よしもとばななが、
この小説を、今回の大震災に向けて書いたと、
と、自ら宣言して出版された本。
よしもとばななが、こんなふうに予告して本を出すのは珍しい。
読むのに、気が重かった。
えいっと、気合を入れて手にとる。
そして。
幾度もためいきを飲み込みながら、
幾度も心臓の傷みを感じながら、
読み終えて、
私はひとりじゃない、と、心の中でつぶやいた。
散りばめられた言葉の中に、
この一年間、みずからのうちに浮かびつかまえてきた言葉が、いくつも重なる。
それは、日々をつむいでゆくことへの敬意だったり、
必ずついえていく命のいとなみをつかまえていくための言葉だったり。
この一年間は、個人的な変化もあって、
震災があってもなくても、
みずからが生きるということ、生きつづけるということについて考える一年だった。
震災があったから、
私の枠をとびこえたり、私の中のより深い所にもぐっていったりした、
一年になった。
*******
明日、17度目の1月17日がめぐってくる。
あの日、大きく揺れた大地の上で生きぬき、
17年間、日々を生きつづけてきた人たちがいる。
生きぬいてくれて、ありがとう。
生きつづけてくれて、ありがとう。
命を惜しむわけではなく、
ただただ今日まで生かされたことへの感謝。
そして、いまを、これからを、生きていく勇気を、
この日にいただいている。
それが、私にとっての、117を悼む方法。
この小説を、今回の大震災に向けて書いたと、
と、自ら宣言して出版された本。
よしもとばななが、こんなふうに予告して本を出すのは珍しい。
読むのに、気が重かった。
えいっと、気合を入れて手にとる。
そして。
幾度もためいきを飲み込みながら、
幾度も心臓の傷みを感じながら、
読み終えて、
私はひとりじゃない、と、心の中でつぶやいた。
散りばめられた言葉の中に、
この一年間、みずからのうちに浮かびつかまえてきた言葉が、いくつも重なる。
それは、日々をつむいでゆくことへの敬意だったり、
必ずついえていく命のいとなみをつかまえていくための言葉だったり。
この一年間は、個人的な変化もあって、
震災があってもなくても、
みずからが生きるということ、生きつづけるということについて考える一年だった。
震災があったから、
私の枠をとびこえたり、私の中のより深い所にもぐっていったりした、
一年になった。
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明日、17度目の1月17日がめぐってくる。
あの日、大きく揺れた大地の上で生きぬき、
17年間、日々を生きつづけてきた人たちがいる。
生きぬいてくれて、ありがとう。
生きつづけてくれて、ありがとう。
命を惜しむわけではなく、
ただただ今日まで生かされたことへの感謝。
そして、いまを、これからを、生きていく勇気を、
この日にいただいている。
それが、私にとっての、117を悼む方法。