昨日、クリスマス会のあと、同僚と数人で打ち上げに行った。
私は司会以外に特に何をやったわけでもなかったが、妙に疲れていたのだ。
中華料理屋で三時間ほど大いに食べて飲んで、いい気分になってチャリンコで家に帰った。
するとほどなく、私の携帯が鳴った。
ご入居者の一人が嘔吐され、40度近い熱を出している…という。
その方は90歳を過ぎた男性で、すでに何度か生死の境を行き来してきた。
しかし、この秋入院して、直接胃から栄養を摂る「胃ろう」という施術をされてから、顔色も良くなり、発語も増えてきたのだ。
奥様を始め、いちじは諦めかけていたご家族は皆喜んで下さった…。
私が駆けつけると、夜勤者の二人以外に、すでに介護主任も来ていた。
私はひととおり状況を聞くと、ご家族に報告の電話を入れた。
打ち上げでかなり飲んでしまったので、呂律が充分回らないのが自分でも分かる。
失礼なのは確かだが、それが私の役割だし、ご家族も普段から洒脱なセンスの方々なので、私の説明を落ち着いて聞いて下さった。
ご家族はしばらく考えておられたが、やがて、「これから、そちらに行きます」と、言われた。
日曜の夜11時近い時間である。
嘔吐してから提携医に連絡して指示は受けたが、医療機材も臨床経験もない園のスタッフが出来ることは、本当に限られている。
皆、半ば途方にくれたような気持ちでいた。
すると、ご家族が到着した。
当人はだいぶ落ち着かれていたが、やはり、ときどき苦しそうな声を上げる。
その様子を見て、「どうしたらいいでしょう?」と、逆に尋ねてこられた。
基本的に、選択肢は二つしかない。
このまま朝まで様子を見るか、救急車を呼ぶか…である。
しかし仮に救急車を呼んだところで、果して受け入れてくれる病院があるかどうかは分からないだろう。
ご家族は私たちの説明を聞いてから、奥様を始め何人かの親族に電話をされていた。
そして、「とにかく朝まで様子をみましょう。これから母(奥様)のところに行って相談をしてきます」と言われ、帰られた。
その頃ホーム長が到着した。
彼はホームからだいぶ離れたところに住んでいるのだが、タクシーを飛ばして来たのだ。
ご入居者が急変したり入院したとき、仮に真夜中であろうと駆けつけるのがホーム長の責務のひとつだ。
大きなホームだと、月に四、五回緊急連絡あることも珍しくないという。
でも、こういうときに一番不安な夜を過ごすのは、夜勤のヘルパーである。
いつ急変するか、自分の対応が悪くて万が一の事態が起きるのではないか?
そういった不安に取り付かれ、それこそ一晩中気が気ではない…という。
別に身内ボメをするわけではないが、少なくとも私のホームで働く介護スタッフたちは、いろんなクセはあるが、業務に関しては皆真面目で熱心である。
だがどんなタフなヘルパーでも、自分の夜勤に「万が一」のことが起こるのを、ひどく恐れる。
そういった夜に当たった者は、強いショックを受け、しばらくは明らかに心を切り替えることができないでいる。
どの老人ホームの経営者たちも、薄給と劣悪な労働条件でそういった「極限」に立ち会う介護スタッフたちの心のケアまでは、全くと言って考えていない。
介護技術や医療知識についての研修はあっても、「人の死に際したとき」については、全くと言ってもいいほど手付かずなのだ。
まあ、政府からして介護従事者を「失業対策の受け皿」くらいにしか考えてないのだから、経営者に多くを求めても無理なのだが…。
私は、昨夜、夢を見た。
小学校の同級生が神父になって、私を弔っている夢だった。
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私は司会以外に特に何をやったわけでもなかったが、妙に疲れていたのだ。
中華料理屋で三時間ほど大いに食べて飲んで、いい気分になってチャリンコで家に帰った。
するとほどなく、私の携帯が鳴った。
ご入居者の一人が嘔吐され、40度近い熱を出している…という。
その方は90歳を過ぎた男性で、すでに何度か生死の境を行き来してきた。
しかし、この秋入院して、直接胃から栄養を摂る「胃ろう」という施術をされてから、顔色も良くなり、発語も増えてきたのだ。
奥様を始め、いちじは諦めかけていたご家族は皆喜んで下さった…。
私が駆けつけると、夜勤者の二人以外に、すでに介護主任も来ていた。
私はひととおり状況を聞くと、ご家族に報告の電話を入れた。
打ち上げでかなり飲んでしまったので、呂律が充分回らないのが自分でも分かる。
失礼なのは確かだが、それが私の役割だし、ご家族も普段から洒脱なセンスの方々なので、私の説明を落ち着いて聞いて下さった。
ご家族はしばらく考えておられたが、やがて、「これから、そちらに行きます」と、言われた。
日曜の夜11時近い時間である。
嘔吐してから提携医に連絡して指示は受けたが、医療機材も臨床経験もない園のスタッフが出来ることは、本当に限られている。
皆、半ば途方にくれたような気持ちでいた。
すると、ご家族が到着した。
当人はだいぶ落ち着かれていたが、やはり、ときどき苦しそうな声を上げる。
その様子を見て、「どうしたらいいでしょう?」と、逆に尋ねてこられた。
基本的に、選択肢は二つしかない。
このまま朝まで様子を見るか、救急車を呼ぶか…である。
しかし仮に救急車を呼んだところで、果して受け入れてくれる病院があるかどうかは分からないだろう。
ご家族は私たちの説明を聞いてから、奥様を始め何人かの親族に電話をされていた。
そして、「とにかく朝まで様子をみましょう。これから母(奥様)のところに行って相談をしてきます」と言われ、帰られた。
その頃ホーム長が到着した。
彼はホームからだいぶ離れたところに住んでいるのだが、タクシーを飛ばして来たのだ。
ご入居者が急変したり入院したとき、仮に真夜中であろうと駆けつけるのがホーム長の責務のひとつだ。
大きなホームだと、月に四、五回緊急連絡あることも珍しくないという。
でも、こういうときに一番不安な夜を過ごすのは、夜勤のヘルパーである。
いつ急変するか、自分の対応が悪くて万が一の事態が起きるのではないか?
そういった不安に取り付かれ、それこそ一晩中気が気ではない…という。
別に身内ボメをするわけではないが、少なくとも私のホームで働く介護スタッフたちは、いろんなクセはあるが、業務に関しては皆真面目で熱心である。
だがどんなタフなヘルパーでも、自分の夜勤に「万が一」のことが起こるのを、ひどく恐れる。
そういった夜に当たった者は、強いショックを受け、しばらくは明らかに心を切り替えることができないでいる。
どの老人ホームの経営者たちも、薄給と劣悪な労働条件でそういった「極限」に立ち会う介護スタッフたちの心のケアまでは、全くと言って考えていない。
介護技術や医療知識についての研修はあっても、「人の死に際したとき」については、全くと言ってもいいほど手付かずなのだ。
まあ、政府からして介護従事者を「失業対策の受け皿」くらいにしか考えてないのだから、経営者に多くを求めても無理なのだが…。
私は、昨夜、夢を見た。
小学校の同級生が神父になって、私を弔っている夢だった。
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