きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

筋肉の記憶♪

2009年02月05日 | 音楽のこと
体を動かすには筋肉が必要だ。
我々はすべての動きを筋肉によって行っていると言える。

普段の何気ない動き、いつも行っている動きは、筋肉がしっかり動きを記憶してくれているので、何も考えずに、不自由なく行うことが出来る。
たとえば「食べる」時、指や手や腕の筋肉を巧妙に使ってお箸を持ち、動かして物をつかみ、口に運ぶや否や今度は口の筋肉がうまい事食べ物を砕いて、舌の筋肉を使って喉に運び入れる。
これらはすべて、筋肉が「記憶」して行っていることだ。

いきなり、全然音楽と関係ない事から入ったが、今、発声における筋肉の動きを研究している。
上記した、「筋肉の記憶」が正しくないと、良い声は出ないからだ。
余計な「力み」は、リサイタルにおいて体力の消耗を招くことはもちろん、喉の機能そのものにも支障を起こしかねない。
歌手は、本当に必要な部分の筋肉を有効に使わなければならない。

と、簡単に書いてみたが、歌手だって歌だけ歌っていれば良いわけではないので、実際の所はとても難しい。
私の場合は、ちょっとした緊張などで、歯を食いしばったり、胃に力をいれる癖がある。

「筋肉の記憶」を直すには、3~4週間かかるという。
つまり、私が歯を食いしばる癖をやめようと思ったら、常に意識してあごの力を抜き続けて一ヶ月過ごさなければならない。

ただ、「筋肉の記憶」の怖い所は、「無意識」であると言う事。
自分で力が入っている事に気付かない点だ。
更に、2,3箇所同時に意識するのは不可能に近いと言う難点もある。
私の場合だったら、あごの力を抜くのに一ヶ月、胃の力を抜くのに更に一ヶ月かかるというところか。

まだしばらく、筋肉の研究と訓練は続きそうだ。