館ではこうした「お作法」のいるところがありましたね!)

さて、この博物館では「オーディオ・ガイド」といって、入場時にヘッドホンがつながった写真のような円柱状の機械を手渡されます。



これを展示室内の「i」の部分に向けてボタンを押すと解説が聞けるというもの。
言語はロシア語と英語のみ。1室に1か所ありますが、一つ聞くのに5分かそこらかかりますので、全部屋で解説を聞くのは結構しんどいかも。
ちなみに「♪」に向けてスイッチを押すと、チャイコの作品が聞けます。

次回からは展示内容をご紹介していきます。