東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

7月のリュウキュウツヤハナムグリ

2023年07月18日 | 甲虫
リュウキュウツヤハナムグリの集団

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
例年通り、東京沿岸部の樹液場ならではの光景。リュウキュウツヤハナムグは気性が穏やかな様子で、カナブンの様に仲間を追い払う様な行動を見せないところが、このような集団活動を形成する生態を持っているのかも知れない。カラーバリエーションが豊富で体色の違いを楽しめるけれど、その中でも黒色型は50頭に1頭みられるかどうかの稀少色として人気を集めている、通称レアブラック。
この写真の中にもレアブラックは見られていない。

リュウキュウツヤハナムグリの土繭

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
遺伝子学などの知識は全く無いけれど、単純に考えて黒色型のオスメスを交配させれば、次の世代は確実に黒色型が発生するのではないかと思い、昨年の夏に黒色型を採集して、飼育実験を行ってみた。

リュウキュウツヤハナムグリ(黒色型)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
すると、案の定、黒色型の量産化に成功。欲しい方には差し上げます。今シーズンはグリーンとブラックの交配実験を試しているところ。何色が出るのか?来年の夏のお楽しみとしたい。

合わせてご閲覧ください。
飼育中のリュウキュウツヤハナムグリ
トウネズミモチに群がる
樹液場を埋め尽くす
新たな展開
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ
丸太の下で越冬中
樹液より花蜜

撮影日7月8日

ヒメジオンで

2023年06月15日 | 甲虫
ふと、ヒメジオンに眼を向けるとハナムグリの仲間が花に訪れていたのでカメラを向けた。

コアオハナムグリ

春いち早くから活動を初めていたが相変わらず盛んな様子。前胸部の両サイドに白いラインが入っていたので、もしやアオヒメハナムグリかと思ったが、コアオハナムグリも同型が発生するようで、アオヒメハナムグは裏側に鮮やかな赤紫の光沢を持つのが特徴。今後は裏側の色チェックも欠かせない。

リュウキュウツヤハナムグリ

いまや沿岸部では普通種。また、虫の会にもご参加され、熱心にハナムグリの研究されている虫友さんからのご報告で、大田区の内陸で成虫、林床で幼虫や土繭の確認もされており、分布を広げている様子にある。今シーズン初の成虫は5月21日に確認。そろそろトウネズミモチの花に集まる姿が見られる時期だけれど例年通り大群なのか。

ナミハナムグリ


コアオハナムグリよりも光沢があり少し大きく角張った体型に見えたので、違う種類と思い裏側を確認したところ、赤紫色の光沢と中胸腹板突起を持っていた。アオハナムグリかナミハナムグリか見分けが難しいけれど、毛深いのでナミハナムグリと判断。そろそろシロテンハナムグリやシラホシハナムグリも姿を見せてくれるはずなので、樹液場のチェックも楽しみだ。

この日、早くもニイニイゼミの初音を確認。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:6月10日

新たな展開

2022年08月08日 | 甲虫
以前にリュウキュウツヤハナムグリで埋め尽くされていた
コナラの樹液場はもう樹液が出ていない様子にあり、もぬけの殻。

Nikon D800E+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
樹液場をチェックしていて面白いのは短期間で転々と場所が変わる事。


シラカシの樹液場

Nikon D800E+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

クヌギの樹液場


Nikon D800E+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
これらは全てカシノナガキクイムシの被害による穿入孔から流出した樹液で、被害調査をされている東京港グリーンボランティア所属の田中さんの報告によると、先ず最初にコナラが被害樹になり、次はシラカシ、マテバシイ、ウバメガシに至り、ここに来て今まで見られていなかったクヌギにまで被害が及んでいて、リュウキュウツヤが集まっている木は被害樹の指標になるとの事。この先、被害樹は枯れてしまう運命なのか気になるところ。

そして、今回の本題。物凄く気になっていたのが真夏の林床。幼虫の糞が堆積する林床を掘ってみた。すると...

リュウキュウツヤハナムグリの幼虫

Nikon D800E+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
カブトムシと同じ生態サイクルなら夏は成虫だけのはず。これはいったいどう言う事なのか?
やはりリュウキュウツヤハナムグリは只者では無さそうだ。更に知見を重ねて真相究明に努めたい。

合わせてご閲覧ください。
トウネズミモチに群がる
7月のリュウキュウツヤハナムグリ
樹液場を埋め尽くす
新たな展開
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ
丸太の下で越冬中

撮影日:7月30日

樹液場を埋め尽くす

2022年06月27日 | 甲虫
回復後、初のフィールドは、まだ梅雨空のままを楽しめると思っていたのに、1ヶ月も早い猛暑になるとは予想外。病み上がりの身には危険な暑さなので、こまめに水分補給をしながら、何時もよりゆっくり虫探しをすることにした。すると、夏の沿岸部の風物詩がコナラの樹液場を埋め尽くしていた。

リュウキュウツヤハナムグリ

Nikon D800E+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
東京都沿岸部に棲みついて10年以上が経過。沿岸部のフィールドではもう普通種の扱い。金属光沢が美しく色彩変異を持つ、国内外来種のハナムグリが大発生していると、YouTuberの方々にも取り上げられていたり、地方から採りに来られている方も多いく、まだまだ人気が冷めやらない。当ブログでもリュウキュウツヤハナムグリの記事がトップの閲覧数を誇る。

リュウキュウツヤハナムグリ

Nikon D800E+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
言葉を失ってしまうほど凄まじい数。
シロテン、シラホシ、カナブンも混じっているけれど、大半はリュウキュウツヤハナムグリ。
生態について更に知見を深めたく、ブリード中でもあり、いつかリュウキュウツヤハナムグリの
知られざる生態のまとめを発表したい。


合わせてご閲覧ください。
トウネズミモチに群がる
7月のリュウキュウツヤハナムグリ
樹液場を埋め尽くす
新たな展開
真冬のリュウキュウツヤハナムグリ
丸太の下で越冬中
樹液より花蜜

撮影日:6月25日