サマール日記(ブログ版)

チョイさんのフィリピン・サマール島での滞在記録

サマールにあなたの子豚を!---「サマール子豚基金」のご案内

2007年09月30日 | Weblog

(施設前で  管理組合のお母さんと子どもたち)

フィリピン・サマールにあなたの子豚を!
 --村の衛生改善・人々の自立のためにご協力を! (「サマール子豚基金」のご案内)

 フィリピンの中でも最も貧しい地域の一つといわれるサマール島。
 ソルソゴン村は、サマール島西海岸の中心地・カルバヨグ市の南、サンタマルガリータ町に位置する、世帯数380戸、人口1,800人の小村です。村には、水問題をはじめ、多くの問題があるのですが、その1つが、衛生問題です。スラム地区では、トイレをもつ家は少なく、そのために地下水の汚染や感染性の病気などが多発しています。
 家族の誰かが病気になると、一家は深刻な経済問題に直面します。貧困克服のためにも、衛生の改善が必要なのです。

●バイオガスを利用した公衆トイレ設置は、人々の暮らしの有り様をかえた
 京都サマール友好協会は、2004年以来、ソルソゴン村でバイオガスを利用した公衆トイレを軸にした生活改善事業をすすめてきました。トイレのないスラム地区に公衆トイレを設置し、その糞尿からバイオガスを発生させます。また、その横に豚小屋を作って、豚の糞尿もバイオガスプラントに入れます。トイレの横にはホールがあり、バイオガスを利用したガスコンロで人々は炊事ができます。朝夕には、鍋をもったお母さんたちが、ガスコンロの前に並ぶほどです。
  周辺のお母さんたちで管理組合を組織し、お母さんたちが交代で施設の清掃や管理をしてくれています。また、トイレを使った子どもたちに、トイレ使用後の石鹸での手洗いなどを指導するのも、お母さんたちの仕事です。
 それまではジメジメした湿地だったのですが、この事業で広場ができたので、いつも大勢の子どもたちが遊びまわる広場ができました。組合のお母さんたちによる、就学前の子どもたちの共同保育活動も始まりました。施設のホールは、地域の人々の集いの場となっています。トイレができただけではなく、々の暮らしの有り様が確実に変わってきています。

●子豚たちの「お父さん」「お母さん」になってください!
 施設が完成した2005年以来、この事業が、他からの財政支援なしに、管理組合のお母さんたちだけの力で運営できていたのは、養豚事業による収入のおかげです。豚はバイオガスの原料としてだけではなく、事業そのものを支えています。
 ところが、この夏の異常な暑さのために、フィリピン各地では豚コレラが流行り、私たちの豚小屋でもほとんどの豚が死んでしまったのです。それでも、お母さんたちはめげていません。しばらく豚小屋を空けて、来年1月には養豚を再開しようと、今、準備中です。管理組合が借金をして、また子豚を購入しようという意見もありますが、かなりのリスクをかかえてしまいます。 
 そこで、京都サマール友好協会では、日本の皆さんが、子豚のオーナーになっていただく「サマール子豚基金」を始めます。ぜひ、ご協力ください。

■お願いする費用
 一口 15,000円(子豚の購入資金:5,000円+4ケ月の飼料代+注射等の費用に充当)
 分割払い、また数人による共同購入も可能です。 〈募集口数:15口 先着順〉
   
オーナーになっていただいた場合の特典
 購入した子豚にオーナーの方は自由に名前をつけることができます。子豚の写真と、管理責任者のお母さんの写真・メッセージを定期的にお届けします。

■子豚の育て方について
  生後45日の子豚を購入すると、約4ケ月で大きくなり、売りにだすことができます。また、数頭の子豚を残して、将来、子どもを生むための母親豚とします。母親豚は、さらに8ケ月後に妊娠可能となり、10頭ほどの子豚を数回生んでくれます。ここまでくれば、かなりの収入も確保されますので、管理組合の運営も少しは余裕が出てくるでしょう。

(ご注意)購入していただいた子豚のうち、どの子豚を母親豚として残し、どの子豚を売りに出すかは、管理組合の選択にまかせていただきます。また、購入していただいた子豚が、死んでしまうこともありますが、その場合はご容赦ください。
 母親豚が多くの子豚を生んだ場合は、収入が発生しますが、その利益は管理組合に帰属し、オーナーの方には還元しません。従って、オーナーの方に金銭的なメリットはありません。サマールの人々の自立に協力し、「サマールに夢を買う」ものです。

<特定非営利活動法人 京都サマール友好協会> 連絡先:北上田(TEL 090-2357-1202)
  送金先:京都銀行 寺町二条支店 総合口座 3555634 特定非営利活動法人京都サマール友好協会


