しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第96回 ドゥケンデ「Live in Cirque d Hiver Paris」

2008-03-21 04:50:47 | カンテ
どうも。1年以上更新していなかったってひどい話ですねえ。すみません。

いや、ねたがなかったわけじゃないんです。でも実際、新譜は最近少ないですねえ。
スペイン、レコード業界の不況はもうひどいもんです。遵法、不法含めてのネット配信や街角の海賊版など、いろいろ事情はありますが、実際のところ、ふらめんこのCDの売り上げはそれほどかわっていないそーです。ただ、会社の主力のポップスとかの売り上げが落ちると、儲からないフラメンコの企画はぶった切られる、ってことのようで、大手からはほとんどでませんねえ。ユニバーサルくらい?、あ、EMIのモレンテ親子つーのもあるけど。その分、小さいとこががんばってる、ってのはあります。

さてひさびさのブログで取り上げるのはドゥケンデ。
バルセロナ郊外、サバデル(現地発音だとサバデイ)生まれのヒターノ。
日本にも小島章司さんの公演やパコ・デ・ルシアのグループで来日したことがあるので、生できいたひとも多いのでは?
わたしが最初にきいたのはたぶん、92年か93年。カマロンの再来とフラメンこファンたちに騒がれていたころでした。いやー、びっくりしましたね。声や表現がカマロンにあまりに似ていたので。真似してる、ってわけじゃないんですよ。たぶん、ドゥケンデはカマロンを敬愛するあまり、カマロンの歌い方が彼自身の歌い方nになってしまったのではないか。今ならそう考えられるが、当時は、カマロンがかえってきた、っていう感じに思えてしまった。たぶん、たいていのフラメンコファンがそう思ったにちがいない。

で時は過ぎ。。。カマロンの死から15年。発表されたこのアルバム。
ドゥケンデ、初のライブ盤。パリでのライブは、チクエロの伴奏。
最初に聴いたとき、やっぱ、カマロンを思い出した。
声質は近いけど、ちがう。でも、歌い方が、カンテでの表現方法がどうしても主出させる。でもそれは悪いことなんかじゃ絶対ない.
実際、このアルバム、なかなかの出来なのだ。

かマロンも歌った歌詞も歌っているタランタをかわきりに、すごく自然な歌い方のソレア(ソレアのコンパスって人が自然に身体の中にもっているリズムなのではなかろうか)。パコのグループでもうたっていた歌詞も登場するタンゴス。ファンダンゴス。そしてブレリア。命のエネルギーを感じさせるリズム。マルティネーテ、そしてブレリア。
なにも考えずにカンテに、コンパスに、身をゆだねていたいと思うこの気持ちよさ。ライブならではの臨場感。いや~、これはなかなかおすすめの1枚でございます。
あ、日本でもおなじみ、チクエロのギターもいいですよ。この人に限らず、伴奏を中心に活躍しているギタリストってめだたないけど、影の実力者。実はびっくりするくらいのテクと抜群の感覚でございます。

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