サマール日記(ブログ版)

チョイさんのフィリピン・サマール島での滞在記録

台風被害、サマールの状況と支援カンパの送り先

2013年11月15日 | Weblog

今回のフィリピンの台風被害は、時間が経つにつれてますます深刻な状況になってきています。私は、1994年以来、サマールに関わり続けてきましたが、レイテのタクロバンも再三訪れてきました。古い雰囲気の残った、お気に入りの街だっただけに、あの壊滅的な状況を見ると残念でなりません。

 いろんな方々から、サマールの状況や、支援先の問い合わせをいただきました。以下、マニラ新聞のGさんからいただいた情報をもとに、現地の状況といくつかの支援先についてまとめてみます。

 ご協力をよろしくお願いします。

 なお、マニラ新聞が「台風災害特設ページ」を無料公開しています。フィリピンの様子がよく分かるのでご覧ください。

                  (レイテ島、サマール島をつなぐサン・ファーニコ橋)

 

1.サマールの状況について

 私がいた西サマールのカルバヨグやソルソゴンでは、幸い、それほどの被害はありませんでした。学生グループ(JAPSAM)が作ったトレーニングセンターは、台風の避難所として準備されたようですが、その必要もなかったとのことです。

 報道では、レイテのタクロバンの惨状がよく放映されていますが、東サマールのギーワンなどでも死者1000人といわれるほどの壊滅的な被害が出ているようです。カルバヨグには、タクロバンや東サマールから多くの被災者が避難してきており、混乱防止のために夜間外出禁止令が出されています。また、カルバヨグはマニラから陸路レイテに行く際の中継地になるので、救援活動の拠点の一つになっているようです。

 カルバヨグでは、食糧や水なども充分にあり、問題はないとのことですが、やはり台風以来、停電が続いています。サマールの電気は、ほとんどがレイテの地熱発電所から送られているので、当面、電気の復旧のメドはなさそうです。 

 

2.支援先について

  支援活動を行っている3つの団体を紹介します。

支援先①  NPO法人・アイキャン(アジア日本相互支援センター)

 フィリピンで20年近い活動実績をもつNGOです。私も、マニラのパヤタス(ごみの集積地)での活動現場を訪問したことがありますが、信頼できる団体です。今回のレイテの台風被害についても、ミンダナオの活動現場から、いち早くタクロバンにかけつけています。

 フェイスブックで現地での活動状況が分かります。支援金の送金先は、ホームページをごらんください。 

 ホームページフェイスブック

 

支援先②  NPO法人・Action>

 直接、かかわりを持ったことはないのですが、カルバヨグのWESADEFという現地NGOと提携してサマールを中心に活動しているグループなので紹介します。このWESADEFは、私もカルバヨグ滞在中に何度も事務所や活動地を訪問したことがあります。

 支援金の送り先は下記のブログをご覧ください。

 ブログ

 

<支援先③>同志社ハビタット→日本YWCA

 2012年からサマールに来てくれるようになった学生グループJAPSAMは、同志社のハビタットから生まれた団体ですが、今回の台風被害に関して、日本YWCAに協力して支援の呼びかけを始めています。以下、転載します。

*******

同志社ハビタットに関わってこられた皆様へ

ご承知のように11月8日にフィリピンを襲った巨大台風「ヨランダ」により現地では...
甚大な被害が発生しており、多くの人々が餓えをしのぎながらの極めて苦しい状況に
置かれています。

同志社ハビタットの活動を通じてフィリピンと関わられた皆様は、大変心を痛めてお
られると思います。
すでにそれぞれに行動を開始されておられる方も多いと思いますが、我々にできるこ
とを迅速にとの思いで、マーサ先生にも相談し、「フィリピンへのYWCA救援募金」への協力の輪を広げることに取り組むことといたしました。

つきましては、同志社ハビタットに関わられました皆様にこの呼びかけメッセージを
できるだけ広げていただき、協力の輪、支援の輪を広げていただけると大変に心強く存じます。以下、YWCA救援募金の口座です。

<郵便振替> 
口座番号  00170−7−23723
加入者名  公益財団法人日本YWCA
通信欄に  「フィリピン緊急支援」とご記入ください。
集約期限:2014年1月末日
*文末にフィリピンYWCA総幹事からのメッセージを添付しています。