「乾くサマールに水を!」 ソルソゴン村水供給事業計画(企画書)

2007年09月10日 | Weblog

 (水場のまわりにはいっぱいのコンテナが並ぶが、水はチョロチョロとしかでない)

 「乾くサマールの村に水を!」
 ---サマール島・ソルソゴン村水供給事業計画について

■サマール島・ソルソゴン村の深刻な水問題
 フィリピンの中でも最も貧しい地域の一つといわれるサマール島。
 ソルソゴン村は、サマール島西海岸の中心地・カルバヨグ市の南隣のサンタマルガリータ町に位置する、世帯数380戸、人口1,800人の小村です。人々は、ココヤシ畑などで働いたり、手漕ぎの舟で海にでて小魚を獲ったりして暮らしています。
 この村は、昔から深刻な水問題をかかえてきました。井戸を掘っても、飲用にできる水は出てきません。山際に湧く小さな泉からパイプで水を引き、人々は、村の数箇所の水汲み場で、コンテナ(小さなポリタンク)に水を入れて家に運んでいます。しかし水量も少ないため、長く時間がかかり、水汲み場のまわり、1日中いつも大勢の人たちが順番を待っています。
 特に今年は、異常な暑さと日照りのため、泉の水も減少し、何箇所かの水の蛇口が出なくなってしまいました。水パイプを壊して盗水する人がでてくるなど、水をめぐる諍いも多発しており、ここ10年のうちでも最悪の状況です。

■ソルソゴン水供給事業計画について
 この深刻な水問題の根本的な解決のためには、カルバヨグ市からの水道の延伸や、深井戸の掘削などの抜本的な対策が必要ですが、いずれも多額の経費が必要となり、貧しいサマールではなかなか実現しません。
 京都サマール友好協会は、すでに13年間にわたって、サマールでの教育支援活動やバイオガスを利用した衛生改善事業を続けてきていますが、今回、ソルソゴン村の深刻な水問題を少しでも解消するために、「ソルソゴン水供給事業計画」を立案しました。ご支援ください。

<事業の概要>
1.カルバヨグ市から軽トラックで水を運搬
 ソルソゴン村から北10Kmのカルバヨグ市中心部は、一応、水道が敷設されています。そこで、軽トラックを購入し、荷台に水タンクを設置してカルバヨグ市からソルソゴン村まで水道水を運搬し、ソルソゴンの村人たちに供給します。

2.ソルソゴンの水汲み場を整備し、水タンクを設置
 現在、ソルソゴン村の水パイプの蛇口がある場所は、屋根もなく、雨の際や夜間には、人々は水汲みに難渋しています。そこで、この水汲み場に、屋根やベンチ、電灯をつけるなどの整備をします。快適な水汲み場は、村の人々の集いの場ともなるでしょう。
 また、水汲み場の一角にタンクを設置し、カルバヨグ市から運んだ水道水を貯め、人々はこのタンクから水をコンテナに入れます。

3.必要な経費と収支計画
 初期投資の費用は、日本からの支援金を充てますが、その後は、地域住民が自立して運営できるような体制を目指します。
 *初期投資費用 (日本からの支援金、約100万円を想定)
  ・中古軽トラック購入費、運搬用・水汲み場用水タンク購入費、
  ・水汲み場整備費用(屋根、ベンチ、電灯等を整備し人々の集いの場ともする。)
  ・初期3ケ月間の運営費用(事業運営責任者給与、運転手給与、水汲み場管理人給与、ガソリン 代、水道代等)
 *収支計画
  ・泉からのパイプの水は無料ですが、煮沸してからしか飲めません。カルバヨグの水道水はもちろん良質ですが、コンテナ(16リットル)あたり、2~3ペソ(5~7円)します。
 この事業では、コンテナ1つあたり5ペソで水を販売し、スタッフの給与等、事業運営費用にあてる予定です。

4.事業主体
  京都サマール友好協会が、村当局とも協議し、地元住民による管理組合を組織して事業を運営します。

2007年10月    <特定非営利活動法人 京都サマール友好協会>
                 連絡先; 北上田 (TEL 090-2357-1202)

                                                    


カルバヨグ最後の夜

2007年09月07日 | Weblog

(リサとアランさんに招待されて、たいへんなご馳走)

 今日、私と細田さんは、マニラに発ちます。
 昨日は、朝から突然の腰痛。昔からの持病ですから対処の仕方は分かっているのですが、カルバヨグ最後の日でしたから、いろんな仕事を処理しなければならず、困りました。

  マニラではビリアスさんに会ったり、ロラズハウスの問題でSさんに会ったりする予定。1泊して、8日(土)の夜には帰国します。


ソルソゴンの水問題、ますます深刻

2007年09月06日 | Weblog

(ソルソゴンの水汲み場。日照りが続いているためか、ほとんど水が出ない)

