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しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第40回 ペドロ・シエラ

2006-01-12 05:07:00 | ギター
どーもです。さぼってたわけじゃないんですが、ちょっと間があきすぎですね。ごめんなさい。
松の内は休みなんて思ってたわけじゃないんですが。

昨日、セビージャに帰ってきました。で積まれた郵便物の中にこのアルバムを発見。
早速聴いてみましたが、よいですよ、これ。おすすめかも。

もともとすごく巧いギタリストってイメージあって、実際その通りなんだけど、
なぜかいまいちぱっとしなかったんですよね。ソロデビューも遅かったし。
ギターソロの市場ってーのが実際あんまない、つーのもあんのかなあ。
ほんとにソロだけでやっているギタリストって、ほんと少ないもんね。
パコ、マノロ、ビセンテ(プロデュースとかやってるけど)、セラニート、カニサーレス、
リケーニ、ニーニョ・デ・プーラ、あと細かい若手がいるか。ハビエル・コンデとかさ。
でもリケーニやニーニョ・デ・プーラ、カニとかは
ライブでは伴奏しなくても録音ではするとかあるし。
ヘラルドだって、ソロばっかじゃなくて奥方伴奏とかもたまにしてるし。
トマテだって、カマロンなくなるまでは伴奏中心だったしね。
もっといえばパコだってマノロだって歌伴奏も踊り伴奏もやってるし、
もちろんビセンテ、カニサレス(タブラオで弾いてたこともあるそーだ)。。。

でペドロ・シエラ。この人は歌伴奏もだけど、舞踊伴奏けっこーやってますね。
むか~し、チャナやフアナ・アマジャの伴奏で日本に行ったし
(あ、最近よくいってるみたいですね。恵比寿とかさ)
イスラや
バロン、カンパージョがでたあの名作「ポル・アキ・テ・キエロ・ベル」でも弾いてたし
なんかあちこちでみた覚えが。
そのせいでしょうか、視覚的なのよね、曲とか。イメージが浮かびやすいビジュアルな曲。
ギターソロ、歌伴奏、踊り伴奏とみっつのジャンルを配分したのは面白いっす。
歌伴奏で死んだ人の伴奏やってますが、これって最近の流行ですかね。
モレンテは逆バージョンやってたよね、ラモン・モントージャのギターソロに歌つけるという。
それだけ技術の進歩があるってことなんでしょー。
私的にはソロの方が好きだけど、これも面白いですよね。遊び心つーか。

でもやっぱ一番好きなのはシギリージャかな。
イスラとトマス・パボンと、もう夢の競演っていうしかないですね。
イスラエルは先日、小松原舞踊団公演に出演しててそこでもみせてくれましたけど
(わらかしてくれた)ほんともう天才っす。。。
彼の稽古ではいろんな歌手によるたとえばソレアならソレアをかけて
この歌ならこう踊る、この歌はこう、っていうのもやるそーなんですがそれってすごいっすよね。
なかなかそんなことやる人っていないんじゃないかなあ。
でも歌は踊りの単なる伴奏ではない、ってことを知るためにもすごくいいアイデアだと思うんですが。


