イケダハヤトさんの
コンテンツを「パクる」のは、なぜいけないの?教えておじいさん!
が各界で波紋を呼んでいますね。反論の最右翼はこちら。
ネットの超イケてるライター・ヨッピーさんの
イケダハヤト氏が全クリエイターに対して宣戦布告を開始
ものすごく端折ってしまうと、イケダさんは「ネットのコンテンツがパクられて何が悪いのか分からん。オレは実際パクられたほうが儲かっているからな。あと、パクられた当事者でもない関係のないヤツは口出しするな、ボケ」とおっしゃっています。普段からイケダさんの文章を読んでいる身としては、実に一貫した文章となっています。
ヨッピーさんは「ンなこたぁねぇよ。努力したヤツの儲けが少なくなって、何も生み出さないコピペ野郎が儲けてるんだよ。それっておかしいだろ? イケダさんよ、アンタは本気でパクられて困るようなネタを作ってねぇからパクられねぇんだ」といったところでしょうか。著作権的な解釈としては実に一級品の文章であり、多くの頑張るクリエーターの溜飲が下がったと思われます。
今回の件ですが、2000年代の中盤だったらこれほどイケダさんへの反論はなかったと思います。というのも、ヨッピーさんが
今の現状は、ネット上に通り魔がウヨウヨ徘徊してる状態なのよ
とおっしゃっているように、ネット人口が増え、さらにネットで少しでも小金稼ぎをしてやれ、ウヒヒ。他人のネタをコピペしときゃお手軽、お手軽! みたいなことを思ってるどーしようもない連中が激増してしまった時代になったからです。2000年代中盤は、ネット上に公開される情報はそんなになく、今や死語となった「アルファブロガー」の皆様によるテクノロジーの解説や書評などを皆が楽しんで読み、それらを「常識の範囲の引用」で紹介する世界がありました。
ところが芸能人のブログ参入と共にバカが金魚の糞の如くついてきて「今日のランチはカルボナーラ(*^_^*) 量は多かったけどデザートは別腹(笑)」みたいなブログのエントリーにも「おいしそうだねぇ~」「キャーおいしそー! 今度一緒に食べたいな!」なんて言うようになった。ネットのユーザー・情報発信者における素直過ぎるバカ含有率が増えたからこそ、芸能人のなりすましにひっかかる人が続出し、パーナさんを助けよう! なんてデマもまかり通る。
こうした時に、こういうバカの可処分時間を自分の利益のためだけに使わせようと手ぐすね引いているのがパクリ野郎なワケですね。これは2000年代中盤とは随分異なる風景です。
あの頃は「知の共有」「集合知」「シェア」「建設的な議論」「発想のパラダイムシフト」みたいなネットが掲げた理想を追求しようとする人々が情報発信をしていたように思います。実名じゃなかったけど、「○○ブログの人」みたいな感じで信頼感はあった。だからこそ、あの時代にイケダさんが今回のような提案をしたら納得できたかもしれない。いや、「パクリ」なんて言葉は使いませんよ。「みんなで回覧してちょっと意見頂戴よ」「オレのネタ使っていいから、あなたのネタも使わせてね」という感じでしょうか。
そして、各人が自分のブログの評判という「失うもの」を持っていたから露骨なパクリはまかり通らなかったし、村社会だったから「常識の範囲の引用」を心がけていた。しかしながらネットは2007年ぐらいからはそんな崇高な理念など持っていない人々の遊び場になり、無法地帯となった。さらには、ネットでカネを稼げることが分かってきた! これがデカい。
ヨッピーさん言うところの「通り魔がウヨウヨ徘徊」状態になったのでした。
佐々木俊尚さんが「自分でつくるセーフティネット」という本を出しました。もちろん私も読みましたよ。えぇ。同書のポイントは
・見知らぬ他人を信頼する
・多くの人と弱いつながりを持つ
・善人でいろ
・自分の中途半端な立ち位置を知るべき
ということです。まぁ、Facebookにちゃんと「善い人」である自分を出しておけば、誰かが助けてくれるかも。もう会社とか信用できない時代だからね……、という本です。
今回の佐々木さんの本は2000年代中盤に戻ったかのような「あの素晴らしきいんたーねっと」の世界を思い起こさせてくれるものでしたが、私としては「佐々木さん、あのいい時代はもう戻ってこないんだよ」と言いたくなった次第であります。いつもそうなのですが、ネットの最先端の方々は、上位3%の話をしているような気がしてならないんですよ。だからおとぎ話みたいに思える。いちいち著者に「共感しました!」なんてリプを送る目を輝かせた方々も、実の心のきれいなレベルの高い方々なんです。
ただな、ネットについて語る場合はその下のバカと普通の人と頭おかしい人のことを考えることの方が圧倒的に重要だぜ。なんせ、真っ当な紳士・淑女がここまで報われない世界なんてネットぐらいしかないからだよ。バカの方が圧倒的に多い、そして、パクったものが勝ち、なんかヤバいと思ったら逃げればいいという無法地帯。まさに外道!
