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高齢者祝祭のミサ

2009-09-27 | 教会
今日は急に仕事が休みになった。そこで私は教会のミサに与った。


行ってみると聖堂内にやたらと人が多い。
いつも日曜のミサは人がたくさん来るが、それにしても開始十分前で空席がほとんどない…なんてことは、復活祭(イースター)と聖誕祭(クリスマス)以外はめったにない。


ふと机を見ると、「ここはご高齢者のための席ですので、配慮下さい」というような貼り紙がアチコチにある。
ん?と思って手渡されたレジュメを確認すると。「高齢者祝祭のミサ」とある。
「高齢者祝祭のミサ」?カトリックにそんな祝日あったっけ?…と訝ったけど、実際に今日はいつもよりお年寄りが多いようだ。

カトリック教会はどこもお年寄りが多いのだが、その中で私の通う成城教会は、老若男女のバランスが例外的にとれている方である。
でも、今日はお年寄りがいつもにまして多い。青壮年の出席率はいつも通りなので、ミサが始まる頃は聖堂の席は目一杯になり、立って与る人もおおぜいいた。

ミサが始まり、主任司祭の司式が進むうち、私は気がついた。
「あ、そうか。今日は、敬老の日に絡めてるんだ…」


カトリックでは、その国々土地土地の風俗習慣をどんどんミサに取り込める。
だから正月には樽酒を開けるし、成人の日や七五三もお祝いにしてしまう。こういうところがプロテスタント信徒からは「何たる節操なし」と批判を受けることも多い…と聞いたことがある。
でも私は、そこが好きなのだ。オールカマーこそカトリックの神髄だと思う。芯の芯さえ動かさなければ、土地土地の「悩める人」「求める人」が出来るだけ来やすい環境を作るべきだと思う。

さきほども言ったけれど、カトリック教会はどこも司祭、信徒の高齢化に悩んでいる。若い人や新しい人が来ないし、たまに来ても続かない。
そんな中、成城教会には老若男女が訪れる。
なぜ老若男女が訪れるのだろうか?それは、老若男女の信徒がいるからである。
禅問答のようだが、これが本質である。


自分の知らない共同体を訪れるのは、誰でも怖いし、警戒心を抱く。
まず確認するのは、自分と世代や境遇の似た同性の成員がいるか…ということである。
年齢も経歴も自分と近しい人がいたら、これほど心強いことはない。

つぎに確認するのは、ヒエラルキー(階級。制度化されてないものも含めて)の構造である。
この共同体で自分は自由にモノを言えるのだろうか?七面倒なチェック機構や、機嫌を損ねると二度と浮かび上がれなくなる小ボスや大ボスがいるのではあるまいか?

もちろん、プロスポーツの世界でもない限り、どんな共同体でも新人がいきなり自由に振舞えることはありえない。
問題はその「程度」である。人間関係で面倒なタブーが多ければ、新しい人が定着するはずがない。そんなのは職場だけで結構!ということになる。

実際、「新しい人よ、出よ!」と表向きはうたいながら、長老支配、小ボス支配が一目瞭然な教会がほうぼうにあると聞く。
そんな共同体には「新しい人」は決して定着しない。我慢して通っても何のメリットもないからだ。
当然のこと、自然の摂理である。
古参信徒も内心では判っていても、旧弊や因習を改めることは、本当に難しい。
結局、その共同体は少しずつ壊死してゆき、最期は「閉じられる」ことに…。

私は成城教会に与るようになってまだ一年半くらいで、しかも不定期な日曜休みに行くだけなので、運営の内実はほとんど何も知らない。
ただ、いくらこのところ「困っている人」が多くなっているとは言え、仏教やキリスト教などの伝統宗教はなかなか信徒が増えていかない現状は知っている。
そんな中、着実に信徒もミサ出席者も増えているのは、関係者がよほど具体的な手立てを日々とっているからだと思う。

そのことに、素直に敬意を払いたいと思います。


「高齢者祝祭のミサ」の話が全然出ませんでしたね。

良いナ…と思ったのは、男性のお年寄りが多かったこと。
どこも七、八割は女性の中、男女比は四分六と見ました。大健闘!!

これは成城という土地柄が利いているかもしれませんがね。お洒落ボーイの地ですから。


今日見かけた「ちょっと良い」シーン。
正装した男性のお年寄りが、若いお母さんと話していました。脇には五、六歳の女の子がいました。
話の継ぎ目に、女の子が大声で自慢げに言いました。
「でも、私のおじいちゃんはもっと大きいんだからね!」
大きい?
「おじいちゃんは82歳だもん!」
あのね、そういうのは「大きい」って言わないの!



お粗末さまでした。



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