第25回 モラオ・モラオ

2005-11-09 04:31:54 | ギター
ヘレスに行って参りました。
やっぱヘレスってめちゃいいとこ。
バルでバックにかかるのはフラメンコだったし
オンダヘレスという地元のテレビ、ラジオでもいっぱいフラメンコやってるし
フラメンコ・センターでは貴重なビデオがいくらでもみることができるし
もちろん本や録音もたくさん。
センターでは地元のフラメンコ研究家さん二人、若手研究者二人にもあったし。
いや、住みたくなっちゃうなあ。といいつつなじみのバルによれば
じゃじゃ~ん。
ヘレスのオールスターキャスト勢揃い。
ディエゴ・カラスコ、ディエゴ・デ・モラオ、フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、ニーニョ・ヘロ、ゴメス・デ・ヘレス、黄金のパルメーロ三人衆、チチャロ,ボー、グレゴリオ・フェルナンデス、ルイス・デ・ペリキン…。そのほかにも旧知の仲間がいっぱいいっぱい。
(数年振りで会った人も何人もいたよん)
やっぱうれしいですね、知ってる人に久しぶりで会うのは。ミーハー気分でベシートいっぱい。
でもやっぱモラオで決まりでしょ。愛するモラオ。
いや、もう、昔から好きなの~。
演奏も。人柄も。
シギリージャの伴奏とか、もーほんといいですよね。
いやいや、昔、まだメルセがビセンテ・アミーゴ制作のアルバムでブレイクする前に
マドリードのサルスエラ劇場でひいたときなんて、ギターの前奏だけで泣けましたもん。
ほんといったいなんなんでしょう。あれは。
もう鳥肌なんてもんじゃなく、涙が落ちちゃうの。う~む。
ちなみに終演後それをパルメロのラファにいったらオレも泣いたといったので
私だけではないわけで。いや、音がね、すごいのね。
一個一個(でいいのか、音の勘定は)の音にすごーく感情がつまっているというのか。

でもってモラオ・モラオ。
2枚目のソロ・アルバムでございます。
たしか他社から再発売されてたと思うんだけど、このアルバムはオリジナル版。
メルクリオという会社から、ほかの、サンボ、モネオ、モレーナの一家アルバムシリーズとともに
発売されたんですね。ええっと、99年だ。あ、もう6年。。早いなあ。
たぶん、いわゆるギターのソロ・アルバムをほしいっていうなら1枚目の方がいいと思うんだけど
でもこっちもモラオらしくてよいです。

しょっぱなのタンゴはヘレスのラジオのフラメンコ番組のテーマ曲にもなってますね。
歌っているのはラ・ベンタ。昔ポップ系フラメンコ歌ってた人です。
「メ・ドゥエレ・コラソン・デ・ケレル・タント」ってたしか彼女の曲。
10曲中半分がブレリアですが、ギターソロでもノリやコンセプトがちがったりで
あきません。
歌もベンタだけじゃなく、マリア・バラとか、ルイス・エル・サンボとか、
ナバヒータとか、セビジャーナスのグループのマリスメーニョスとか
いろいろあるし。
とくにナバヒータとやってるブレリアとかのりがいいんで、つい口ずさんじゃったり。

でもやっぱシギリージャですね。。。。
ここではハバナでのライブが収録されてますが、これもよいです。
なお、このジャケットの写真、ちょっとこわいですね。
本物はもっとかっこいい?っす。





第18回 ビセンテ・アミーゴ

2005-10-29 00:27:28 | ギター
Carmenさんのリクエストにおこたえすることにしましょう。
って、ま、ヘラルド、パコってきたらやっぱこの人かな、のビセンテです。
これは今年でたばかりの新譜でございます。
わたしけっこー好きですよ、これ。

最初にラジオでかかっているのをきいたのが
(スペインではCD発売前にシングルカットする曲を
プロモーションかねてかけることはよくあるんですね)
tango、だったのかなあ、
流行ルンバ風で、あ~またこーゆーのかよ~
とか思ってたせいで、実際に全部きいたときのイメージがよかったのかも。

パコのケースと反対ですね。
いや、ま、タランタの美しさにはらはらと涙をし。。。
ソレアもいーなーとうなりました。はい。

わたしアンチ・プリスタなはずなんですけど、
きがつくとプリスタみたいなこといってますね。
あ、プリスタっていわゆる純粋派のことね。
昔のものがいい、って考えにしがみついているひとたちは
どーも敬遠。
昔のでもいーのも悪いのもあるし、新しいものでもいっぱいいーものはあるし。ねえ。
私的にはフラメンコの昔からの曲種に、敬意をはらいながら新しいことやってるのが大好き。
ヘラルドのソレアとかそーじゃないですか?

