”心房細動” の最初の症状は「動悸」だ。「動悸」は、恋のときめきと対比されたり、単に「不整脈」としてお笑いのネタにされているが、決して軽視してはいけない病気だ。実際、それが原因で心不全となり、深刻な肺炎と両脚の浮腫に見舞われて動けなくなり、緊急入院したからはっきり言える。更に、心臓エコーで確認すると、細動を繰り返す心房の中一杯に大きくなった「血栓」があったが、その血栓が分離・浮遊して、脳梗塞や心筋梗塞を起こさなかったのは幸運だったとしか言えないからだ。
20年以上に亘り「動悸」を無視し続け、痛め続けた結果の現在の身体を回復させる為に、最良の “薬” として選んだのは『多相睡眠』だ。
The first symptom of atrial fibrillation is palpitations. Palpitations are often laughed at, but they are a symptom that should never be taken lightly. For over 20 years, I continued to ignore the palpitations caused by atrial fibrillation, which caused pain in various parts of my body. In the end, I was forced to be hospitalized due to heart failure. To help me recover, I chose polyphasic sleep as the best medicine.
『 多相睡眠 / Polyphasic Sleep 』
心房細動の発作が起きると、平常時であっても、脈拍が 毎分 200回ほどに一気に上昇するが、それは 血液のポンプとしての心臓の正しい動きではないので、全身へ送り出す血液の量が減るし、悪化すると 血圧が 半分以下にまで下がってしまう。そんな状態で いつもと変わらぬ生活をすれば、全ての器官や細胞に必要な酸素や栄養素が供給されず、老廃物も溜まり続け、ダメージが知らない内に蓄積していく。
そのメカニズムを学んだので、心房細動が起きて脈拍が上昇した時には、今は必ず眠る事にしている。 発作は日中でも起きるから日中でも迷わず眠る。 また発作は自律神経の異常信号で起きるので、朝目覚めた時にも起きる事があるが、迷わず眠りに就く。 更には、身体に疲れやストレスが溜まった時にも起き易いので、発作が起きてなくも、眠くなった時には寝るようにしている。
その結果、一日に何度も睡眠を行なう『多相睡眠』になっている。 でも、気にしない。そもそも、人間よりも体の大きな草食動物を除けば、殆どの哺乳動物は『多相睡眠』だ。人間でも赤ちゃんや幼児時代は『多相睡眠』だ。 一日に 6~8時間の睡眠をまとめて摂る『単相睡眠』が推奨されているのは、仕事や学校など社会的制約から生まれているだけで、決して身体の為ではないと信じている。
Since I started to prioritize my health, I decided to sleep whenever I had an atrial fibrillation attack. Attacks tend to occur when I'm tired or stressed, so I try to sleep. As a result, I've become a "polyphasic sleeper" who sleeps multiple times a day. But I don't mind. In the first place, most mammals, except for herbivores that are larger than humans, are "polyphasic sleepers." Even humans are "polyphasic sleepers" when they are babies or young children. I believe that the recommendation to sleep 6 to 8 hours a day in "monophasic sleep" is only due to social constraints such as work and school, and is never for the health of the body.
『 パラレル ワールド / Parallel World 』
この『多相睡眠』は、とても興味深い体験を僕に与えてくれた。パラレルワールドを自由に選んで生きる体験だ。
目覚めると、眠る前と何も変わっていない世界が広がって見えるけど、実際には少し違っている事が実感できる。 発作による不快な体調、疲れやストレスから解放され、自分自身がリフレッシュできるだけではない。悩んでいた事や行き詰っていた事への対処方法のドアが目の前に現れてくるのだ。動悸や疲れ、ストレスを感じながら、仕事や課題に取り組む事は出来る事は知っている。けれど、それは昔の僕だ。 『多相睡眠』を受け入れると、かつて、無理をして取り組んだ時の結果より、より良い結果が得られている実感がある。そんな身体のリセットと新しいドアの選択が、一日の中で何度も出来るなんて! 素晴らしい事だ。
欠点と言えば、作業ペースが以前よりも落ちている事だ。が、気にしない。今は、発作によるダメージを防ぎ、既に受けているダメージを回復させ、同時に より良い生き方の選択が出来るからだ。
This "polyphasic sleep" gave me a very interesting experience. It's an experience of freely choosing and living in a parallel world.
When I wake up, the world looks the same as before I went to sleep, but I can feel that it's actually a little different. Not only do I feel refreshed, freed from the unpleasant physical condition, fatigue, and stress caused by the seizures. A door to deal with things that have been bothering me or that I've been stuck on appears in front of me. When I accept "polyphasic sleep," I feel that I'm getting better results than when I tried to do something by pushing myself too hard in the past. I can reset my body and choose a new door many times a day! It's wonderful.