皆さまご多忙と存じますが、ぜひ、ご協力をお願いいたします。
復興の道のりは大変長期に及ぶものと思います。フィリピンの仲間のことを忘れず、
応援を続けたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

西田淳志(2002年卒)
春山慶彦(2004年卒)

---

「フィリピンYWCA総幹事からのメッセージ(2013年11月10日)」
YWCA会員、友人の皆さま

私たちは、巨大台風「ヨランダ」(国際名「ハイヤン」)の甚大な被害に心を痛めて
おります。上陸時の時速190〜195マイルを記録したこの台風は、「上陸した熱帯性暴風雨としては歴史上最大」のもので、11月8日(金)に中央ビサヤ地域を含む幾つかの州に多大な被害をもたらしました。今までで初めて、22の州にシグナル「4」(分類中最大。12時間以内に時速185km以上の熱帯性低気圧が到来)の台風警報が出されました。暴風雨は、レイテ島のタクロバン市、オルモック市などを襲いました。

地域の国家災害リスク軽減・管理センターの報告では、138人が死亡、14人が負傷、4人が行方不明と示されています。36州の229町39都市、1336バランガイ(村/地区)において、合計94万4,697世帯(429万2,636人)が被災しました。7万1,623世帯(33万914人)が1,223箇所の避難所に避難しています。家屋、財産、農地、インフラへの被害は莫大です。

しかしこのような状況にも、フィリピンの精神は力強く立ち上がり、神への大きな信
仰をもってこの困難に立ち向かおうとしています。フィリピンYWCAは、ビサヤ地域のYWCAから情報を取り寄せています。カピス州のロクサス市YWCAからは、多くのYWCA会員の自宅が破壊されたことが報告されています。会員のコラゾン・ティアンゴは、家を失った何人ものYWCA会員の家族を自宅にかくまいましたが、強風により彼女の家の屋根も危うく飛ばされそうになりました。また、若い女性リーダーのリザ・バンデジャスとディレ・アセルヴォから何枚かの写真が寄せられましたが、それは見るにたえないものでした。西ネグロス州のサン・カルロス市では、事務局アシスタントのナネッテ・リベラルが自分のソーシャル・メディアのアカウントに、「同市での被害は小規模」と記載しています。電気も復旧したそうです。

フィリピンYWCAは最近、フィリピンの「3000クラブ」(国際的・地域的チャリティー団体)と提携し日本YWCAからの支援を受けて、地震の被害を受けたボホルおよびセブ州に医療物資・設備を送り、救援活動を行いました。

私たちはこれから、最も深刻な被害を受けたレイテとサハール州に災害救援・医療
チームを派遣している「Operation Blessing」と協働します。Operation Blessing
チームは、支援物資や医療物資を現地に送っています。私たちは、YWCAのコミュニ
ティと友人の皆さまに、もう一度呼びかけたいと思います。支援を必要としている人
たちを助けるため、私たちに力を貸してください。


台風に襲われた、レイテ・サマールの現状について

2013年11月13日 | Weblog

フィリピンを襲った猛烈な台風の被害について、多くの方から現地の様子について問い合わせをいただきました。私も、サマールの友人にメールを送って状況を知ろうとしているのですが、向こうで受信できないのか、まだ返信が来ていません。

 そこで、マニラのゴリさん(マニラ新聞社)に連絡したところ、次のような返信が来ました。私がいたカルバヨグやソルソゴンでは大きな被害はないとのことですが、今でも停電が続き、電話やパソコンも使えないようです。

 以下、ゴリさんからの連絡を転載します。

*********

サマール、レイテ、ボホールなどビサヤ地方の広域で依然停電が続いています。基地局が倒壊しているため、通信網もまひしているところが依然多いです。通信が回復しても、電気がないため、携帯電話やパソコンが使えません。

私もベイビーさんやソルソゴンの人の番号にかけていますが、今日までつながっていません。一部ソルソゴンのFBページで、「とにかく私たちは大丈夫です。強風はひどかったけど、雨の影響もなく、無事です」という投稿がありましたし、ソルソゴンやカルバヨグなど、西サマール州のカトバロガン以北は、大規模な被害は出ていません。死者は出ていないと思われます。

