多摩NT工廠

模型好きのおやじブログです。陸海空のスケールモデルを主に扱ってます。

「風立ちぬ」の感想と 時代背景

2013年08月01日 | Weblog
ジブリの新作「風立ちぬ」を見てきました(以下 若干ネタバレ)

感想ですが、「飛行機好きなら 是非見るべし」です
日本の航空の発展期の状況がよく描けていると思います
メカの躍動感もさすがです

今回は実在のメカがてんこ盛り
試作はやぶさ、7試艦戦、9試単戦(96艦戦)、92重爆、96陸攻
空母鳳翔、戦艦長門(曲がり煙突)などなど
わくわくします

ただ、子供向けじゃないですね ジブリ初の「R-12」かも

気になった点も何点か
・日本の敗戦の暗示、爆撃=愚かの思想がちょっとしつこい
・ちょっと手を抜いた時のメカがかっこ悪い
・ラストシーンのゼロ戦が初期塗装だけど22型(カウリング)
・技術者としてならゼロ戦より烈風が気になったんじゃないかなと
 (技術者にとっての傑作はnext oneだと思うんです、
遺品に烈風の設計図があったようですし)


また、映画のテンポが早くて、場面設定がわかりにくいかもしれません
そういう人のために時代背景をまとめてみます

1903 明治36年 堀越二郎生誕
1918 大正7年  WW1終戦
1923 大正12年 関東大震災
1926 大正15年 本庄氏 東大卒業 三菱へ就職
1927 昭和2年  堀越氏 東大卒業 三菱へ就職
           同期には 航研機の木村氏、飛燕の土井氏がいる
           金融恐慌
1928 昭和3年  ドイツからユンカースG.38のライセンス購入決定
           (映画では本庄、堀越 渡欧)
1932 昭和7年  7試艦戦 設計開始
           92重爆 日本で製造開始
1933 昭和8年  満州事変終わる
           日本、国際連盟を脱退
           ヒトラー首相に
           (映画では軽井沢の場面 「唯一度だけ」合唱)
1934 昭和9年  9試単戦 設計開始
           (映画 会議は踊る 日本公開 主題歌「唯一度だけ」ヒット あれ?)
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1936 昭和11年 96艦戦、96陸攻正式採用
1937 昭和12年 上海事変
           96陸攻による渡洋爆撃(台湾の基地から上海を爆撃)
            :戦果が大々的に発表されたが、陸攻の被害大
           12試艦戦(ゼロ戦)の設計開始
1940 昭和15年 皇紀2600年
           ゼロ戦正式採用
           中国戦線で96陸攻の護衛としてデビュー
1941 昭和16年 太平洋戦争はじまる
1945 昭和20年 日本 敗戦