2週間前に日赤で胃カメラを飲み、その際検体検査のために癌患部の一部を取って詳しく分析してもらった結果が、今日伝えられる。朝一番ということで起きた時間が少し遅く、車では間に合わないので、 JR で行くことにした。通勤通学時間帯に電車に乗るのはずいぶん 久しぶりだ。中は女子高生で満員。どうやら女性専用車両に乗ったみたいだ。でも男性も結構たくさん乗っている。皆さん誰しもがスマホを取り出していろんなものを見ている。
わずか14分で東福寺駅に到着。歩いて5分。日赤に到着。今日は採血もなく診察のみということになる。やはり拠点病院であるだけに朝一番からかなり大勢の人が各待合室に待機している。そのうちあちこちの診察室から患者の呼び出しが始まった。私の診察室からも名前が呼ばれたが、一番は隣に座っていた人だった。まだだいぶ若い。しばらくして出てきた後 2番目に名前が呼ばれた。
いつものようにノックして診察室に入る。主治医の先生は明るい表情で、早速説明を始めた。検体検査の結果は極めて良好。何も問題なし。改めて手術部位の写真、胃の内部の写真などを見て非常に綺麗な状態ということで、今回を持って完全に食道癌は卒業、ということになった。同じ場所に再発するという可能性はほとんどゼロに近いということで、何ら心配することはないとも伝えられた。さすがにほっとした。入院手術からちょうど6年半。それこそあっという間の年月だった。我ながら運が良かったのかどうか、あるいはちょうど腹腔鏡手術のプロフェッショナルの先生に手術してもらえたのが良かったのか。どれもこれもがいい形で終えることができて一安心というところだった。
ただし、去年発症した胃潰瘍については、胃の内部は綺麗になっているものの今後しばらくは診察・処方薬を続行するのがいいということだった。無論、日赤は拠点病院なので今お世話になっている自宅近くのクリニックで続行するということになる。また判断はそちらの方のクリニックで行うという形になる。このクリニックの先生は、日赤で手術を受けた先生のいわば指導医となる方で、お互いによく知り合う間柄だという。そういった意味ではこれも運が良かったのかどうか。やはりともにいい先生に巡り合ったものだと言える。
なお 一般的には癌が寛解した人も、以降1年または2年おきに患部を調べるために胃カメラ検査を行うというのが通例のようだ。自宅近くのクリニックで胃カメラを行っているのかどうかわからないので、とりあえず1年後の5月に日赤にて胃カメラの予約を入れた。もし近くのクリニックで胃カメラ検査可能であれば、日赤の方を解約してこちらの方で検査を行ってもらうことになる。食道癌が 寛解したとは言っても、そのすぐ近くの胃の方はどうなるのかわからない。現時点で綺麗な状態であってもやはり癌細胞は体を巡っている。そういった点で癌の経験者は油断してはならないということになるわけだ。以前にもブログで書いたことがあるが、現役時代、同僚の癌になる可能性のある先生が毎年検査を受けていたのだが、あまりもの忙しさにある年、検査を飛ばしてしまった。翌年検査を受けた結果、なんとすでに手遅れの状態になっていたということがあった。余命宣告を受け、その先生は若くして亡くなってしまった。
そういったことから決して気を緩めることはできないわけだ。私もそこそこの年齢であり 同世代の人にも亡くなっていく人が増えてきている。なったらなったで仕方がないと諦めもつくかもしれないが、できればまだやり遂げたいことがいくつかあるので、何とかあと10年くらいは生きていきたいものだと思う。
そしてもう一つの課題が迫りつつある。「前立腺癌」の可能性が限りなく高まってきていることだ。この癌による死亡率は比較的低い方で、早い処置によって助かるケースも非常に高いが、実際この癌で亡くなる人は間違いなくいる。確か歌手の西城秀樹氏がそうだった。 私よりも若い。こちらの方は自宅近くの中核病院で泌尿器科にかかっている。癌の指標を表す数値が標準を大きく突破していて、癌になる可能性は高まる一方だ。一応しばらく様子を見るということになっているが、これが正常値に戻るという可能性はおそらくないだろうと思う。いずれ手術ということになる可能性がかなり高いと自分では思っている。この癌は手術において「ダ・ヴィンチ」というロボット手術が今主流になりつつあるようで、このロボットを実際に使っている病院もかなり増えてきている。もしその時がやってきたらやってきたで、自分なりに一種の諦観を持ちつつ臨もうかと思っているところだ。