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カヌーの日記  鸛(こうのとり) 弐

カヌーの日記  鸛(こうのとり) 弐

まさに苦闘のゴール

2020-06-11 04:55:00 | 海・湖でカヌー

(草むらにへたりこんで動けなくなる)
 長浜をでて僅か3km、必死で漕いでドームの前に上陸した。
上陸するなり艇から離れて草むらで倒れこむ。
もう身体が動かない。
 風があったとはいえたった3km、いや今の私には3kmもか。
その辺りに認識を変えないと事故になる。

(スプレースカートもはずした)
 しばらくすると身体に少し力が戻りもぞもぞと動きだす。
とにかく腹部が苦しい。
 そこでまず腰痛ベルト・ネオプレーン製をはずす。
次にスプレースカート、私のスカートは腹部を圧迫しないサスペンダー式だがそこ少しもしんどい。
あとはパドリングジャケットも脱ぎたいが意外に冷えるのでこれはそのまま。
カヤックウェアは腹部に圧迫して水を通しにくいものが多いです。

(私にとって海も義兄弟のようなDEEPさん)
 さあ少しましになったので行こうか。
岸ベタなので風もなくなった。
残りは3km、この風ならいけそうだ。
 さりげなく牽引ロープを持っていざとなれば引くつもりのDEEPさん、何があっても見守って、決して見捨てないNMさん。
立場上ここで中止しますかと言いながらも左後ろで見守りながら漕いでくれたゆきのぶさん、そして70代で自分もいろんな症状がでながら私を目に焼き付けるようなmomoさん。
そしてないより裏方にまわって車を回送しながら何かあったらすぐ駆け付けれる用に並走してくれているmimipapaさん。
このチ-ムみんなが私のわがままの為にサポートしてくれている。
そっと泣いていいですか・・・

(この木を潜ればゴールの天野川)
 淡々と漕ぎながらようやく天野川が見えて来た。
もうすぐ、もうすぐだ。
 河口は釣り師がいっぱいなのでそれを避けて少し奥へとはいる。
2年半前に関ヶ原からパックラフトを担いでスタートして、新幹線の前で組み立ててここまで漕いだんだ。
堰堤が多く何度も何度も担いだ区間。
ゴールした時は16時で寒かった。
その関ヶ原からの線がようやくここに琵琶湖の線と繋がった。
ありがとう、みんなありがとう。

(日頃は集合写真は撮らない私も思わず1枚)
 私はここでゴール、サポートのNMさんも一緒だ。
他の3人はここから長浜まで戻る。
今度は追い風に6km、元々普通に漕げる人にとっては大した距離じゃない。
 一応 総行程6・6km/h 全体平均3・0km/h 移動平均3・8km/h 最高速度7・0km/h 史上最高の激闘でした。

(この3人は今からスタート地点まで漕いで戻る)
 艇から降りて再び草の上でへたり込む。
NMさんとmimipapaさんが艇を積み込んでくれる。
情けない、自分のカヤックも積みこめないとは本来来るべきじゃないけど、最後に漕がしてやろうというみんなの気持ちに甘えました。
でもツアーはこれで終わりかな。
これからは1箇所に行って漕ぐ、しんどかったらすぐ帰るぐらいが精一杯。
まさにラストツアーだtったのか。

(補助してもらい上陸。この後またへたりこむ)
 このあとは帰路に。
薬を飲むために100円の草団子を押し込む。
昼はこれで終わり。
大阪まではほとんど寝てました。
そして再び艇の積み下ろし、ほんとごめんなさい。
 翌日からは39度の熱が4日続く。
無理してんな。
それに徐々に衰えが酷くなる。
ポンコツな身体だけどもう少し付き合って。
まだ水上で別れを言わないいけない人は居るんです。

最後の繋ぐ旅に出掛けよう!

2020-06-09 06:18:00 | 海・湖でカヌー

(スタート場所は、当然のように前回ゴール)
 最近は日を追うごとに体調が悪化。
4月より5月、前半より後半と間違いなく悪化している。
 そこで身体が動く間に世話になった人と漕ぎに行こうと計画。
そもそも私は知人には死んでから葬式に出てほしいのでなく、生きてるうちに顔を見たい方だ。
やはり顔見て一緒に漕いで別れは言いたい。

(ここを潜れば琵琶湖に出る)
 今回行くのは私の残ってる3つの区間のうち、家からもっとも近くて、短い距離を繋げたら一つの収まりが出る区間、琵琶湖の長浜から朝妻緑地までの6.6kmだ。
 前ならちょとぐらい酷いコンディションでも行ける。
但し今は身体がヘロヘロ、なんとか漕ぎ抜けますように。

(前にも見た長浜城)
 水路を抜け琵琶湖に出る。
長浜城がこっちを見ている。
 考えたら今日のゴールの朝妻緑地は琵琶湖関ヶ原、伊勢湾を繋ぐ要所、秀吉の長浜城に朝朝妻緑地から南に5kmほど行った所にある江戸時代は井伊家の彦根城。
主な敵が朝倉か大阪かで変わるこの微妙な位置関係、面白いもんだ。