イケダさんの面白いところは、散々バカに絡まれ、罵倒され、ブロック連発、うんこ食ってろ! と吠えまくっているにもかかわらず、2000年代中盤感がハンパなくあるんですよね。「ネットでシェアするっていいことじゃん!」とあの頃の「ブロガーオフ会」なんかでキラキラ目を輝かせていたチェックのダンガリシャツを着てチノパン履いていたオッサンどもが目を輝かせて言っていた感覚も持ち合わせている点が実にユニークなのであります。いわば、ソーシャルウェブ2.0論客とでもいえる新種かもしれません。
まっ、今回、オレはヨッピーさんを支持するけどね。
つーかよ、今までオレが散々何かを言うと先端的IT野郎の連中が「あいつは古い」とか「あいつはマスメディア出身だから悔しがっているだけ」「ネットに嫉妬しているだけ」なんて言ってきた。とにかく先端IT野郎の連中は
・ITがかかわっていて
・何か新しい点があれば
とにかくホメるメンタリティがあった。そこに加え
・そのサービスにかかわっている人が若い
ともう最強。ホメられる以外にない。そして、これらを否定すると叩かれるワケですよ。今から考えればなんの学芸会だよ、ボケ、というWISHというITサービス発表イベントがあったのですが、「レベル低いwwwww」なんてオレが揶揄したら「あなたはイノベーションを起こそうという気概がないのですね」「はいはいはいはい、マスゴミさんは黙っててください」みたいな話になる。
でも、WISH発の成功サービスなんてみんな知ってるかい?
というわけで、パクリパクられ論争については、ならず者に資金提供をしている状況があるのと、常識的に考えて人のふんどしで相撲を取るのはよくないだろうよ、引用は常識的に(*^_^*)というところではないでしょうか。
それはさておき、イケダさん、今度お金ためて高知行くんで、ヒマだったら飲んでくれ。
※追記:「なんでtabi laboだけがここまで壮絶に叩かれなくちゃいけないの? NAVERまとめは? Pinterestは? Tumblrは?」という疑問についてはこれが真実です。
人は叩きやすい主体を叩く。それはその主体がより紳士であり、一流企業であり、公的であれば叩きやすい。誠実に対応してもらえるしダメージを与えられるからね。反面、匿名のネットユーザーは叩きようがないし、仮に叩けたとしても、相手は逃げりゃ終わり。リスクが圧倒的に少ない。
コンテンツを「パクる」のは、なぜいけないの?教えておじいさん!
が各界で波紋を呼んでいますね。反論の最右翼はこちら。
ネットの超イケてるライター・ヨッピーさんの
イケダハヤト氏が全クリエイターに対して宣戦布告を開始
ものすごく端折ってしまうと、イケダさんは「ネットのコンテンツがパクられて何が悪いのか分からん。オレは実際パクられたほうが儲かっているからな。あと、パクられた当事者でもない関係のないヤツは口出しするな、ボケ」とおっしゃっています。普段からイケダさんの文章を読んでいる身としては、実に一貫した文章となっています。
ヨッピーさんは「ンなこたぁねぇよ。努力したヤツの儲けが少なくなって、何も生み出さないコピペ野郎が儲けてるんだよ。それっておかしいだろ? イケダさんよ、アンタは本気でパクられて困るようなネタを作ってねぇからパクられねぇんだ」といったところでしょうか。著作権的な解釈としては実に一級品の文章であり、多くの頑張るクリエーターの溜飲が下がったと思われます。
今回の件ですが、2000年代の中盤だったらこれほどイケダさんへの反論はなかったと思います。というのも、ヨッピーさんが
今の現状は、ネット上に通り魔がウヨウヨ徘徊してる状態なのよ
とおっしゃっているように、ネット人口が増え、さらにネットで少しでも小金稼ぎをしてやれ、ウヒヒ。他人のネタをコピペしときゃお手軽、お手軽! みたいなことを思ってるどーしようもない連中が激増してしまった時代になったからです。2000年代中盤は、ネット上に公開される情報はそんなになく、今や死語となった「アルファブロガー」の皆様によるテクノロジーの解説や書評などを皆が楽しんで読み、それらを「常識の範囲の引用」で紹介する世界がありました。
ところが芸能人のブログ参入と共にバカが金魚の糞の如くついてきて「今日のランチはカルボナーラ(*^_^*) 量は多かったけどデザートは別腹(笑)」みたいなブログのエントリーにも「おいしそうだねぇ~」「キャーおいしそー! 今度一緒に食べたいな!」なんて言うようになった。ネットのユーザー・情報発信者における素直過ぎるバカ含有率が増えたからこそ、芸能人のなりすましにひっかかる人が続出し、パーナさんを助けよう! なんてデマもまかり通る。
こうした時に、こういうバカの可処分時間を自分の利益のためだけに使わせようと手ぐすね引いているのがパクリ野郎なワケですね。これは2000年代中盤とは随分異なる風景です。