全体的にいえばそれまでのビセンテのアルバムの路線のままで、
すげーびっくりするよーなことはまったくないんですが
だからだめってことももちろんないです。
全体的によくまとまっていますしね。
でも、前作とごっちゃにしてきいても同じアルバムって感じでまったく違和感ないつーのは
やっぱそれほどうれしーことではないかなあ。
驚かせてくれよ~っていうきはちょっとあるかも。

ビセンテのアルバムでいつも面白いなあ、と思うがパルマ。
このひと、いつもすごくこったパルマいれてます。
今回もそーですね。
しょっぱなからそーじゃないっすか。
ただの連続の早いパルマじゃなくてアクセントのつけかたが面白い。
濃淡があるんですよね。パルマに。強弱だったり、うらのいれかたの微妙さだったりするんだけど。

ビセンテっていうと叙情的な美しい、胸にしみいるメロディがどうしても印象的なんだけど
(ときにロマンチックすぎるんじゃないか?と思うこともあるくらいにね)
でもそこにこの特徴的なパルマがはいるからよいのではないでしょうか。
音楽ってメロディとリズムだもんなあ、やっぱ。

パルマおたくのわたしだからそー思うのかなあ。
でも2曲目のブレリアの部分のパルマだってふつーじゃないでしょ。
なんかパルマの楽譜がほしくなるような、そーゆーたたきかた。(これで論文かけそー)
タンゴだって、これはやっぱふつうとは微妙にアクセントちがうし、さあ。
でもわかりやすいっていえばファルーカやサパテアードかも。。。
こーゆーのってどっからでてくるんだろうねえ。ほんとに。

ギター一本のソレアは内包するリズムの伸び縮みが(こんな説明でわかる?)いいですが
やっぱメロディのよさかな。せつないもんね。
同じく切ないメロディをきかせてくれるロカマドールでもパルマは効果的につかわれてますよね。
そしてタランタ!
あ~、これきいて泣かない人はいるのだろーか。
すごーく音に思いがこもっているかんじで、もー、って感じ。

しかし、全体的にちょっと暗いですよね、このアルバム。
元気にしてくれる曲より、泣きたいときにいい、って曲が多いかんじ。
そんなことありません?


第17回 パコ・デ・ルシア「コシータス・ブエナ」

2005-10-27 19:07:23 | ギター
ハリケーン、ウィルマで、めちゃくちゃになったメキシコの観光地帯、カンクンの様子、
テレビのニュースで見た人も多いと思うのですが、
(って日本じゃやってない?こっちはけっこうあったんだけど)
あのへんにあるんですよね、パコさんのおうち。
だいじょうぶだったかなあ。
たしか7月来日頃にも台風で、被害を受けたときいたんで心配です。。。
10月のあたまで今年の公演も終わってるし、あっちへ行ってる頃だし。うーん。

で、パコさんの最新盤、コシータス・ブエナスです。
最新盤っていっても去年の発売。しかし、なんかもっと昔のような気がする。。。
のは年のはじめにでたせいでありましょう。

待ちわびていたわけですよ、やっぱファンですから。
で、最初にきいたときは、正直、え?ってかんじだった。
なんかいつものように何度もすぐに繰り返してきくということがなかったんですね。
いや、きらいだった、というわけではありません。
アルバム発表前に、最初にきかせてもらったカマロンが歌っているブレリアとか、
ほんと、おおっていう感じでしたしね。
これは楽しみ~って思った。
あとすごくいいソレアを録音したぞ、なんて噂を録音中にきいたりしてたもんですから、
けっこうフラメンコ・フラメンコな、いわば「シロコ」みたいなのを
勝手に想像してたところがあるのです。
(でも噂のソレアはいったいどこへいってしまったのだ?)
なんで、あ、軽い?
とかおもってしまったわけであります。

