映画とワンピースのこでまり日記

映画の感想と月曜日にはワンピースのネタばれ更新中~♪
簡単な内容ですが映画の感想もボチボチ更新していきます。

●告発のとき(46)

2008-07-03 | 映画・DVD  か行


久しぶりに重厚なドラマを見ました。




’07 アメリカ 121分
監督・・・ポール・ハギス
出演・・・トミー・リー・ジョーンズ / シャーリーズ・セロン / スーザン・サランドン / ジェイムズ・フランコ / ジョナサン・タッカー / フランシス・フィッシャー





2004年、ハンクの元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。イラクから戻ったマイクが基地へ戻らないというのだ。ハンクも引退した元軍人だった。息子の行動に疑問を持ったハンクは基地のある町へと向かう。帰国している同じ隊の仲間たちに聞いても、皆マイクの行方を知らなかった。やがてマイクの焼死体が発見されたという連絡が入る。ハンクは地元警察の女刑事エミリーの協力を得て、事件の真相を探ろうとするが・・・





監督は「クラッシュ」のポール・ハギス。
政治的な映画なだけに製作は困難だったそうですが、クリント・イーストウッドが支援してくれて実現したのだそうです。
「クラッシュ」と同様、見終わった時心の中に重い石がドーンと居座ってしまったような感じがしました。



ハンクの家は典型的な軍人一家。
ハンクは既に退役しているが、以前は軍警察官。
息子二人のうち、一人は訓練中の事故で既に他界。
そして一人はイラクから帰ってきてすぐ無断離隊したとの知らせが入る。

信じられないハンクはすぐに基地に行き、同じ隊の仲間から情報を得ようとするが何もなし。
そんな中、息子のマイクが焼死体で発見されたという知らせが入る。
発見された場所は、軍と地元警察の管轄が分かれる微妙な場所。
一旦は軍に権限が渡ったものの、地元警察のエミリーの協力で警察が捜査することに。

    

マイクを殺した犯人は誰なのか?それがこの映画のメインではあるのですが、
犯人が誰で何故そうなってしまったのか、という事がすごく重要なんです。
これが実際に起きてしまった事件だというのだからいたたまれない気持ちになってしまいました・・・。

戦地での精神状態の変化、戦争から帰って来た兵士たちの心の闇・・・
これが現在の状況なんだと思うと、早くイラクから撤退して欲しい、戦争を終わらせて欲しいと思わずにはいられません。

  
    


印象的だった台詞がいくつかあります。
事情聴取で兵士が、「お前達のために戦ってやったんだ、少しは敬え!」というのですが、
それに対しエミリーは「私たちのため?」と言うんですよ、このギャップ・・・。
兵士たちはアメリカの為に戦っているのに、アメリカ人は自分たちの為に兵士が戦ってくれてるなんて思ってない。
ラストの方では、ある兵士がハンクに戦地での状況を話す場面があります。
ここでその兵士は、「イラクでの生活は過酷でアメリカに帰りたくて仕方がなかった。だけどアメリカに帰ってきたらイラクに戻りたくなっている。」
過酷な生活が長く続いたせいで、精神的に何かがおかしくなってしまってる・・・。
そして息子が焼死体で発見されたと聞かされた母親は、
「一人でも残っていてくれたら・・・」と泣き崩れます。この場面では胸打たれました。

    

トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、そしてスーザン・サランドン、
3人のオスカー俳優が抑えた演技でこの話の深刻さを表現しています。

このラストシーン、イラクへ赴いている兵士たちはみんなこの状態の旗を心の中に掲げているのではないか?という気がしました。


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6 コメント

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こんばんは! (アイマック)
2008-07-06 21:50:46
イーストウッドが支援してくれたんですか~

どーんとする映画だったね。
実際に起こった事件というのもやるせなくなる。。
戦争は人間に狂気をもたらすことはベトナムで味わってるはずなのに
結局戦った者でしかほんとの苦しみはわからないということね・・

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繰り返し (こでまり)
2008-07-07 20:28:18
 アイマックさん、こんにちは!TB&コメントありがとうございます♪

人間てわかってても同じ過ちを繰り返すんですよね。
アメリカはベトナム戦争で、イヤというほど苦渋を味わった筈なのに、
イラクでも同じ事をしようとしてる。
考えさせられるけど、何も出来ないというのが腹立たしく思えます。
返信する
TBありがとうございました。 (小米花)
2008-07-30 15:13:55
ベトナム、湾岸、イラク・・・。
そういえばアメリカでは「戦後」というのがいくつもあるんですね。
戦後は太平洋戦争だけってわが国は、もしかして幸せなの?って思ってしまいます。
お国事情が違うんですけどね・・・。

ええと。。。
小米花って雪柳の別名なんですね。
蜆花を小米花っていうこともあるらしいのですが、
どちらにしても「こでまり」と似ている花として
あげられています~。

リンクさせていただきました。
これからも宜しくお願いいたします!
返信する
ホント・・・ (こでまり)
2008-07-31 20:12:54
 小米花さん、こんにちは!TB&コメントありがとうございます♪

そう言われてみればそうですよね。
アメリカは今も一応戦争中ってことになるんでしょうし。
日本もこれからどうなってしまうのかわからないけど、
できればいつまでも「平和ボケ」でいたいと思ってしまいます。

「小米花」は花の名前だったんですねっ!
私も花の「こでまり」が大好きで、そこから名前を取りました。
リンクの件、光栄です。ありがとうございます
こちらもリンクさせて頂きました。
これからもよろしくお願いいたしますっ
返信する
ほんとに・・ (メル)
2009-01-14 14:00:52
大きな石が、いや岩が(?)胸の中にずーーーんと居座ってしまいました、私も。
見終わってすぐに立ち上がれない感じでしたもん。

様々なタイプの反戦映画を見て、もう良いだろう、って感じだったし、この映画も反戦でもあり・帰還兵のPTSDの話でもあり、どっかで見たことのある題材なわけですが、見せ方が良かったのか、ちょっとこの手の映画には食傷気味だったのに、すっかりこの映画には
心揺さぶられてしまいました。
少しミステリー仕立てのことろがあったせいかもしれないんですが、とにかくずずずーーーーんと心に響きました。

そうそう、母親のあの言葉”一人でも残しておいて欲しかった・・”には、もうほんとにそうだよ~!って
私も言いたかったし、胸が詰まりました。
父親も後悔してるんだけど、もう時すでに遅し・・で
どんなにかお父さんも悲しくて悔しいか・・とも
思ったし・・。
シャーリーズ・セロンが今回はまたちょっと違った役で、すんごく上手い!って思いました。
何度か見直してるけど、今回さらに彼女のことを見直しましたわ~。
返信する
テーマ (こでまり)
2009-01-15 20:50:01
 メルさん、こんにちは!TB&コメントありがとうございます♪

重厚でしたね。
確かに扱われてるテーマに目新しさはないんだけど、
今回はちょっと違った感じでした。
メルさんがおっしゃるように、サスペンス仕立てだったのがよかったのかも。
ラストは戦争で子供を失った親の悲しみが痛いほど伝わって来ていたたまれなかったです。
3人のオスカー受賞者の演技も素晴らしかったです。
役どころもそれぞれにピッタリでしたね~!
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