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好きなジャンルで性格もわかる? 「音楽と人間」の研究 その2 楽器を習うと運動能力と推理力の向上につながる

2016年09月16日 | 新聞や雑誌の記事
楽器を習うと運動能力と推理力の向上につながる


楽器を習わせると子どもの教育によい効果があるというのはほぼ定説ですが、実はみなさんが思っている以上のメリットがあるのです。

ある研究では、3年以上楽器を習った子どもは、全く楽器を習った経験がない子どもと比べて、音の識別能力や細かい動作といった技能が優れているとの結果が出ています。

楽器を習った子どもは、語彙の数でも、言葉を使わない推理力テストでも、習っていない子どもを上回りました。

後者は、目で見た情報を理解し分析する能力を判定するもので、さまざまな形やパターンの間の関係や類似性、違いを見つけ出すというテストでした。

これらの能力は、音楽教育とはまるで関係がないように見えるだけに、楽器を学ぶことが幅広く重要な能力の発達に役立っているというのは、面白い結果ですね。

クラシック音楽を聴くと、視覚の注意力も上がる

楽器を習ったり、音楽を聴いたりすることからメリットを得られるのは子どもに限りません。

脳卒中の患者を対象にしたある小規模な研究によると、クラシック音楽を聴いている時に被験者の視覚的注意力が向上したとのことです。

この研究では、ホワイトノイズを流した状態と無音状態でも実験を行い、結果を比較しました。

先ほど触れたアンビエントノイズの研究と同様に、一番スコアが悪かったのは無音状態での実験でした。

この研究は実験の規模がとても小さいため、結論については今後の検証が必要と言えます。だとしても、音楽やノイズが、聴覚以外の感覚や能力(この場合は視覚ですね)に影響を及ぼすというのは、とても興味深い話ではないでしょうか。

音楽はエクササイズの効果を高める

運動中の音楽の効果に関しては、かなり昔から研究例があります。1911年にアメリカ人研究者のLeonard Ayres氏が行った実験でも、無音状態より音楽を聴きながらのほうが、自転車に乗る人のペダルを漕ぐスピードが速くなったとされています。

その仕組みは、音楽を聴くことで、脳からの疲労に関するSOSがかき消されるためだと考えられています。人間のカラダは、疲労を感じて運動をやめたくなると、脳に「休みたい」と信号を送ります。けれども音楽を聴いていると、脳の注意がそれるため、こうした疲労のシグナルが見過ごされがちになるというのです。

もっとも、音楽が効果を発揮するのは、主に運動強度が軽~中程度のエクササイズです。負荷が高いエクササイズの場合は、運動のつらさが勝ってしまうため、音楽で脳の注意をそらせるのは難しいそうです。

さらに、音楽を聴いていると運動のつらさを乗り切り、より長くハードな運動にも耐えられるだけでなく、エネルギー効率もアップするという実験結果もあります。2012年の研究によると、音楽を聴きながら自転車のペダルを漕いだ人は、無音状態で同じ運動を行った人に比べて、酸素消費量が7%少なかったそうです。

最近の研究によると、エクササイズに効果的な曲の速さは145BPM(1分間に145拍)が限度で、それ以上テンポが上がってもモチベーションアップにはつながらないとのことです。エクササイズ用のプレイリストを作る時は、この点を頭に置くといいでしょう。ジャンル別のテンポについて、以下の図にまとめました。


【ジャンル別、標準的な曲のテンポ(1分間当たりの拍数)】

ジャズ:???
ディスコ:120
ポップ:110-140
ヒップホップ:110-140
ハウス:120-135
ダブステップ:140前後
ドラムンベース:150-180

これらの異なる「テンポ」を、実際に私たちが行う運動と組み合わせると、音楽とエクササイズのテンポを合わせられますし、自分の運動にぴったりのテンポを選ぶこともできます。上の図と下の表を合わせて活用すれば、無理なく最適なノリで運動ができるはずです。

好きなジャンルで性格もわかる? 「音楽と人間」の研究

【一般的な運動のテンポ】

あなたの運動の種類と強度を対照すると、最適なペースの幅がわかります。
(左)ランニング (右)ウォーキング
ゆっくり 140~150BPM 100~110BPM
普通 150~160BPM 110~125BPM
速め 160~175BPM 125~135BPM


※ただしここで1つ注意を。人によって最適なペースは違います。まずは音楽の前に、自分のカラダの声に耳を傾けましょう!




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