(思ったより逆風がキツイ、というか身体が弱ってきつく感じる)
 琵琶湖に出ると風が強い。
これはたまらん。
もちろん私以外のメンバーは風があるなあというぐらい。
 しかし身体じゅうからゴソっと筋肉が落ちた私にはかなりの苦行、でも周りは私のペースに合わせてくれている!
ありがたく涙が出てくるがここは頑張りどころだ。

(胃酸が込み上げて来て苦しい)
 漕いでると胃酸が上がってきて吐き気がする。
ついえづきながら漕いでしまう。
顔が前を向けず下を向いている。
これは苦しいわ。
 でも不思議な事に身体はパドリングをしている。
我ながら凄い、身体にパドリングという行為が染み込んでいるんやね。

(一漕ぎごとに顔が歪む)
 しかしこの苦しみながら漕いでる写真、私が撮ってくれと言ったのではないのです。
付き合いの長さというかこう云う映像は本当にありがたい。
これがあるから後からBLOGとか見てもこの時の事がまざまざと思い出される。
<img src="https://sea.ap.teacup.com/bayern/timg/middle_1590638969.jpg" border="0"
(ドーム沖の観測所で休憩)
 ここで私がとにかく一度上陸して休みたいと申告、ちょうど500m程先に長浜バイオ大のドームが見える。
とにかくそこまで漕いで一息入れ残りを漕ぎ抜こう。



最後の恵比寿洞見て日和佐へ

2020-04-15 04:32:00 | 海・湖でカヌー

(何人かが取りついている?)
 小島、箟野島といった所から湾を横切って沖合いをショートカット、阿瀬比ノ鼻へと向かう。
相変わらず風もなくとても穏やか。
いいもんですねえ。
 そして阿瀬比の鼻に到着、岬を回り込んでいく、

(こんなところにロッククライマーとは!)
 回り込んだあたりに何人かの人が居る。
釣りかなっと思ったのだがどうも様子が違う。
よくよく見ると何人かが岸壁の中腹に取りついている。
これはロッククライマーか!
一応上の2枚の写真は同じ所の遠景と拡大写真、下の○の中に人がいてる。
長い間シーカヤックやってるがロッククライマーに会ったのは始めて。
川ならありますが貝やフジツボもある海の岩はきついというイメージがある。
いや凄いもんですね。

(恵比寿洞が見えて来た)
 その後は岩礁地帯を通り抜けるとゴールの日和佐城が見えてくる。
ただその前に最後のお楽しみ恵比寿洞が待っている。
 恵比寿洞は遠目にはポッカリあいた洞門、とにかく中に入ってみよう。

(中は広く奥には通路がある)
 中に入ると広い。
真ん中の奥には観光用の通路が見える。
成程、普通の人はここから見るのか。
 右奥にも水路があるが行きどまりのようだ。
左奥にも狭い水路があり潮が流れている。
なんとか入れそうなので入ってみよう。

(上の写真の更に左の水路)
 入ってみると奥に光が!
水路が抜けて奥で右に曲がり真ん中の所と合流している。
だが流石にそこはシーカヤックでは無理、というか人間にはきつい。
なんといっても高さがない。
そして急角度の曲がった水路、でも行っては見たいです・・・

(左の水路はなんと抜けていた)
 外から見るよりずっと良かった。
中から外を見ると秘密基地の気分、いいもんですねえ。

 そこからはゴールまでもうすぐ。
大浜海岸を見ながら日和佐城の前までいってゴール。
総行程16.14km 全体平均4,4km/h 移動平均5.0km/hでした、
かなり観光気分で所々止まってるのでゆっくりペースですがこれはこれでよかったです。
距離も短めだったしコンディションも良かった。

 あとは着替えて車を取りに伊座利へ。
もうこの曲がりくねった道もこれで最後かと思うとほっとする。
次は日和佐からJR鯖瀬駅までの約18kmの予定。
ここも断崖絶壁が続き荒れても逃げ場がないんですね。
でも綺麗だろうなあ。
千羽海崖とか有名ですね。
まっ天候選んで無理せずいくつもり。
しかし南徳島、いい所です。

これは吃驚、潮吹き岩

2020-04-13 03:45:00 | 海・湖でカヌー

(潮吹き岩)
 鹿ノ首岬を越え次に目指すのは潮吹き岩、岬からはほんの2kmほどだ。
ただこの潮吹き岩のはっきりした場所がよくわからない。
とにかく近づいて探してみる。
 地図でこのあたりという所までやってきたが場所がわからない。
そこですぐそばの釣り師に声を掛けて知ってるか聞いてみた。
親切な釣り師さんで場所を教えてくれた。
ありがとうございます。
 言われた場所に近寄るとなにやら水蒸気らしきものが上がっている。
ここか、ここが潮吹き岩なんだ。

(○の所から噴き出す)
 良く見たいので近づいてみる。
このあたりはカヤックならではです。
すると岩がえぐれた場所があり岩の上まで海水が押し寄せてくると噴き出している。