たしかにタナやモンセ、アンヘリータ(この人メルセとかのでもでてますね)
シガーラやポティートといった若手の声の質感とか(とくにタナとアンヘレね)
基本的にブレリアとルンバ/タンゴだけの曲目とか
(ティエントとソレア・ポル・ブレリア、ってあるけどさ)
コーラスのつかいかたとかでそう思ったのでありましょう。

あまり評判がよくなかったその前の「LUZIA」も
ええっ?いじゃん、これ。とかいってたわたしなのに
今回はちょっと黙ってしまったというか。

でもね、ちょっと時間おいてきいてみると、いや悪くないですよ、これも。
やっぱよいですって。
ライブみてきたせいもあるのかなあ。。。
でものっけから面白いことやっぱいろいろやってますって。
タイトル曲のコーラスにしたって、これ、裏からはいる、っていうのかな、
むずかしいですよ、実際にやってみると。
(ってやってみる人ってわたしのほかにもいるのだろうか)

いっぺん聴いて、いやって思った人も、ぜひも一度あらためてきいてくださいまし。

でもやっぱミネラとかそーゆーのとか、ソレアとか、そっち系のもききたいなあ。。。


第16回 ヘラルド・ヌニェス「アンダンド・エル・ティエンポ』

2005-10-26 02:50:25 | ギター
なんか好みのものを適当に選んでいるっていうのがばればれですな。。。

いや、好きなんですよ、ヘラルド・ヌニェス。
ってあらためていわなくても賢明なアフィシオナードの皆さんにはもうおわかりでありませう。
だっていいんだもん。
って理由になってない理由のよーだが、立派な理由ではないかと。
そーなんです。わたしはいいものが好き。

ヘラルドは巧いギタリスト、
っていうイメージがきっとあるんじゃないかと思います。
でたしかにその通りに巧い、つまり技術が巧みで、ギターやっている人なら
ひええ~って思えるようなウルトラCを連発したりしているわけらしい。
(わたしはギター弾かないんでここらへんの実感が実は不足しているんだけどね)
そしてそれがよくコントロールされている。なんで冷たいと思った人もいるのではないか、と。
そんなことぜんぜんないぞ~ってわたしは思うけどね。
でもなんか日本に限らず、
フラメンコは野生が一番、プリミティブなものほど価値がある
なーんて思い込んでいる人も多いようだけど
それは間違い。
一見、野生にみえるものだって技術はあるわけだし

フラメンコはセンティミエント、心を伝えるアルテ、芸術だけど、
伝えるためには技術もいるはず
いくら心があってもそれを伝えるすべをもたねば。。。でしょーが。

とかゆーごたくはともかくヘラルド。
この人はほんとすごい。
それはずっと知ってたはずなんだけど
それをあらためておもいしらされたのはカルメン・リナーレスとのアルバムからかも。
「ウン・ラミート・デ・ロクーラ」
できいたあの伴奏はすっごく新鮮で、驚きとフラメンコ性にみちていて
その日から恋におちたかのようにあらためて聴きまくっているのでありました。

でこのアルバム。
フレーズとか、カルメンとのアルバムとか、
ジャズとのセッションのアルバム(クルセ・デ・カミノとパサヘ)や
天才イスラエル・ガルバンとの共演で弾いた曲とか
きいたことあるものもとびだしてきますが、いやそれでもなんでも絶対おすすめ。

でもね、実をいうとわたしはライブの方がもっとよいと思ってもいるのですね。
ウッドベースのパブロ・マルティン(バスク人!)と
フランス生まれ!のサンルーカルっこセピージョ(パルケ・エスパーニャ出身でもある)との
トリオもよいし、ここでも共演しているペリーコ・サンベアなんかもはいった
ジャズ仕立て?のグループもよろしい。
もちろんビエナルで話題をよんだひとりっきりのソロも。

