地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

メディアって善用とか悪用するものなのか、やっぱり

2006-02-23 06:11:59 | マスコミ、企業
先ほど拙さるさる日記にて書いてきたけれど、本日の出張では本当に考えさせられてしまった。
今日訪問してきた顧客の日本株に対する運用資産は約600億円。そしてさらに追加投資を考えているそうで、そんな話に出会えるのは正直証券マン冥利に尽きるわけで、そこでは何を置いても営業してくるのが我々プロの仕事ではあるのだけれど、今日は本当に自分自身で葛藤してしまった。。
全ては昨日の東証の殿のご発言のお陰である。
あの記事には私よりもよっぽど早く、多くの方々がピッキ~ンと反応されていたのを、コメントやTBから知ったのであるが、それを私は頼もしく思い、同時に非常に悲しく思ったわけである。
この話は本当に考えれば考えるほど暗くなるので、あ~嫌だ。

今じゃこの現物市場と先物市場の時間差を「魔の30分」とみんな呼んでいて、そうやって呼ばれちゃうことに早く気付けよ、東証。それが昨日の記事で引用したように、不正の温床になっちゃうなんて危惧があるとしたら、それはね、あなたの責任よ、東証。
もういい加減マスコミに迎合するのは止めたほうが良い。
私のような名も無き証券マンですら、せっかくの宝の山のような顧客の話を前にして、まじに、いやほんと掛け値なしのまじに、悩んじゃっているんだから。
本当に日本株の追加投資なんて勧めて良いのかどうか悩んじゃうなんて、私の証券マン人生開闢以来の出来事だからね、殿。

さて、その話はひとまず置いて、今日発見した残念なコラム。
この間、NIKKEI EYEの太田委員の記事を引用したばっかりだけれど、今日は同じコラムの森委員の記事。

~~~一部引用、NIKKEI EYE プロの視点、2月17日の記事「ライブドア事件を反面教師に」~~~
アドレスは、http://www.nikkei.co.jp/neteye5/mori/index.html です。

<引用開始>
『「市場」と「メディア」をいかに善用するか
 今や株式や債券による直接金融優位の時代に変わり、株式の持ち合いも崩れてきた。このような環境下で、堀江被告はマスコミに乗って、挑戦的若手経営者という虚像を膨らまして、多くの個人投資家をひきつけたのである。市場の「期待」をあおる上でメディアの果たした役割は大きかった。
 堀江前社長の逮捕後、「期待」はあっけなく弾け、堀江被告らの「虚」の部分が一気に表面化した。このためメディアの責任が社会的に問われている。自戒したい点だが、企業がメディアにいかに対応するかが、経営上ますます重要になってきていることは否定できない。それをライブドア事件はゆがんだ形で示した。
 企業経営者の役割は、「夢」を株券に変えて投資家に売って資金を集め、事業を創り出すことである。そのために「市場」と「メディア」をいかに善用するかが、経営者の腕のみせどころだ。悪用した堀江被告は反面教師である。』

~~~ 一部引用終わり~~~

ちょっと残念だと思いませんか?
これって結局堀江氏のよって悪用された(と開き直る)メディアの擁護論なんじゃ無いですか?
結局メディアは堀江氏によって悪用されただけで、メディアは悪くないんだよね、ってことを言いたいのでしょうか。
私は元々国語の読解が苦手なのですが、私が読むとそう聞こえちゃうんですね。

メディアってのは大体悪用とか善用とかされるものなのかな、ってのがまずは疑問なんですね。
そうじゃなくて、本来ならメディアはあくまでも中立に事実を報道することがその使命なんじゃなからろうか、と。
フジテレビVSライブドアの時にその辺を散々書いたら、とある知り合いに、所詮メディアってのは各社の意見があるんだから、最終的にそっちの方向に誘導しようとするものだ、って言われたんだけどね。
確かにそれは私も分かる、分かるけどさ、またまた名探偵コナンじゃないけど、「真実はいつも一つ!」な訳ですな。

『企業がメディアにいかに対応するかが、経営上ますます重要になってきていることは否定できない』
この下りなんてさ、あんたを良く書こうか悪く書こうかは、全て社長、あんた次第でっせ~!って聞こえちゃうんですけど。。。
全てメディアにアピールする側の責任って聞こえちゃうけどさ、メディアの基本ってのは「取材」じゃないの?
碌に取材もしないで企業側の言いなりの記事を垂れ流しているから今回のようなことが起こったんじゃ無いかな?それを棚に上げて、そういう言い方は、前回の太田氏の意見が(私、個人的には)秀逸だっただけに、すっごく残念ですなぁ。

