昨晩は、久しぶりに夜遅い会議。
なくそう子どもの貧困。
仕事のあと、会議までのわずかな時間。
大学図書館で過ごす。
学生だったころ、この図書館で夜と土曜と、
アルバイトをしていた。
6年間続けたアルバイトの期間に、司書の資格をとり、
いま、それで仕事をしている。
めぐりあわせは、不思議だ。
図書館の建物から明かりがもれる。
このあかりを消していた夜が、ふと懐かしい。
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会議のあとに、もうひとつ会議で10時半近くに帰途につく。
雨が降り始めている。
傘を持たない、寒い夜。
とぼとぼと冷たいつま先を見つめながら歩いていて、
ふと、思う。
子どもたちは安全な場所であたたか布団の中で安心して寝ている。
それがわかっているだけで十分だ。
ほっこりした気持ちがわきあがってくる。
さっきまで子どもの貧困の会議の場にいたからか、
さっきまで、阿部彩さんの『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会包摂』を読んでいたからか。
友だちからのメールに励まされて、
あたたかいお風呂に入って、眠りに落ちた。
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朝、雨の朝なのだろうか、と雨戸をあけると、雪まじり。
雪の音ーしーんとした静けさの中にしんしんと降る音ーを伴わない雪の朝。
心の中のかたまっていた部分が、ほぐれていく。
子どもたちは、わくわくとはしゃいでいる。
「雪だから、道に気をつけてね」
うん、わかった~、と満面の笑みで手をふって出かけていくむむちゃん。
ぷうちゃんと、傘をさして手をつないで歩く。
たしかな足取り、目をくるくるさせて、
「ママ~、今日は、ほんとうの冬だねぇ」と。
そうだね、ほんとうの冬だね、にぎっている手にぎゅっぎゅっと力を入れる。
雪だけど、あたたかい朝。
雪だから、あたたかい朝。
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雪はあがっただろうか。
たっぷりのお湯のお風呂に入って、
ぽかぽかになって、
あたたかな部屋の中。
はしゃいでいる子どもたちの声を背中に
雪深いところに住むおばあちゃんに電話をする。
例年になく雪が多くて、屋根に積もった雪が落ちない、
一歩も外に出ず家にこもって過ごしている、
朝はマイナス、起きるのがたいへん、と。
寒さの話をしているのに、あたたか。
明日の大寒を前に、
雪が運んでくれたあたたかいいちにち。