「かずちゃん」その２

パチンコ屋で会って３回目くらいに
「今度の日曜日一緒に映画でも見にいかんや？」
と声をかけました。
「うん、いいよ。」
とあっさりオーケー。
待ち合わせ場所は天文館のアーケード入り口にしました。

日曜日の午後２時の約束で待っていました。
１０分過ぎても２０分過ぎても来ません。
もう帰ろうと思っているところへ
同級生の西君とみゆきちゃんが自分を発見し声をかけてきました。
「なにしてんの」
「うんちょっとね、人と会う約束したけど帰ろうと思う」
と言った瞬間
「ごめんねー、遅くなって」とその女性が大きな声をあげて
自分の所へやってきました。
西くんとみゆきちゃんは微笑みながら去っていきました。
「友達？」と女性。
「同級生。」と自分。
「さっいこうか」と歩き出しました。
「そういえば名前はなんていうの？」
「○○かずき！」
「自分は七○　○雄」
「うーん、七がついているからいまから『ひっちゃん』って呼ぶね！」
「じゃあ自分は『かずちゃん』でいいかな」
そして「かずちゃん」がおなかが空いたというので
喫茶店みたいなところに入り
サンドイッチを食べました。
それから映画館へ。
見た映画は山田洋次監督、高倉健主演の「居酒屋兆冶」
映画が終わるとすっかりあたりは暗くなっていました。
かずちゃんはべスパ、自分はヤマハのDT50の原付バイクで
一緒に帰りました。

荒田２丁目にある自分のアパートにつき
「またねー」と
まだ家まで遠いらしいかずちゃんを見送りました。