まあ、でも角度を変えてみてみれば、ようやくメディアの化けの皮がはがれてきたんだなとも言えなくも無いわけで、そう考えればさ、メディアの悪用も浄化作用の一環だった、なんて天邪鬼的なことも言えるわなぁ。

残念っ!(って再び言っちゃいました、コメント欄の「それは・・・」様!。そうですかぁ、彼はもう消えちゃったんですかぁ。結構好きだったんですけどねぇ・・
残念っ!
ってまた言っちゃった、トホホ)


7 コメント

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初めまして (u1)
2006-02-24 14:47:53
非常に同感なので書き込んでみました。



私は学生時代、現国は非常に得意でしたが同じように読み取れます。



「ホリエモン」関連のメディアの対応は以前からひどいものがありました。

碌な取材をせずに良いネタができたとばかりに持ち上げ、都合が悪くなると叩く。

この時点で完全に目的は中立公正な報道では無く、経済的利益なのだと思います。



仰るように簡単に悪用されるようなモノはメディアの人間が誇りをもって言うジャーナリストでは無いでしょう。

この人は自分達の事なので責任転嫁をしてるんでしょうね…



情けない話です。
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国語は苦手です・・・ (神無月)
2006-02-24 22:17:13
初めてコメントにカキコさせていただきます。



毎回、当ブログを拝見させていだたいているのですが、私個人としては非常に同感するばかりです。TV情報しか入ってこない素人である私が当ブログを見ることによってメディアでは報じられない一面を知ることが出来る・・・勉強になります。

恐らく中にはメディア関係の人も見ていると思うのですが、是非ともコメントして欲しいと強く思います。中には必ず「分かってるよそんな事!」でも・・・なんて意見もあると思うのです。様々な「しがらみ」があることも素人ながら理解できるのですが、ではどうすれば変化することが出来るのか?メディアの方の正直な意見を聞き、視聴者もメディアを選択する意思をしっかりと持つことが必要だと最近強く感じます。



視聴率とジャーナリズム・・・視聴者の葛藤です。
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はじめまして。 (食玩星人!)
2006-02-25 00:08:00
はじめまして【UFOキャッチャー】検索からお邪魔しました。

【食玩星人】と申します。

この度gooブログにて【食玩星人の秘密基地!】を開設いたしました。

yahooブログでも同タイトルで開設していまして、1日平均150件のアクセスを頂いております。

【食玩】【ガシャ】【ボトルキャップ】【フィギュア】の面白さ!たくさんの人に知っていただきたく書き込みさせて頂きました。

興味が有りましたら寄ってください。
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Unknown (オサム)
2006-02-27 03:25:05
はじめまして。若輩者ですがコメントさせていただきます。



>本来ならメディアはあくまでも中立に事実を報道す

>ることがその使命なんじゃなからろうか



おっしゃることはもっともです。けれども、そもそも「公正中立」とは何なのかを考えると、なかなか難しいような気がします。「中立」の基準が明確ではないからです。まかり間違えば大衆迎合的な傾向になってしまうおそれがあります。



また、確かに真実はひとつかもしれませんが、メディアにおける「真実」というべきものは、様々な個々の事実が複合的に重なり合って構成されているものでしょう。手元にある事実をいかに組み合わせるかで、作られる「真実」はいろいろな形に変化するのではないでしょうか。



速報性が要求されるニュースメディアの場合、1つの問題について時間の経過とともに事実が増加し、それとともに構成される「真実」の形が変わっていくのは仕方のないものではないかと思います。



つまり、実際には「真実」というものは「創造されるもの」であって、「最初から一つの形態をなす一個の存在」というようなものではないと思います。



その意味でマスコミに要請されるのは、「どのような事実を組み合わせるのか」という取捨選択の問題です。ここを「公正中立」にやってほしいわけです。



けれども、日本で一番影響があると思われるTVメディアの役割は基本的には広告媒体ですので、視聴率をとることが最優先されるでしょう。とすれば、大衆うけする事実が優先して取り上げられ、組み合わされるのは当然です。



つまり、マスコミが提示する「事実」というものは、「多数を構成するカテゴリの枠に収まる視聴者」のニーズに沿っているわけです。その意味では、「今日のマスコミを作り上げているのは国民である」とも言えなくはないと思います。



もしかしたらマスメディアの質は国民の質に直結しているのではないか、そう思います。マスメディアは人々を動かすと同時に、人々がマスメディアを動かしているのではないでしょうか。
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オサム様 (神無月)
2006-02-28 02:44:01
オサム様のコメントを拝見させていただいて、コメントさせてもらいます。



>もしかしたらマスメディアの質は国民の質に直結している・・・



を見て、非常に私個人恥ずかしく感じ、同時に素直に反論できませんでした。

確かにオサム様のご意見には非常に現在のメディアと国民の関係をずばり書かれていると思うのですが、TVメディア特にニュースメディアにおける報道等に関しては、いかがなものでしょうか?