 私がバイオガス事業を実施しているソルソゴン村では、深刻な水問題をかかえています。
 井戸を掘っても飲める水はでないため、山の小さな泉からパイプで水をひいているのですが、その量も限られています。 村の人々は、水汲み場で、コンテナ(水のタンク)に水を入れて、家まで運んでいます。
 水量が少ないため、水汲み場には、いつもたくさんのコンテナが並べられ、人々はひたすら順番を待たねばなりません。

 今年は、特に暑い夏が続き、9月になっても雨がほとんど降らないためか、泉から出る水の量も極端に減ってしまっています。村の何箇所かの水汲み場では、水が出なくなってしまっており、残りの数箇所の蛇口でも、チョロチョロと水が出るだけです。
 コンテナのまわりには、もう数十個のコンテナが並んでいますが、なかなか順番はまわってきません。それに、村一番の水汲み場でも、蛇口が壊れ、いったん貯めた水を、小さな手桶でコンテナに水を入れているような状況です。
 そのため、水をめぐるトラブルも絶えず、実に深刻です。
 私が
この村にかかわるようになってまだ8年ほどですが、今年が最悪の状況でしょう。

 こんな状況を見ると、なんとかできないものかと考え込んでしまいます。
 幸い、今、京都で、発展途上国の水問題を支援するための補助金を使わないかという申入れを受けているので、その補助金をお願いして何かできないかと考えているところです。
 今年のうちには計画を練り上げ、もし補助金がOKとなれば、来年から実施しようと思っています。
 


「豚つかみ競争」も。 さあ、フィエスタがやってきた!

2007年09月04日 | Weblog

(街路には飾りつけがつけられ、人々の心も華やぐ)

 9月8日は、カルバヨグのフィエスタです。
 もう街路には飾りつけがつけられ、道を歩く人たちもどこかソワソワしているようです。
 道端にも露店が並び、夕刻になると道路はいっぱいの人たちであふれます。
 街の中央のニハガパークでは、毎日のようにコンサートなどのイベントが続きます。昨夜は、バンドのコンテスト。ベイビーの双子の息子が出るということでしたが、夜が遅くなり、それまで待てませんでした。
 看板を見ると、6日には、伝統競技大会で、「壷割り競争」や、
なんと「豚つかみ競争」というのもあるようです。いったいどのような競技でしょうか?

 ところが、今回、私は7日のフライトでマニラに行くことになってしまいました。7日、8日と人に会い、8日にそのまま帰国します。
 今年は、あの「食べ歩き」「飲み歩き」ができないのかと思うと残念です。

 


「サマール子豚基金」の提案。ご意見をお聞かせください。

2007年09月03日 | Weblog

(「私のお父さん、お母さんになってください」と子豚たちが待っている。)

 実は、この夏の暑さで、私のバイオガス事業の豚小屋では、豚たちがバタバタと死んでしまいました。特にソルソゴンでは、10数頭の豚が死に、残ったのはわずか2頭という惨状です。
 異常な暑さで弱っているところに、何か、伝染病が流行った可能性があります。ソルソゴンでは、他の、養豚事業をしているところでも、豚が相次いで死んだようです。フィリピンでは、今、豚コレラが流行っているという話も聞きます。

 私のバイオガストイレ事業は、単なる一時的な援助に終るのではなく、施設の自立が可能になるように、養豚からの収入に頼っています。また、公衆トイレだけではバイオガスの原料には不足なので、豚の糞が必要です。豚がいなくなると、いずれバイオガスの発生は止まってしまいます。

 しばらく消毒のために豚小屋を空ける必要がありますが、管理組合のお母さんたちは、なんとか来年1月から養豚を再開したいと考えています。
 しかし、管理組合は、大量の豚の死亡で手持ち資金がなくなり、子豚の購入資金(1頭約5000円)がありません。
 管理組合のお母さんたちは、どこかでお金を借りて子豚を購入しようと言っていますが、かなりのリスクをかかえてしまいます。

 こうした現状に、日本の皆さんが、子豚のオーナーになる「サマール子豚基金」事業を考えました。まだ、構想段階ですので、皆さんのご意見、また、「私も子豚のオーナーになるよ」と言ってくださる方は、ぜひ、コメント欄にご記入ください。もう少し検討して、9月中には基金をスタートしたいと考えています。

・事業地は、ソルソゴン。
・子豚の購入資金と4ケ月分の飼料代、予防注射や薬代などをあわせて1.3万円(1口)払ったものが、子豚のオーナーとなる。
 
(あるいは、少し切り上げて、1口・1.5万円)
・子豚には、オーナーの名札をつけ、オーナーが決めた名前をつける。
・それぞれの子豚の飼育責任者を管理組合のお母さんの中から決める。
 希望されるオーナーについては、オーナーの写真、メッセージを飼育責任者のお母さんに渡し、各オーナーには、その子豚の写真、飼育責任者のお母さんの写真、メッセージを送る。
・4ケ月経過すると、育った子豚を売りにだす時期となる。その子豚を売りに出すか、あるいは残して子豚を生ませる母親豚にするかを決定する。
・4ケ月で売った場合、子豚の売却価格は約1.5万円ほどだが、オーナーに基金を返却せず、次の子豚の購入資金や、施設の運営資金等に充てる。
・母親豚となった場合は、さらに8ケ月ほど経過すると妊娠可能となる。1頭の母親豚は、3~4回にわたって、1回、10頭ほどの子豚を出産する。

・子豚の飼育は、管理組合のお母さんたちが責任を持つが、途中で死亡してもオーナーは異議をとなえない。
・来年1月には、15頭ほどの子豚の購入を予定しているので、基金は15口をもって締め切る。

 とりあえず、上記のような構想ですが、どうでしょうか? ご意見をお寄せください。
 子豚のオーナーになってくださる方はおられますか? 
 サマールに夢を買いましょう! たった15口、早いもの勝ちですよ! 


日曜日は魚釣り。 城山三郎の詩

2007年09月02日 | Weblog

 (魚はあまり釣れなかったが、陽気なレイやバルたちとの楽しい一日)

 今日は、サマールに来て、初めての日曜日。この間、よく働いてきたからと、勝手な理由をつけて、早朝からカライマンの海に舟を出し、魚釣りに行きました。
 包丁や、醤油、わさびまで持って行ったのに、釣れるのは小魚ばかり。結局、刺身にするような魚は釣れませんでしたが、久しぶりにゆっくりできました。

 これではみっともないので、浜に戻る途中、辺りに出ている漁師たちの舟をまわって、魚を買おうとしたのですが、プロの漁師たちも、それほどの釣果はなく、買えませんでした。私たちは遊びだからいいのですが、彼らは生活がかかっているのですから、これでは大変です。

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 ところで、私が魚釣りで遊びほうけて宿舎に戻ってきてパソコンを開くと、連れ合いの登久子のブログにすごい詩がのっていました。
 映画「TOKKO」については、先日もこのブログで紹介しましたから、この詩も紹介しておきます。
 詳しくは、下記のブログをごらんください。
  http://blog.goo.ne.jp/tokuko_2007

 

  一昨日、8月31日のブログで紹介した映画「TOKKO 特攻」の余韻いまださめやらず、やはり、少年兵として軍隊でエライ目にあった城山三郎さんの詩を以下に掲げます。
 左でも右でも、旗を振って大声で人を連れて行こうとするものには気をつけたほうがいい。アブナイ、アブナイ。

 大切なのは、一人ひとりの命と生活。城山さんの詩を心に刻もうと思います。





       旗      城山三郎   (詩集「支店長の曲り角」より)

     旗振るな
     旗振らすな
     旗伏せよ
     旗たため

     社旗も 校旗も
     国々の旗も     
     国策なる旗も
     運動という名の旗も

     ひとみなひとり
     ひとりには     
     ひとつの命

     走る雲     
     冴える月
     こぼれる星
     奏でる虫     
     みなひとり
     ひとつの輝き

     花の白さ
     杉の青さ
     肚の黒さ     
     愛の軽さ
     みなひとり
     ひとつの光

     狂い
     狂え
     狂わん
     狂わず
     みなひとり
     ひとつの世界
     さまざまに
     果てなき世界

     山ねぼけ
     湖しらけ
     森かげり
     人は老いゆ

     生きるには
     旗要らず
     旗振るな
     旗振らすな
     旗伏せよ
     旗たため

     限りある命のために


また、知人が死んでしまった

2007年09月01日 | Weblog

(棺の横に立つ、ソルソゴンのバイオガス管理組合代表のロルナさん。)

 ソルソゴンに行くと、リコさんが昨夜死んでしまったことを聞かされました。
 彼は、SAVEの議長・ウイリーの弟で、私のバイオガス事業で組織した地域のお母さんたちによる管理組合の代表・ロルナさんのだんなさんです。
 リスリスのサリサリストアーの隣の家なので、以前からよく会っていたのですが、ずっと病気を患って、すっかり痩せてしまったことが気になっていました。
 まだ、44歳。7歳と5歳の子どもが残されました。ロルナさんがすっかり憔悴してしまっているのが気になります。

 それにしても、サマールでは、今年だけでも、いったい何人の知人が亡くなったことでしょう。前にも書いたことがありますが、サマールでは、皆、あっけないほどすぐに死んでしまいます。