切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

《 京都市長選挙 愚劣な新聞広告 》

2020-01-29 23:23:00 | 社会




◆ 現職京都市長の支持団体である「未来の京都をつくる会」による幼稚で愚劣な新聞広告が掲載された。

 2月2日投開票の京都市長選挙が今激しく戦われている。もちろんワシが住んでいる宇治市は直接の関係がないので、静かなもんだ。しょっちゅう京都市内に行くが、宣伝カーなどがお願いしますなどと言って走っている。
 そんな最中、数日前に地元の有力紙である京都新聞に、一面の全面広告が掲載された。一面の全面広告なので非常に大きい。当然目を引く。バックには鴨川の写真。そしてど真ん中に大きな文字で「大切な京都に共産党の市政はNO」と記されている。さらに「共産党による独善的な市政に陥らせてはいけません」などと続けられている。
 今回の京都市長選挙は国政とは違って自民党と公明党が中心になり、「未来の京都をつくる会」と言う団体を作って、国会では野党であるはずの共産党とれいわを除く各政党が一緒になって推薦している。まさに烏合の衆と言うほかない。地方自治体で見られるいつもの有様だ。
 そして下のほうに著名な個々人の顔写真と名前とともに、ラグビーで流行した「ワンチーム」とか言って、我こそが主流なんだと御託を並べていた。




◆ 顔写真と名前を掲載された著名人からクレームが出された。

 ところが今日29日になって、京都新聞に1つの記事が出た。それは著名な個人で現職を応援しているとされた人々が、許可なしに顔写真と名前を使われたと言って、現職候補支持団体のほうに抗議をした、と言うのだ。
 これに対して現職候補支持団体は、著名推薦者の中のリーダー格である立石電機会長の立石氏だけには許可を取っており、後は当然応援してくるものだと思って掲載した、などと社会的には全く通用しない厚顔無恥な方法で、このような全面広告を出したと言うことがわかった。
 全く愚劣で破廉恥極まりないやり方だ。立石氏は現職を応援するのでぜひ載せてくれ、と言う立場だろうが、後の文化人たち、映画監督、男性俳優、女優、作家、こういった有名人達の顔写真と名前が並べられている。おそらくそのうちの何人かは、掲載されたんだったら仕方がない、と言うふうに言うかもしれないが、数人の人が抗議の声を出し、「特定の政党を排除するかのような言い方自体が間違っている」と言うように、明確な批判をした。ネット上でも、この広告に対して共産党排除の一方的なやり方に多くの批判が上がっていると言う。
 自民公明などと言う奴らは勝つ為だったら手段を選ばず、何でもありの状態。



◆ なぜこんな卑怯な真似ができるのか。

 じゃあこんな無様なやり方はなぜいとも簡単になされるようになったのか。答えは極めて簡単。保守右派以外の人々が感じている、国会の劣化、国会議員の無様さ、そして根本的に政府自体が安倍総理を中心に、国民を騙し、ごまかし、負担を押し付ける、平気で嘘をつく。人間としても最低としか言いようがない姿を露呈していることがあるからに他ならない。
 国の官僚たちもそれに沿って同じように劣化してしまった。こいつらは国家公務員であり、国民の血税から高い給料をもらっている。公務員と言うのは個人のために仕事をするのではなく、全体の奉仕者なのだ。
 こうして国民全体を徹底的にコケにしている姿がまかり通っている現状の中で、各都道府県においても、市町村においても、選挙になれば何でもありの汚い姿を晒すことになってしまったのだ。ここには人間性の欠片もない、品格もない。こんな奴らが選挙に勝った後、万歳をして喜んで市政に臨むと言うのは、気持ち悪いとしか言いようがない。卑怯者こそさっさとを引っ込め、と声を大にして言いたい。

◆ このような宣伝の内容は、差別主義、ヘイトに通じるものがはっきり見てとれる。

 この全面広告は自民公明がいかに国民の1部を差別扱いしているのか、それを当たり前のものとしてやるのか、ということを明確に示している。その結果自民公明たちを応援した者に対して、優先的な政治をすることになるんだろう。名指しされた共産党やその支持者たちは、同じように税金を払っている、れっきとした憲法で保障されている主権者なのだ。なのに差別され、国民としての権利を後回しにされるような実態がやがて鮮明になるだろう。
 これがオリンピックを控えた「おもてなし」なんてのたまわっている国の真の姿だ。ジキル博士とハイド氏ではないが、こんな二面性を人々の前にさらして、ほんとに恥ずかしいとしか言いようがない。
 おまけにこの全面広告は、下のほうに「公益社団法人・公共広告機構」の広告も掲載されていた。これでは誰が見ても、この団体も自民公明と一緒になって現職を応援しているかのように受け取れる。よく見ると枠が引かれていたが、どう考えてもタイアップしているとしか思えない。
 知っての通り、公共広告機構と言うのはテレビでも1日に何度も何度もCMを放映している公益社団法人であり、一般の民間事業者等で構成されているものであって、国とは直接関係がない。したがって国費も投入されない。しかし民間企業やそれに類するものが集まって構成していると言う事は、ことと次第によっては特定の方向性に流れる可能性もある。公共広告機構の理念そのものは、日本人のマナーを啓発し、相互協力や思いやりを広げていく、と言うことを目的に、関西で設立したものが元となっている。しかしもし今回の1面全面広告の中に、この団体の広告が一緒に掲載されていることが意図的なものであるとすれば、完全に政治的に特定の候補者を応援すると言うことになる。こういったものに対して「公益社団法人」と言う資格を国が与えて良いものなのかどうか。
 まぁこの件についてはよくわからないのでここまでにしておくが、いずれにしろ今回の新聞全面広告には、かなりな費用がかかっている。さすがに金持ちの団体は違うものだ。共産党とれいわではとてもじゃないが、そこまでの金は用意できない。
 選挙と言うのはあくまでも公平公正に堂々とを行うべきものであり、それぞれの主張や公約を、抽象的ではなく具体的に訴えて戦うものであるべきだ。しかし相手を一方的に罵倒し、しかも「独善的な共産党」との表現で決めつけを行う。いったい独善的と言うことの意味をわかっているのか。そしてどこの何を根拠に独善的と決めつけて言っているのか。そんなことは自民公明の奴らにとってみれば、知ったこっちゃない、ってなもんだろう。
 あまりにもの卑怯なやり方であり、一般市民がしっかり考えて投票すべき選挙、と言うものを馬鹿にした態度としか言いようがない。国政だけではなく、地方政治もますます劣化の一途を辿る。逆に言えば、このような奴らによって、国民だけではなく、身近な市民たちもバカ扱いにされていると言うことに他ならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする