
(夜明け前6時50分出艇)
2019年元旦、新たな年が始まる。
朝5時過ぎに全員起床、もう一度天気予報を確認。
昨晩の作戦通り10時には海峡横断して南側でピックアップをしてもらう。
ただ燈台から1kmほど漕いで無理なら断念、回送役のOCHIさんとは電話で連絡を取り合う。
その為にボタン操作のガラホにし続けてるんだ。
スマホは着信はともかく海上での発信はやりにくい。
更に画面を見ないでかけるのはちょっと無理、でもガラホなら履歴に残しておけばブラインドでかけれる!

(写真でわかりにくいけど前方が波立っている)
スタート地点には6時20分に着く。まだ真っ暗だ。
とにかく少し明るくなるまでは漕げないのでゆっくり準備をする。
6時45分ぐらいにようやくうっすら見えだしたのでカヤックを浮かべる。
これが2019年の初漕ぎか!日の出はあと30分ほどだ。
そして6時50分いよいよスタート、まずは1kmほど先の燈台を目指す。
漕ぎだすと北側が潮流で出来た波がある。
正直ドキドキだ。でも昨日よりはだいぶ条件が良く風もほぼ無風。
なんか行けそうな気がする。

(豊後水道の初日の出、私)
そして燈台の下に到着。
前方に潮流波が見える。あと1時間ほどで最大潮流になる予報、きついのは燈台から5kmぐらいまでなのでざっと小一時間か。
それ以外は風もなさそう。燈台には初日の出を見に来ている人が来ている。
こちらはどう見えているのだろう?
物好きなか無謀なかな。

(豊後水道の初日の出、ナマズ小僧さんとNMさん)
そこから沖に漕ぎだす。
うん、行けそうだ。このまま一気に行ってしまおう!
そう思っていたら日の出の時間、海からあがる太陽はなんともいえない美しさ。
1ヶ月後は私は病院のベッドだろうか?
でもいま確かにここにいる。しっかりと生きている。
さあ行こう、目指すは九州上陸だ!

(豊後水道の初日の出、NMさん)
そこからしばらくは写真も撮れない状態が続く。
沈はしないと思うが手をはなしたりカメラを見るのは怖い。
ただありがたいことに潮に乗って時速7~8km/hぐらい出ている。
潮が弱まるまであと3kmほどなので30分ほどの辛抱だ。
ただ波が南側からきてるので沈しないためにバウを予定より南に向ける、スピードもその方が速い。
とにかくこの潮流波のエリアを抜けてしまおう!

(フェリーは怖かった)
もう少しで波のエリアを抜けそうな時に前方と後方からフェリー!
ちょうど漕いでる所がフェリーの航路で屈曲するあたり。
待った方がいいのか抜けた方がいいかわからない。
それなら漕いでる方が安定もするし漕ぎながら必死で航路を見極める。
後方からのフェリーは早々と針路がはずれたのだが、前方は明らかに船首がこちらを向いている。
とにかくここは全力で漕ぐ、予定では私たちの後方に向かって針路を変えるはず。
そして思ってたより早くフェリーの針路がかわる!
これは見て変えてくれたんですね。
ありがたい、ただ元旦なので交差した船はこれだけだったが、これに貨物船や漁船も来るとちょっとお手上げ。
なまじ航路が斜め前後と左右なので視認しにくく、波で思うように進まずかなり怖い事になりそうだ。

(振り返って佐田岬を見る 壱)
フェリーが通り抜けたぐらいで波のきついエリアも無事通過、ようやく振り向く余裕が出来る。
振りかえって佐田岬をみる、そして前の高島を見る。
なんとなく高島の方が大きく見える。
これは大分県に入ったのかな?

(振り返って佐田岬を見る 弐)
そこで改めてOCHIさんへ電話、渡る旨を伝え、予定通りフェリーで佐賀関まで言ってて欲しいとお願いする。
回送してくれる人がいることのありがたい事よ。

(高島手前、かなり日が登った)
それからは油断こそしないもののペースも少し落として落ち着いて漕ぐ。
大分県が愛媛県の南側が見える。
なんて素晴らしい眺めなんだろう。
元旦そうそうこんな景色は人生のご褒美ですね。

(高島に到着)
そうこうするうちに高島が近づいてきた。
予想以上に順調なのでここで針路の見直し。
始めは佐賀関半島の南側に着く予定、それは渡る事を優先して、今後漕ぐ事などは一旦考えないで決めている。
しかしここまで順調なら出来れば半島の北側のフェリー乗り場の近くであがりたい、
そこで島の南側から北側に目標を変更、潮にのって進んでいたのが角度が変わってちょっと失速。まあこれは仕方ないか。

(小さな点は大量の鳥、実際見ると凄かった)
いよいよ高島に近づくとカモメらしき鳥が大量に飛び交っている。
これが結構凄かった!
写真に写るかなと思って撮ったがやはりよくはわからない。
でもこの写真を載せて置く事でこの記事をみたらいつでも思いだせるだろう。
画像にはでない鳴き声もかなりのものでした。

(高島横、まだ早い、上出来だ)
遂に高島に到着、時刻は8時48分。ギリギリ2時間きっている。
高島2時間が一つの目安だった。距離は12kmちょい、流された分が増えている。
高島から佐賀関半島まで3・4km、フェリー乗り場まで約8km、さあもう少し頑張って行きましょう!