
ちょっと訳あって川を海まで漕ごうという事になった。
ではどこで漕ぐかなんだが、大阪でまず思いつくのが淀川、そして大和川といったところか?
しかし淀川は毛馬から下流は明治以降に造った川、大和川も柏原市役所から下流は江戸時代に造った川だ。
ではどこがあるかといって思いついたのが淀川の分流の神崎川。
ここなら古くからある川だし問題なし。
参加はシーカヤックが6艇、では行きましょう!

(東海道新幹線)
スタート場所でみんな順番に川に艇を浮かべて行く。
しなしベテランのナマズ小僧さんはうっかりしてパドルを左固定で組んでしまった。
浮いて一漕ぎ、そして次がすっぽ抜けで沈、いきなりの沈です。
ロールで上がったものの上半身びしょぬれ。
しかも今回はそんなにきつい場所でもないからとドライでなく普通のパドリングジャケットなのでインナーまでしっかり濡れてる。
いや笑いました。
みんな大喜びです。
これが初心者なら心配しますが、超ベテランのナマズ小僧さん、油断は禁物ですねえ・・・

それからはナマズ小僧さんはとにかくとばす。
そら漕いでないと寒いはず。
更に追いうちをかけるように雪がちらつく。
横で見てるだけで寒そうだ。
しかもスマホのケースに水が入っていて動かない。
もう踏んだり蹴ったりです。

他のみんなは悠然としたもの。神崎川は始めての人も多く、景色を眺めながら漕いでいる。
神崎川は東海道、山陽新幹線と2本の新幹線を始め、JR、阪急、阪神、地下鉄を十数本の架線をくぐる。
すぐ横の淀川はそこまで多くないのに神崎川が多いのは、淀川と神崎川の間に新大阪駅があるから。そのせいで新幹線を始めとして京都線、神戸線はそこから分かれているのも多いんです。

もう一つの特徴は合流、分流が多い事。
始めに茨木の山手から来る安威川と合流、そして川西からの猪名川と合流して川幅も500mほどになる。
しかしそこから中島川、左門殿川、西島川、神崎川に分かれて行くので河口の方が川が狭い。
こういうのもまた面白い。

(猪名川との合流のすぐ先にある山陽新幹線)
でもこの川はツアーには向かないんですね。
なにが駄目かというと上陸するところがない。
どこも護岸されていて段差が高い。
満潮なら上がれる所も何箇所かあるが、干潮ならちょっと慣れてないときつい。
今回もスタートからゴールまで上陸なし。
昼はカヤックの上で食べるので始めからそういうつもりできている。
コース自体は変化にとんで面白いので一気に漕げるならおすすめです。

(阪神高速湾岸線を越える)
最後は海に出る。
波質が変わる。
スタートは中流域、そして下流域を通って海に・・・これがまた面白い。
そして歩くのが面倒なので無理やり駐車場の近くのテトラポットで上陸。
あと500mほど淀川を遡れば楽に上がれるんですけどね。
まあめんごくさがり屋なのでこれはこれでありでしょう。

(北港マリーナの入口の公園)
上陸して駐車場までの間に親水公園。
当然のようにここでシーカヤックを浮かべる。
水深は30cmほど。
寒さに震えた1名を除いて快適な楽しいツアーでした。
*しかしこの二日後から私ののどが痛くなって微熱、インフルエンザではなかったものの風邪引いて2週間漕げませんでした。沈したナマズ小僧さんは元気なまま。笑ってゴメンナサイ、ちょっと情けなかった。

ここでお知らせです。
このツアーは1月末に発売されたKAYAK海を旅する本の59号の不定期連載「第15回 海ニ還ル旅」として出ている記事の裏話です。一番始めの訳とはツアー自体が取材だったという事です。
59号は海ニ還ル旅でしたが、60号からもなにか連載することになりました。どこに行こうか結構楽しみながら考えています。またよければご笑覧ください。