本日は、めったに食べない鰻の日であります。
もちろん、貰い物ですよ~。
ウチで食べるのに、
ひとり頭2,000円オーバーの出費はできませんからねぇ。
あちきの好きな落語で「鰻」っていえば、
「鰻の幇間(たいこ)」っていう噺があるんです。
(「幇間(ほうかん)」…たいこもち。
酒席などで、芸妓と旦那の間で場を盛り上げる役)
その幇間が、旦那(以前、会ったかどうか定かじゃない)に
斜めに、考え込むようにして
やっと建ってるような鰻屋に連れてかれます。
で、逆に旦那(と、見られてたヒト)に逃げられ、
代金を支払うハメになるって内容なんですが…
この、もう騙されたと気づいてからの女中に語る
幇間の言い草(八つ当たり?)が好きなんです。
た「さっきはねぇ。ココのおこうこ(お新香)を褒めましたけどね。
なんだいこの沢庵は。うすすぎるっ。フグの薄造りかってんです。
けなげに
みんなで支え合ってるじゃないの。」
た「それに、この盃どこからもらってきたんだい。
向こうの三河屋っていう酒屋の配りものならまだ許せるけど、
あたしのは、紋が、
日章旗と連隊旗のぶっち替えですよっ。
ご丁寧に
祝・出征って描いてある。ありがたくて酒も呑めやしません。
兵隊さんのときのを、後生大事に使ってるんじゃありませんよ。」
それにこの掛け軸…等々、ず~っと文句を並べたてるんです。
書いてあると、へぇ~って感じですが、気になった方、
誰かが演じてるの聴いてみてくださいね。(面白いっすよ)
故・古今亭志ん朝のが一番好きかな。
本日のお酒:
「十九(長野)純米大吟醸 美山錦 生酒」
なんとなく、贅沢な食事には、
贅沢なお酒を合わせてみようと思いまして。
(精米歩合40%。磨いてありますねぇ)
Blackボトルに銀抜きの文字、
結構、カッコいい仕上がりでジャケ買いしそう。
綺麗な酒質に、穏やかな酸が調和して、
味ノリもいい具合ですね~。(呑みごろじゃないかな)
あっ、このネタを得意とした志ん朝師匠、
じつは、「鰻断ち」していたらしいですよ。
(○○断ち…大好物を絶って、願掛けを強めること)
師匠が、真打ちになる前、良くないことが立て続けに起こり、
紹介された寺の虚空蔵菩薩にお参りしたところおさまったそうです。
信心深い師匠(1938年生)、その仏さまは丑と寅の守り神だそうで、
一生、鰻を口にすることはなかったとか。
お~い、あちきも寅年なんですけど…
じゃ、師匠にあやかって「タツノオトシゴ断ち」くらいしておきますか。