二丁目のヒコーキ雲 Ⅰ

四季折々の自然  鳥・昆虫・花…

コアシナガバチ物語!

2018年09月27日 | ハチの仲間

近くの川沿いで…。  ※画像をクリックすると拡大できます。

当ブログでいつもお世話になっている N さんから、「 川沿いの鉄塔のそばにコアシナガバチの巣があるヨ 」…と連絡をもらったので さっそく出かけてきました。

スズメバチ科  コアシナガバチ!

(9月13日 木曜日)
体長は11~17mm、名前通りアシナガバチの中では小型です。 春、すべては一匹の女王バチから始まります。 巣作りから 産卵・幼虫の世話まで全部女王バチがこなします。 やがて働きバチが増えていき 女王バチは産卵に専念、コロニーは大きく育っていきます。今回の巣は一番下の巣柄を拠点に上の方に大きく伸びていました。

 

温度を下げるためでしょうか、翅を震わせる場面も見られました。

 

働きバチが青虫などを捕まえ噛み潰して肉団子にして幼虫に与えます。

 

羽化したてのオスバチ。 この後、新女王バチとの交尾という重大な任務が控えています。

 

各部屋に一個づつ卵が産み付けられています。 このまま無事に 巣の解散まで迎えられるといいのですが…。 

 

(9月15日 土曜日)
2日後、様子を見に来たら、危惧していたことが起こってしまいました。 天敵のヒメスズメバチに見つかってしまったのです。ヒメの襲撃を受けたら ひとたまりもありません。

 

こうなると、働きバチに抵抗する術はありません。

 

幼虫 (蛹) はいとも簡単に食べられてしまいます。

 

どのハチも戦う意思はなく ただジッとしている姿は不思議な光景でしたが、 何か理由があって彼らはこういう戦術を選んだのでしょう。

 

(9月24日 月曜日)
巣のことは気になっていたのですが諸事情により 10日ほど間が空いてしまいました。 巣は基部を残すのみで、あのヒメスズメバチが また様子を見に来ていました。

 

他のハチたちはどうなったのかというと…、近くの山茶花の周りを十数匹のコアシナガバチが飛んでいました。 よく見てみるとすべてオスバチです。

 

女王バチもいるのではないかと探してみたら、ちょうど交尾をしている一組を見つけました。

 

別の場所でも女王バチが…。 オスたちが果敢にアタックします。

 

 

 

 

夏の間、忙しく活動していた働きバチは巣を離れ、寿命を全うします。 交尾を終えたオスバチもその使命を果たし生涯を閉じます。 新女王バチは新しい命の源を大切に守りながら、越冬できる場所を探して静かに春を待ちます。 ヒメスズメバチに襲われる危機はあったものの、こうしてコアシナガバチのライフサイクルは来年へと つながっていきます。

おしまい

以上 2018/09/13.15.24撮影 (^^♪

 

(2015年4月24日)
以前撮った写真の中に、新女王バチが春を迎えて 巣作りを始めた時の画像がありました。 この数個の部屋に卵を産み付け働きバチを増やしていきます。 それまでは女王バチ一匹ですべての面倒を見なければなりません。 巣柄付近が黒いのは、大敵であるアリの侵入を防ぐためにハチの腹部から分泌する「 アリ忌避物質 」が塗られているためです。働きバチが出てくるまではアリが最大の敵なんだそうです。

N さん、今回も資料・情報等 大変お世話になり ありがとうございました。)

以上 2015/04/24 (^^)

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする