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もうとっくに紅葉シーズン終わりというのに、この日もまた僅かに残るものを求めて向日市へ行く。
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福成寺。こちらのお寺は正確には向日市ではなくて、その境目に近い京都市西京区になる。京都西山の丘陵地帯の麓にあって、紅葉シーズンにはかなりな見応えのある光景だったようだ。お寺の由緒については駒札にある通り。それによると平安時代直前の創建だ。かなり古い歴史を持つお寺ということになる。
紅葉の方は全体の90%は散っており残り約10%というところ。境内の地面には散り落ちた落葉がまだ赤い色を放っていた。紅葉の名所としては雑誌やネットにも全く紹介されておらず、いわば隠れた名所といったところだ。こういったところまで紹介していただければとは思うものの、京都にはこのようなお寺や神社が多数あるので、はっきり言ってきりがないんだろう。
自分一人でコツコツと探し回って開拓していくほかない。境内の大きな樹木の間からは京都市南部地域が遠望できる。京都タワーも目に付いた。全体のお寺の印象としては静かで落ち着いた雰囲気を持っており、境内の一部にテラスのような場があって椅子も置かれていた。紅葉を楽しみながらこういったところでゆっくりするのもとてもいいと思えた。
次に京都市との境の近くの、今度は向日市になる御霊神社へ行く。
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こちらは住宅街のすぐ横のちょっとした丘陵地にあって、やはり眺望が良い。名前以外に何の説明もなく、ネットで調べても情報はほとんどなかったが、かろうじてこの御霊神社に関わると思われる情報を見つけた。
かつてこの地域は物集女村と呼ばれ、物集女一族が支配していたが、その鎮守社として戦国時代頃に創建されたようだ。その物集女氏はこの後、織田信長によって絶滅させられる。 今では向日市物集女という地名として残っている。近代になってその頃、神社は向日神社の境内社として合祀されることになった。向日神社内には多くの末社が並んでいるが、その中にある。本来ならその時点で御霊神社は廃社となるはずだ。しかし地元の人々によってこの神社は存続し、毎年祭事が行われているという。そういった意味ではどういう位置づけの神社になるのだろうか。詳しいことはわからないが、いずれにしろ向日神社の境内社である御霊神社が、ここに出張所を設けているといった感じになる。
残念ながら紅葉の方はほぼ無くなっており、少しだけ残るものを撮影して終わることにしたが、これはこれで緑の中にわずかな赤い色が結構目立つポイントになっていて、撮影対象としても結構良かったと思う。
このような自分で発見した紅葉の場所は、今年改めて早めに行ってみようと思う。
福成寺
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『宝珠山 福成寺
福成寺は、桓武天皇による長岡京遷都に伴い、延暦三年(七八四)、鎮護道場として創建されたと伝えられ、千二百三十余年の長い歴史を有する古刹である。当時は広大な敷地に多くの塔頭を擁する大寺院であったが、平安時代には衰退して、真言宗の寺院となった。
南北朝時代に建仁寺第二十六世・高山慈 照(広済禅師)の手により、臨済宗の寺院として再興された。その当時は、多くの修行僧を 抱える大道場であったが、建武五年(一三三八)に、そこで守られるべき規則として定められたのが、「福成寺規式」である。この文書は、平成十九年(二〇〇七)、国の重要文化財に指定されたが、現在は、建仁寺の塔頭、霊洞院が保管している。
その後、寺は応仁の乱で焼失し、江戶時代の文政十年(一八二七)に本堂が再建された。本尊は十一面観音菩薩立像で、洛西三十三所観音霊場の第三十一番札所である。脇侍の大日如来像は、定朝様式を備えた藤原時代中期の作で、中興の祖、広済禅師像とあわせ祀られている。
寺内にある権現堂では、毎年二月十一日、五穀豊穣を祈る伝統行事、「行講」が、地域の草分けによって今日まで伝承されている。現在、福成寺は、臨済宗建仁寺派の末寺である。
京都市』 (駒札より)
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御霊神社 (向日市物集女)
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