切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

紅葉2019 染殿地蔵尊~天鏡院・天宝弁財天 京都市西京区・・・こんな所、知らんかった

2020-01-06 22:47:21 | 撮影


 まだ紅葉がどこかに残っていないかとかすかな希望を持ちながら、この日は2ヶ所を回った。
 国道9号線沿いの「染殿地蔵尊」ここは少し離れたところにある光見寺が管理してるとのこと。境内は比較的狭いが、チラッと紅葉らしきものが見えたので石段を上る。
 そこには地蔵堂だけが一棟建っていた。背後にわずかだが紅葉らしきものが少し残っている。地蔵堂の前に駒札が立てられていて読んでみると、安置されているのは本尊の木造地蔵菩薩坐像とのこと。おそらく鎌倉時代作と見られるとあった。
 元は平安時代の染殿皇后が出産の際に、安産を祈願することに由来するといわれている。安産と子安を合わせ腹帯地蔵ともいわれる。
 このような実像は各地にあるが、ここの菩薩坐像は当時の着色された色彩がまだわずかに残っており、年代もかなり古く保存状態も良いということで、京都市の登録文化財に指定されている。個人感覚としては重要文化財でもいいのではないかという気もするが。
 地蔵堂の窓枠の隙間からお地蔵さんが見えている。ただしほとんど真っ暗に近い状態なのでよくわからない。カメラを腕で固定させてかなり長いシャッター速度で撮影したが、どうしても手ブレする。何枚か撮ったうちの一番ましなものを掲載しておく。
 そういうわけでこの染殿地蔵尊は紅葉云々というよりは、思わぬところで文化財に出会うことができて、これはこれでとても良かったと思える。

 続いて国道9号線を西へ走り、脇道を山の方に入って到着したのが「天鏡院・天宝弁財天。」
 名前も知らなかったし初めて訪れた場所。お寺と神社が一緒になっているのかどうか。とにかく同じ敷地内にあるようだ。しかもその敷地がかなり広大なもので、まだまだ十分なほどの紅葉が目に入る。敷地の中に車を駐めて撮影を始める。
 本堂などの建物はかなり新しい。遠くに見える鳥居などもかなり新しいようだ。ちょうど説明板があったので読んでみると、平成3年の建立と言うから、まだ30年弱だ。こんなに新しいお寺に来たのは多分初めて。それにしてもよくこんなに広大な土地を手に入れたものだと思う。
 山裾の丘陵地であちこち凸凹している。お寺の由緒については下に掲げた通り。特記するほどの内容はあまりないのではないかと感じた。それ以上にまだまだ残っている境内の周辺を取り囲むような紅葉が、かなり散り落ちてはいるものの、なかなか見事なものだと思う。弁財天の参道が非常に長く、そこに沿ってもみじや銀杏など、まだまだ綺麗な色を残している。紅葉シーズン真っ最中であれば相当素晴らしい光景となっただろう。もうほぼ終わりかけの時期であっただけに残念ではあるが、それでも撮影対象としては十分な満足感を与えてくれた。
 お寺の方は真言宗ということなので、少なくともまともなお寺ではある。様々な新しいお寺の中には聞いたこともないような宗派のものや得体の知れないものもあったりするので、気をつける必要があるが、ここは一応まっとうな方向性を持っているものと思われる。総建設費もかなりかかっただろうと思う。紅葉シーズンには是非撮影が楽しめるので良いかと思う。多分桜のシーズンもそこそこあるのではないかと思えた。

染殿地蔵尊



『京都市指定・登録文化財-美術工芸(西京区)
木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)

 染殿地蔵とも呼ばれる丈六の赤色檀色像。やや面長で脇を固く締め,衣文を浅彫りとする点は,同じく丈六像である右京区花園地蔵院の地蔵菩薩坐像(11世紀初)と酷似する。ただし,左肩から腹部にかけての衣の波打ちや,裳の上縁の堅い表現などから鎌倉時代前半の模古作と考えられる。』
(京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課の公開資料より)
     

天鏡院・天宝弁財天

   
 
『真言宗天鏡院緣起
 昭和六十年吉日に大神様は、西尾家のこの土地に降臨するといわれ、その後、弘法大師の一代御守尊である浪切不動明王様が安置されている高野山別格本山南院との御縁を結ばれました。
平成三年十一月吉日高野山真言宗天鏡院として、落慶致しました。
御本尊は、浪切不動明王様に大神様の御神玉が合体された不動明王様です。霊界はもとより人間界の悪しき因縁を切り浄化をして下さる御霊験あらたかな御本尊様です。又、寺内の奥の地に弁財天様がお祭りされています。
 平成四年十一月吉日に御縁ありまして、お家城が建立され安置されました御身体様は、大神様より天宝弁財天と命名されました。
天宝弁財天様は、日本三大弁財天様と同格又はそれ以上のお力をお持ちであると御霊示を頂きました。弁財天様は、人々に智恵・福徳を授けられる神様でございます。それを信じ多大の御加護を頂き、幸せな人生を歩める様お導きくださいます。
 天鏡院』 (説明書きより

             
コメント
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