確かに人々は話題性のある問題に興味をもち、メディアは視聴率を獲得するため話題性のある問題を取り上げる。これに関しては問題ないのですが、真実を創り上げてまで行うことでしょうか。

極論を申し上げると、「ヤラセ」ではないですか?人々は最終的に、オサム様のおっしゃる「最初から一つの形態をなす一個の存在」を知りたいのではないでしょうか?「なんだかんだ報道してるけど、本当の所はどうなのよ?」って事です。



こういった問題に素人である私が意見させてもらい誠に恐縮なのですが、メディアにおける報道とは「事実」と「真実」を直結し、人々に情報発信、問題提起、時には喚起するべきと考えています。





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神無月さんへ (おさむ)
2006-03-01 08:35:21
そうですね。まさに、大多数の国民(視聴者)の皆さんが知りたいのは「なんだかんだ報道してるけど、本当のところはどうなのよ?」って事ですよね。だから、視聴者のニーズに応えざるを得ないメディア側としては、何らかの形でその部分を提示しようとするわけです。



前述した“「真実」というものは「創造されるもの」であって、「最初から一つの形態をなす一個の存在」というようなものではない”、ということの意味は、マスコミがニーズに応えるためにありもしない事実を捏造している、ということではありません。それはあってはならないことですし、ニュース番組や報道番組でそのようなことが明らかになれば、逆に視聴者はそっぽを向いてしまうでしょう。



われわれ視聴者は「なんだかんだ報道してるけど、本当のところはどうなのよ?」と考えます。言い換えれば、「真実」を求めるわけです。しかし、我々が求める「真実」には、発生した事実だけではなく、たとえば刑事事件の犯人像や犯行に至った動機、景気の動向などの未来についてのこと、また、ある人間の人物像、ある事実の価値、意味なども含まれるわけです。これらは丹念に取材をして事実を集めたからといって完全にわかるものではありません。



すなわち、われわれが求める「真実」というものは取材によって明らかになる事実だけでは構成することはできないのです。メディア側からすれば、単に取材した事実を並べて提示しただけでは、われわれが求めるニーズを満たすことはできないのです。



そこで、報道番組、ニュース番組は著名人や専門家の意見を取材した事実に付加し、補強することで、「真実」「本当のところ」らしきものを提示し、視聴者のニーズに応えようとするわけです。つまり、われわれが求める「本当のところはどうなの?」という疑問に対して、メディア側は「事実」と「意見」で構成した「真実」らしきもの、「本当のところ」らしきものを提示するわけです。



このように、報道チャンネル、ニュースチャネルは「事実」と「意見」で構成されているわけです。そして、事実の真実性については丹念に取材することで対応できます。しかし、意見については、それが正しいかどうかを判断する能力はメディア側にはありませんし、それを判断すべき立場にあるのはメディアではなく、むしろ視聴者の側です。



メディア全体に求められる「公正中立」とは「多様な意見を提示すること」であって、「正しい意見を提示すること」ではありません。取材によって正確な事実を集め、報道するのはメディアの役割ですが、意見の「公正中立」についての判断は視聴者個々人がすべきものなのです。そこに批評が生まれる余地があり、活発な批評が「公正中立」というものを作り上げていくわけです。批評作業の中には「何が正しいのか」を検証する機能があるわけです。



けれども、視聴者の大多数は手っ取り早く解答を教えてくれることを望んでいるのではないでしょうか。正しい事実のみならず、正しい意見を望むのです。そこに無理があるのではないでしょうか。



メディアに要請されるのは「正しい事実」を報道することであって「正しい意見」を発表することではありません。また、メディアで発表されるのは多数の中の一意見に過ぎません。そして、われわれ視聴者にとって大切なことは報道される内容について「どの部分が事実でどの部分が意見であるのか」をしっかり区別するということだと考えます。



そして、「公正中立」の判断をメディアに委ねるのではなく、さまざまなメディアから発信される多様な意見を参考にしたうえで、自分自身の中に「公正中立」、言い換えれば、「何が正しいのか」ということの基準をつくりあげることだと思います。

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はじめまして (あけみ)
2006-03-10 12:06:47
時期がずれてしまいましたが同感だったので初めて書き込みさせていただきます。



太田さんは締め切りかなんかであまり考えもせずに書いたとしか思えない落ちですね。昔の粉飾決済の事件を書いて痛い目にあっているとか・・。



今回の検察の捜査を見て長銀のことを思い出してしまいました。下記のリンクのお話にはこのことを思い出させていただきましたので、ぜひご覧ください。



http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/yanai.cfm



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