ひどいのは、東サマール州のボロンガン以南です。特に最もレイテ島に近いギウアンは壊滅的な状態です。レイテはタクロバンなど太平洋沿岸側の町が壊滅。オルモックなど西側も甚大な被害が出ています。パナイ、ネグロス、パラワン北部や、地震被害からの復興もまだのボホールでも被害が出ています。

輸送の困難で、救援活動は難航しています。すでに発生から6日たちますが、いまだに救援物資が届いていない地域があります。タクロバンの被災者は、軍用機でマニラに逃げようとする人たちが大行列を作っています。レイテと東サマールの被災地では、食料、水が絶対的に足りず、住民がカトゥバロガンに集まっているとの情報もあります。飢えによる略奪や強奪も相次いでおり、治安も悪化しています。

 

地元英字紙やテレビ曲のニュースサイトには、動画や写真と共に現地の情報が少しづつ伝えられつつあります。こちらでの被害状況を気にされている方は、これらのサイトで台風関連のニュースを注視されることをおすすめします。

英字紙インクワイアラー http://www.inquirer.net

ABS-CBN news http://www.abs-cbnnews.com

取り急ぎ。


フィリピンでの深刻な台風被害について

2013年11月11日 | Weblog
 フィリピンを強烈な台風が襲い、レイテ、サマールに大変な被害がでました。私は、1994年からサマールに通い続け、もう20年近くも現地でNGO活動を続けています。多くの方々から、サマールは大丈夫かとの問い合わせをいただきましたが、マニラ新聞のゴリさんから次のような情報が送られてきましたので転載します。

********

 台風ヨランダ(30号、国際名ハイエン)の暴風雨と高潮により、フィリピンのレイテ島とサマール島の主に太平洋沿岸部一帯が壊滅的な被害を受けました。

 レイテ州タクロバン市は州都であり、東ビサヤ地域の中心地でもあるため報道関係者が多く入っており、タクロバン市の映像がニュースでは大きく報道されていますが、東サマール州ギワン、パナイ島のロハス市やパラワン州北部などでも甚大な被害が出ています。

 沿岸部一帯は、民家や建物がほぼ全滅。暴風雨と高潮ですべて倒壊、流されてしまっている状態です...。現地入りした国連職員は「南インド洋大津波以来、最悪の被害状況」、タクロバン市の高潮を目の当たりにした地元テレビ記者は「まるで東北大震災の津波の映像を見ているよう」と話しています。通信網が依然まひしており、現地に入った弊紙記者とも連絡がほとんど取れない状態です。

 このため、被害の全容把握が難航しており、政府発表では今のところ死者は255人となっていますが、被災地ではいたるところに遺体が放置されている状況で、最終的には死者が1万人を超える可能性も指摘されています。

 空港の閉鎖、道路や橋の寸断に加え、通信網のまひで救援活動も難航しています。
8日の直撃からすでに4日が経過しており、食料や水、衣料、シェルター、薬などが絶対的に不足しているようです。被災地では、被災者らが無人の商業施設などに押し入り、商品を強奪したり、救援物資の奪い合いや、窃盗なども起きています。

※JAPSAM関係者へ
 ソルソゴン、カルバヨグがある西サマール州では人命にかかわるような甚大な被害は出ていないようです。ソルソゴンでも、強風がすごかったようですが、雨や高潮の影響はなく、死亡者などは出ていないと聞いています。

募金や救援物資など、被災地支援ができる団体のサイトは以下の通りです。

フィリピン赤十字
(マニラ港とマンダルーヨンにある事務所では24時間寄付を受け付けています)
http://www.redcross.org.ph/

日本赤十字
http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00004047.html

NPO法人、アイキャン
フィリピンでの災害被災地支援などで20年の活動実績があり、信頼できる団体です。
http://www.ican.or.jp/

Philippine Red Cross
www.redcross.org.ph
We are committed to provide quality life-saving services that protect the life and dignity especially of indigent Filipinos in vulnerable situations. Save Lives. Join the Red Cross!