地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

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J-COM、今日のポイント記事

2005-12-16 06:24:23 | マスコミ、企業
せっかく吼えながら書いたのに全部消えちゃった、、
全くこれだからPC素人は困るよなぁ。。。
仕方が無いので、今日引用した記事をもう一度引っ張って、簡単なコメントを付記して、今日の私の印象とさせていただく。

『みずほ証券の株の大量発注ミス問題で、業界団体がジェイコム株売買で利益を得たすべての証券会社に対し、利益を自主的に返上するよう異例の要請をする方針を固めました。
利益を自主返上するよう要請をするのは業界団体の 日本 ( にほん ) 証券業協会で、個人投資家の株式投資への関心が高まる中で、株の発注ミスに乗じて証券会社が多額の利益を得た問題で、業界全体のイメージが悪化することを心配して、事態収拾に乗り出したものです。今月20日の日本証券業協会の会合で、今回の問題への対応策として打ち出す見通しです。』

元証券OBの「わしがあの頃は一番じゃった」って言いくさってるじーさん方の集団の証券業協会さん、だから証券業界の年金も破綻するんですぜ。
こんなことしたらもっとイメージが悪化するっつーの。それに百歩譲ったってもう遅きに逸してるっつーの。

ついでに今日のJ-COMの引け値は、122万円のストップ高。ちなみに買い残り株数は10159株。
良いですか、善良な普通の投資家、この株が当たらなかったから、寄り付きで買おう、って思った投資家、今まで持ってりゃ結構な利益が出たんですよ。それを「決済が出来ない」って理由で91万2千円で強制的に決済しちゃったんですよ。彼らの逸失利益はどうするんですか?
今まで普通にもってりゃ、さらに1株約30万円の利益になっていたはずの投資家に対する不公平感はどうするんですか?

それにね、ヒューマンエラーってのはこの世界恒常的に起きるわけです。それらも今後はきちんと面倒見てくれるのか、証券業協会!
一見公平に見える、実は物凄い不公平の典型例じゃん。

『ジェイコムの谷間高・取締役経営管理部長は、大阪の本社で応じ、日興シティの同社株取引について「非常に不快だ」と心境を語る。現在、日興シティがこれまでとった対応について、説明を求めているという。さらに、「今後は資金調達などを実施する場合の新たな相手を探したい」という。
また、谷間氏は、引受部門と自己売買部門との分離を背景に、こうした取引があったのは仕方ないとしながらも「取得事実の開示がほかの証券会社より遅かったばかりか、自らの主幹事で公募し、株を手にした一般投資家の株が値下がりしているなかで、多額の利益を上げるとは遺憾だ」などと述べた。』

これは昨日も書いたように、まあ納得出来るね。
もちろんここでは「主幹事としてストップ安の状態を放置できず、買い向かって値段を支えに行った」くらいの事は本来は言えるのだけれど、ここまで問題を複雑にされちゃったらそれも焼け石に水だわな。。
ただこれをやった自己売買部門を日興は責められないはずだし、もし引受VS自己売買部門のパワーバランスによって当事者達に何か起こったら、この会社も未来はそんなに明るくないよ。
いずれにせよJ-COMに関してはさらっと主幹事交代だね。(主幹事がひっくり返るってのはその担当者にとっては左遷を意味するくらい強烈なことであることを一応付記しておこう)

しかしながらさはさりとて、
『日興シティ広報担当の渡辺直美氏は、同社がジェイコム株取引で得た利益をめぐり、今後の取り扱いを検討中としている。また、UBS証券の鈴木華久子氏と、リーマン・ブラザーズの菅井馨子氏も日本の金融当局や東京証券取引所、その他の市場関係者と利益返還の具体的方法などついて、調整中であることを明らかにした。』

何故に(恐らく)女性ばかりが矢面に立っているのだ、各社?
1社くらい社長がきちんと大多数の証券関係者が思っていることを堂々と述べるところがあっても良いんじゃないのか?

