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虹の女神

2010-10-09 | 映画
ここのところ、心がバテ気味になっている。

もともと老人ホームではそんなに楽しいことは起こらない。

老いるとツライことが多いし、病気やケガをしやすくなる。

まして亡くなったときは、どういう気持ちでいればよいのか、今でも分らない。

でも、しばらくは、この仕事を続けていくしかない…。






『虹の女神』という映画を観た。

大学の映画製作サークルを舞台にした切ない恋の作品…という評判を読んで、借りてきたのだ。

確かに切なかった。というより、今の自分には、ちょっと切なすぎた。

主演は上野樹里と市原隼人で、二人ともとても良い。

私は今まで上野樹里の出演作品を観たことがなかった。

『のだめカンタービレ』の主演者…くらいの知識しかなかったが、こんなに良い女優さんだとは知らなかった。

ともかく表情が豊かだ。ちょっとしたしぐさや顔つきのアクセントで感情表現をすることができる。

この一作で大ファンになってしまった。これから生きていく支えがひとつできた。






作品は、智也(市原隼人)という映像制作会社で働く青年が、大学時代の友人、あおい(上野樹里)が飛行機事故で死んだこと知ることから始まる。

あおいは学生時代に映画研究部で映画を作っていた。

智也は映画に関心のない優柔不断な男だったが(このフニャフニャぶりも秀逸である)、ひょんなことから、あおいの作る映画に出る。

それから二人は近づいていくのだが、並みの恋愛モノのようにはいかない。

お互いに惹かれあってるのだが、ギコチなかったり臆病だったりして、なかなか結ばれることがない。

大学卒業後に入った映像制作会社を辞めて、あおいはアメリカに映像の勉強のために留学を決意する。

その代わりにニート状態の智也が映像制作会社に入るのだが、別れの際のあおいの「告白」にも智也は応えることができない。

最後に、あおいが学生のころから自分を慕っていたことを智也は知る。

しかし、あおいはもう、この世にいない。智也は、号泣する。

この智也の喪失感が、今の私にはつらすぎたのだ。

映画の智也は24歳だが、私はその倍以上生きて、「失ったものの大きさ」を嘆く人々がおおぜいいる職場で働いているのだから。





この作品は4年前に東宝系で全国公開されたが、興行的には外れたようだ。

学生映画から映像制作会社…という舞台設定が一般の共感を呼ぶものではないし、リアリテイを重視した作り方をしているからだろう。

でも、公開終了後にジワジワと評価が上がってきたらしい。

とくに高校大学と自主制作映画に関わっていた私には、「切ない」以上の作品だった。

映画研究会のロケが成城大学(監督の出身校だ)で行われているのも、そのすぐそばに住んでいる私には、切なさを増したのであった。

















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