きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

緊張との付き合い方

2011年05月20日 | 音楽のこと
よく、舞台に出るのは緊張しないのか?という質問を受けます。
「もちろんします~~~」
と、答えるけれど、私の経験では緊張にも色々な種類があるかな、と思います。

「良い緊張」「悪い緊張」と言う言葉があるように。

「良い緊張」とは何かと言えば、私の中では、コンサートで歌う準備がすべて整っていて、体調も万全。あとは自分の中にある物を、外に出すだけ!
という状態の時に起きる「武者震い」のようなもの。

でもそんな状態で歌える事なんて、滅多にないですね。

私の場合だったら、歌詞がちゃんと頭に入っているか自信がない・・・
喉の調子が悪いから、いつも出ている高音が出なかったらどうしよう・・・

人によって、音楽に限って言えば演奏する楽器によって、様々な不安を抱えて舞台に上る場合がほとんどなのではないか、と思います。

そう、その「不安」が緊張の正体だと私は思っています。

なのでその「不安」に対して、事前に対処するように勤めます。
そのやり方も、人によって様々でしょうけれど、私の場合は一つ一つの不安に対して解決策を考え、時には不安の原因となるものは改善、または出来るなら削除します。
(たとえばMCをいれることでひどく緊張してしまう事があるので、いれるのをやめたり、紙に書いて読むだけにする、など)

そうやって本番を向かえるわけですが、それでも「不安」がなくなっているときは稀ですね(笑)

でも当日になっちゃったらもうどうしようもない。改善の余地もない。

なんだ、全然解決になってないじゃないか!
と、思われた方。ごもっとも。

人前に出て何かをするに当たって、不安がまったくない状態を作るなんて、土台無理なのです。
じゃぁどうするか?

開き直りましょう☆

普段出来ない事は舞台でも出来ない。
だからって逃げて帰るわけには行かない。
人前に出るのに緊張するのは当たり前。

逆に言えば、普段できてる事は出来るのです。舞台でも。必ず!
そう繰り返し自分に言い聞かせるのが効果的です。
「不安」が出てきたら・・・
「いやいやいやいや、できる物はできるから。」
と、言い聞かせる。

出来ない物は出来ないです。いいんです。それで。
次の舞台を踏むまでに解決すればいい。

私はこうして、緊張と付き合っています。
他に良い方法があったら教えてください!

あ、ちなみに緊張はしないと、良い演奏はできませんねー。不思議です。