あの頃は「知の共有」「集合知」「シェア」「建設的な議論」「発想のパラダイムシフト」みたいなネットが掲げた理想を追求しようとする人々が情報発信をしていたように思います。実名じゃなかったけど、「○○ブログの人」みたいな感じで信頼感はあった。だからこそ、あの時代にイケダさんが今回のような提案をしたら納得できたかもしれない。いや、「パクリ」なんて言葉は使いませんよ。「みんなで回覧してちょっと意見頂戴よ」「オレのネタ使っていいから、あなたのネタも使わせてね」という感じでしょうか。
そして、各人が自分のブログの評判という「失うもの」を持っていたから露骨なパクリはまかり通らなかったし、村社会だったから「常識の範囲の引用」を心がけていた。しかしながらネットは2007年ぐらいからはそんな崇高な理念など持っていない人々の遊び場になり、無法地帯となった。さらには、ネットでカネを稼げることが分かってきた! これがデカい。
ヨッピーさん言うところの「通り魔がウヨウヨ徘徊」状態になったのでした。
佐々木俊尚さんが「自分でつくるセーフティネット」という本を出しました。もちろん私も読みましたよ。えぇ。同書のポイントは
・見知らぬ他人を信頼する
・多くの人と弱いつながりを持つ
・善人でいろ
・自分の中途半端な立ち位置を知るべき
ということです。まぁ、Facebookにちゃんと「善い人」である自分を出しておけば、誰かが助けてくれるかも。もう会社とか信用できない時代だからね……、という本です。
今回の佐々木さんの本は2000年代中盤に戻ったかのような「あの素晴らしきいんたーねっと」の世界を思い起こさせてくれるものでしたが、私としては「佐々木さん、あのいい時代はもう戻ってこないんだよ」と言いたくなった次第であります。いつもそうなのですが、ネットの最先端の方々は、上位3%の話をしているような気がしてならないんですよ。だからおとぎ話みたいに思える。いちいち著者に「共感しました!」なんてリプを送る目を輝かせた方々も、実の心のきれいなレベルの高い方々なんです。
ただな、ネットについて語る場合はその下のバカと普通の人と頭おかしい人のことを考えることの方が圧倒的に重要だぜ。なんせ、真っ当な紳士・淑女がここまで報われない世界なんてネットぐらいしかないからだよ。バカの方が圧倒的に多い、そして、パクったものが勝ち、なんかヤバいと思ったら逃げればいいという無法地帯。まさに外道!
イケダさんの面白いところは、散々バカに絡まれ、罵倒され、ブロック連発、うんこ食ってろ! と吠えまくっているにもかかわらず、2000年代中盤感がハンパなくあるんですよね。「ネットでシェアするっていいことじゃん!」とあの頃の「ブロガーオフ会」なんかでキラキラ目を輝かせていたチェックのダンガリシャツを着てチノパン履いていたオッサンどもが目を輝かせて言っていた感覚も持ち合わせている点が実にユニークなのであります。いわば、ソーシャルウェブ2.0論客とでもいえる新種かもしれません。
まっ、今回、オレはヨッピーさんを支持するけどね。
つーかよ、今までオレが散々何かを言うと先端的IT野郎の連中が「あいつは古い」とか「あいつはマスメディア出身だから悔しがっているだけ」「ネットに嫉妬しているだけ」なんて言ってきた。とにかく先端IT野郎の連中は
・ITがかかわっていて
・何か新しい点があれば
とにかくホメるメンタリティがあった。そこに加え
・そのサービスにかかわっている人が若い
ともう最強。ホメられる以外にない。そして、これらを否定すると叩かれるワケですよ。今から考えればなんの学芸会だよ、ボケ、というWISHというITサービス発表イベントがあったのですが、「レベル低いwwwww」なんてオレが揶揄したら「あなたはイノベーションを起こそうという気概がないのですね」「はいはいはいはい、マスゴミさんは黙っててください」みたいな話になる。
でも、WISH発の成功サービスなんてみんな知ってるかい?
というわけで、パクリパクられ論争については、ならず者に資金提供をしている状況があるのと、常識的に考えて人のふんどしで相撲を取るのはよくないだろうよ、引用は常識的に(*^_^*)というところではないでしょうか。
それはさておき、イケダさん、今度お金ためて高知行くんで、ヒマだったら飲んでくれ。
※追記:「なんでtabi laboだけがここまで壮絶に叩かれなくちゃいけないの? NAVERまとめは? Pinterestは? Tumblrは?」という疑問についてはこれが真実です。
人は叩きやすい主体を叩く。それはその主体がより紳士であり、一流企業であり、公的であれば叩きやすい。誠実に対応してもらえるしダメージを与えられるからね。反面、匿名のネットユーザーは叩きようがないし、仮に叩けたとしても、相手は逃げりゃ終わり。リスクが圧倒的に少ない。