最後に
『今度の取引で上げた利益は法律やルールを破って稼いだものではない。返上するかしないかは、あくまで個々の企業が自らの責任で決める事柄だ。
横並びの返上ではなく、例えば公益性の高い団体などに寄付する会社が現れていたなら、もっと歓迎されたのではないだろうか。
与謝野氏は証券界を監督する金融庁の担当大臣だ。言われた側が圧力を感じたとしても不思議はない。外資系までが同調したのも、日ごろから風当たりが強い事情を考えれば納得できる。
この国には役所が許認可権限をテコに業界を束ねてきた歴史がある。
まだまだ不十分とはいえ、市場の独立性が重んじられるようになってきた矢先である。「大岡裁き」だと喝采する時代ではない。
一義的には責任あるみずほ、東証の両社が損失をかぶるのが筋だ。』

普段はちょいと斜に構えて読む朝日の社説の一部であるが(笑)、確かに証券界には「公益性の高い団体などに寄付する」なんて発想はまず出て来ないので、この部分は私はうんうんと頷いてしまった。でもこうやって書かれちゃったから、もうどこも出来なくなっちゃったけど(笑)。
まあこの社説全体を読むと一部納得できない部分もあるが、しかしながらこの与謝野さんのあの一声に対するきちんとした批判をマスコミから聞いたのは、あるいは私が気付かなかっただけかもしれないが、これが初めてであったので、ちょっと新鮮だった。


いずれにしても、外に居ると「まだやってるの?」「やっぱり日本は不思議な国ね」となっている空気をひしひしと感じるわけで、ビジネスセンスのかけらも無いような連中に引っ掻き回された結果、また「日本は不思議じゃなくてまともだよ」と、我々証券界の人間が言って回らなければならない訳で、だからセンスの無い奴は黙ってろっつーの。


1 コメント

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日本は不思議な国ですね (アマポーラ)
2006-04-10 23:13:11
下は本日の日経ネット記事の転載ですが、東証と日本証券業界は遂に、ウッカリミスで”発行済み株式数の5%以上の枚数を誤発注した側を保護する”ルール制度化着手だそうです(^^;



例えば発行総数が10000株程度の銘柄でも、たった501枚の板に出くわして売買を行ってしまい、その板が運悪く発注ミスによるものであれば、見抜けなかった貴方が悪いとして(笑)無効にされてしまうという事ですよね。



表示された数量とプライスに対する無条件の信頼

を前提に商行為が行われるというのは、マトモな資本主義国の礎のような物だと思われますが、それを覆してまで保護する対象が歯の生え揃わない赤ん坊ではなく充分に読み書きが出来るもののちょっとした注意力を欠いた大の大人と、そのような人物の行為を管理チェックする術すら持たない証券会社のPL書だと思うと泣けてきます。



一度に発行済み株式の5%を超える枚数の発注など一生涯縁の無い私のような投資家は今後、数量と価格だけではなくその背景に潜む誤発注の可能性とやらにも、最大の想像力と細心の注意を払い売買を行わなければならないわけですね。



極端な言い方をしましたが、考えれば考えるほど馬鹿馬鹿しくなって来たので、一体何をとち狂って過失を起こした側を保護するルールを制度化するのか教えていただきたいもんです。そこまでやりたいのなら東証と証券業協会がコストを負担して、5%を超える枚数の注文が通らないようなシステムを作って欲しいと考える私の方がおかしいのでしょうか...?



凡ミス発注して市場を混乱させた場合、げんこつ10発の刑に処すとでも法制化した方が余程まともな気がするんですけど。小鬼様や皆様のご意見を伺いたいです。



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誤発注株式の取消ルール「十分に検討を」・金融庁長官

 金融庁の五味広文長官は10日の記者会見で、東京証券取引所などが導入を検討している誤発注株式の取り消しルールについて、「法的に実施可能かどうかなど、引き続きよく検討しなくてはいけない論点がある」と述べ、慎重に検討する必要があるとの認識を示した。



 東証と日本証券業協会は発行済み株式数の5%を超える誤発注を対象に東証が注文自体を取り消すことが出来るルールを検討中。五味長官は約定取り消しにかかる手続きなどの詳細についても詰めるべき課題があるとした上で、「十分に必要な検討を行うことを期待する」と述べた。 (19:01)



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