食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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九月の初夢

2009-09-01 | 本と落語
今日から九月。当ブログも三月目に入りました。



夜七時過ぎに仕事を終えると、自転車で十五分の我が家へ。
帰ったら、今週の土曜にあるケアマネ研修の資料を作ろう…と考えていました。

自宅近くの小さな食品スーパーで、おつまみセットと500mlの発泡酒をひと缶買って帰りました。この程度で酔うことはないし…とタカを括っていたのです。

ところがチビチビと発泡酒をやっているうちに、何とも体がダルくなり気持ちがユルんで来ました。
「ま、いっか。資料作りは明日やろう…」
という邪心が芽生えたのです。

そうなると、ナマケ心にも勢いがつきます。私はCDラックから志ん生の『富久(とみきゅう)』を手に取り、聴き始めてしまったのです…。



『富久』は、芸はできるけれど酒でしくじってばかりいる「久蔵」というタイコ持ちが主人公で、人情の機微が良く描かれているし、二転三転するストーリーの面白さもあるし、とても好きな噺のひとつです。

まあ今夜は特に、「酒で旦那をしくじる」なんて、タイコ持ちのくせに世渡りベタな憎めない奴だよなあ…という共感が、発泡酒でダルくなってナマケ始めた私の心情にぴったりだったのですがね。

お酒とすっかり親しくなったこの二年半で、私はますます落語の世界がかけがえのないものになってきました。
落語の登場人物には、人間の弱さとおかしみを合わせ持った人が多いのです。
そして貧乏だけれど、その中にしたたかに愉しみを見出していて、けっこうシアワセだったりする。



旦那をしくじった久蔵は、自分の住む長屋が火事で焼けたことで、かえって旦那に仕事の出入りを許されます。
そこで富くじ(今の宝くじですネ)の当選発表がある。一等の千両くじの番号を聞いて、久蔵は仰天します。
それは、久蔵が大家さんに勧められて一枚だけ買った富くじの番号そのものでした!
でも久蔵はその富くじを、丸焼けになった自分の部屋の神棚にしまって置いたのです。当然、千両も夢と消えた…。

消沈している久蔵に、知り合いのトビの頭が声を掛けます。
「久蔵、喜べ。またすぐに生活が出来るように、お前の布団と釜と神棚だけは火事の中から救い出してやっといたから…」

…神棚がある!おお、千両の当りくじが無事だった!!

というオメデタイ噺なのです。



でも、明日からは少しお酒を控えて、私も仕事を「しくじらない」ようにしよう。
今夜の『富久』は、「九月の初夢」ってことでひとつご勘弁を。


どうも、お粗末さまでした。




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