(こんな感じです)
 実際横で見ていると結構凄い。
しかも噴き出した時は虹がかかるのでなかなかの見ものだ、
残念ながら虹の写真は撮れなかったが充分満足。
 しかし大阪からなんとか日帰りで来れる所にこんな場所があるとはね。
まだまだ知らない所は多いです。

(由岐漁港の東側の岬近くの小島に上陸)
 その後は岸沿いから離れて由岐漁港の東の岬を目指してショートカット。
岬の先に箟野島や小島それに潮碆、大碆、兜碆といった岩礁地帯がある。
その中の小島に上陸して昼食を取る事にする。
実は上陸しやすいのは本土のほうなんですが私が島に上陸したかったのでわがまま言いました。

(アメフラシ、千葉と島根の一部では食用らしい)
 そこで参加のNMさんがフグを発見、でも他の人は見つけれない。
NMさんは常日頃から生き物を見つけるのがうまい。
その後もなにか探してるのかなと思ったらアメフラシがいてるとの事。
思わず手に取って観察しました!

 食事も終わり後半戦へ出発、この小島あたりがちょうど行程の真ん中あたりです。
ここからはまた4kmほどのショートカット、JR由岐駅、田井の浜駅、木岐駅と3つの駅を通り過ぎる。
木岐駅の次はトンネル3つ越えて北河内駅、日和佐駅と続きそこがゴール地点、ここから高知県の県境まではJR牟岐線があるので回送の幅が広がるし、いざとなれば一人回送もやりやすい。
ようやく線路のある所まで来れてちょっと嬉しいんです。

 この辺りまでくると阿南海岸の大島、日和佐の先の岸壁などが見えてくる。
この先にも行くんだなあ。
高知県の県境までざっと30km、そこから前に漕いだ日沖までも約30km、少しずつ先が見えて来たな。

(ここを過ぎれば恵比寿浜)
 そしていよいよ大辰巳島、小辰巳島といった島々が見えて来た。
その先は阿瀬比ノ鼻がありそこを回り込むと恵比寿洞という名所がある。
残りはあと4kmほど、まだまだ楽しみはありますね。

まずは鹿ノ首岬へ

2020-04-11 04:24:00 | 海・湖でカヌー

(断崖が延々と続く。たまらない景色だ)
 今回の伊座利~日和佐なんだが、実は予定ではもう1日早くいくつもりだった。
ただ前日は東からのうねりが入ってきてちょっと不安があった。
なんといっても上陸するところが少ないコース、うねりがあると岸にも寄れないので休憩もできない。
幸いそのうねりも翌日には収まる予報だったので日をずらしたという訳。
やはりこの辺りまでくるともう一つ海況がよくわからない。
そういう所では無理は禁物なのです。

 さて前回来た時は伊座利から東へだったが今回は西へ進む。
相変わらず断崖絶壁が多く外海だなと思わせる。
浜自体は所々にあるのだが道がないので浜に上がっても帰れない。
幸いにも1日ずらしたのが大正解でうねりもなく風もない。
実に穏やかなもんだ。

(先になにもない太平洋を見てなにを思うのか?)
 断崖と反対側には延々と海が広がっている。
もうこの南にはなにもない。
しいていえばパブアニューギニアか?
今回のメンバーで私をいれて3人は1月に室戸岬にもいったので太平洋・・・・というのを実感してるが、普段外海を漕がないアニキやMOMOさんはそれなりにもの思う所があるようだ。
 それに前方には南徳島が広がっている。
遠くに見える島は阿南海岸沖の大島か?
伊座利から大島まで25kmほどだから多分そうなんだろう。

(鹿ノ首岬、なんと下をくぐれそうだ)
 そうこうするうちに小さな岬が見えて来た。
伊座利から約3・5kmの所にある鹿ノ首岬だ。
なんでも上から見ると鹿の首に見える事からこの名前がついたらしい。
伊座利から漕ぎだしての最初のわかりやすいランドマーク、早速越えて行こうと沖合いに針路を取る。

 ただ近寄るとどうも向こう側が見えている。
ただ手前に岩があり潜れるかはわからない。
それなら近寄って確認しようと寄っていくと充分漕いで潜れる洞門になっている。
 これは嬉しい!
どんなところでも潜り抜けるのは楽しいもんだ。
早速岬に下に入っていく。
いいですねえ、思ってもみなかった所にあったのでサプライズ感もあり嬉しいです。

(潜り抜けるMOMOさん)
 他のみんなも続いて漕ぎ抜けてくる。
この岬の側面自体もなかなか岩の感じが面白い。
東側(下から4枚目の写真)と西側(下から2枚目の写真)でもかなり違いがある。
これは同じ岩層なのかな?
こんなとこうねりがあったらとても潜れない。
穏やかな日で良かった。

(さあ次はなにが出てくるか?)
 なかなか始めから楽しめる。
次の見どころは鹿ノ首岬から約2km先の潮吹き岩。
場所は確認したがどう潮を吹くのかは調べてない。
実はかなり楽しみにしている。
では先に進もう!