東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

炎天下の河原で

2013年09月03日 | バッタ
このところ残暑厳しい暑さが続く東京。土曜日は午前中に予定があり、午後からフィールドへ向かうも、月末でか予想以上に交通量が多く道路は混雑。そろそろカトリヤンマが成熟し、交尾が見られるころであろうと、その様子を探りに車を走らせたのだが、予定時刻に辿り着けそうになかったため途中で断念。急遽、予定を変更して多摩川中流域に訪れた。

D300S+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED
ここは日影になる場所などない、ただただ暑い炎天下の河原。水の中に浸かりながらの撮影であればまだ良いが、今回はトンボではなく、流れの直ぐ横にある大小様々な石がゴロゴロと転がっている環境がお目当て。とあるバッタの生息確認を試みようと、当てずっぽうで入ってみた場所。河原を歩くと足元からは次々けにバッタたちが飛び出していく。

トノサマバッタ 褐色型(交尾)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
トノサマと名前がつくようにバッタの王者として相応しい大きさと存在感は子供たちからも人気を呼ぶ。小学生のころ、このトノサマバッタがどうしても捕りたく、母親に志願して多摩川の河川敷に連れてきてもらった記憶がある。その当時から今も変わらず中土手から水際付近までのいたるところで見られる種類。以前、下流域では1月~2月に幼虫、成虫ともに確認している越冬する種類ではないが冬季が暖かい年で温暖な地と言った条件があれば通年みられる可能性をもつ種類である。

クルマバッタモドキ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
トノサマバッタと同様に多数見られ、河原を含む河川敷以外でも耕作地などの土が露出している裸地に隣接するようにある草地にも生息する。

さて、肝心の本命の姿はいったい何処に?もしやここにはいないかもしれないと、不安になりながらも石の上を歩き探していくと、ようやくその姿を現してくれた。

カワラバッタ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
何処にいるかおわかりいただけるであろうか。濃淡のある灰色の体色を武器に見事にも河原の石に擬態する姿は素晴らしい。この画像だとわかりにくい。。。それでは、わかりやすい接写ものを。

カワラバッタ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
一時期、多摩川の河川敷から姿を消し、絶滅かとのウワサを聞いていたが、今回、当てずっぽうで入った場所にもかかわらず、多数を確認することができたので復活しつつあるようだ。しかし、流れに隣接する中洲を含めた植物があまり育生しない丸石河原のみに生息する種類である事から、他種よりも洪水による影響を受けやすく、年によっては全く見られない場所もある。

カワラバッタ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

飛翔した時にだけ見せるブルーの後翅はとても魅力的なので次回は飛翔撮影にも挑戦し楽しみたい。

撮影日:8月31日


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