いやーもうほんと皆さんうらやましがってください、
っていばっちゃうくらい聴いているので
このアルバムきいててもほかのアレンジとかおもいだしたり。
そーなのね、曲としての骨格はあっても
あとはやるたびにインプロの部分がどう育つかはわかんねー状態
これは本人にしてもそーらしい。
あるときアラブ風のフレーズがすごくよかったので
「新曲?」ってきいたら「インプロ」とこたえてくれたのでした。

しかし気持ちいいですよね、このアルバム。きいていて。
んなことない?
セピ(いや、なんか急にすごくよくなりません?)の刻むリズムに
ヘラルドの流れるようなメロディになんかつい身体がゆれちゃう。

わたしはここに収録されているイエルマも大好き。
これは奥方カルメン・コルテスの舞踊団の作品の曲ね。
ちなみにすごくよかったんですよ、この作品も。
スペイン演劇界の大御所ヌリア・エスペルの演出でカルメンもよかったし。
イエルマはオヨス(2回つくってますな)とかもやってるけど、
カルメンのがいっちゃんよかった。
この曲きけばわかるでしょ。泣かせます。
このイエルマから続くシエンプレ・エス・タルデもよいですよね。
1分14秒ころとか、2分すぎのとこのおちかたとか(うー。おたくだわー)絶妙。
うねりがすごいんすよ。疾走だけじゃなくてうねってるの。
だからセクシーなのであります。。。
なにいってるんだか、って思うでしょ。
でも走るだけなら、あー、 はやいねえ、でおわっちゃうんだけど
そーじゃないのよね。

いや、音の多さも相当のものなんだけど、その音のひとつひとつがいきていて
必然性があるのよね。だから若い子の演奏きいたときのように
「あーもーそんなに音つめこむんじゃないわよ、ばか」とはならないわけ。

あえていえば
やっぱ完璧な技術に裏付けられた感情表現、っていうもんでしょーか。
ちなみにライブでもこの2曲は続けて休まず演奏されています。

んでもってソレアもようございますね。
アバンギャルドでもあり、伝統もみえかくれし、重さがあって。

最後はパコ・デ・ルシアもかつて弾いた名曲インペトゥ。
こんな盛り沢山なアルバム。
まだ聴いていないなんてゆー人、いませんよねー(とほとんど脅迫)

あ、そーだ。
今年度のヘレスのフラメンコ学会のプレミオ・ナショナルのギター部門、彼ですよ~。
もう、もらっていない賞はないつーくらい。
ちなみに、パコ・デ・ルシアの「コシータ・ブエナ」をおさえてこのアルバムが
フラメンコ・オイの最優秀ギターアルバム賞を獲得したくらいです。

あ、パコについても書かねばだわ。
あ、ビセンテも。
モラオも。
ってギター好きなのね、わたし。








第11回 ラファエル・リケーニ「ミ・ティエンポ」

2005-10-17 19:30:43 | ギター
なんで今頃、こんな古い録音を、とかいわないでくださいね~
あ、みると1990年ですね、このアルバム。
でもね、理由があるんですよ。それなりに。
実は! 先週の木曜日にセビージャのエル・モンテ文化センターで
彼のリサイタルがあって聴いてきたんです。。。
それがあまりにもよかったんで~。

リケーニっていっても新しいファンの人とかはよくしらないかもしれませんね。
たしか62年セビージャはトリアーナの生まれで、80年代にはヘラルド・ヌニェスとともに
パコ・デ・ルシア次世代を担う存在と期待された人なのです。
幻のドイツ録音のアルバム(1987年)も含め。ソロ録音も数枚あるので
最近のファンでもみたことなくてもきいたことはあるかな。
あ、彼、日本には行ったことないです。

なんですが、いろいろ問題あってここ数年、舞台からはとおざかっていたんですね。
で昨年くらいから復活して、マドリやバルセロナで公演。
でセビージャにも、今住んでいるマドリからやってきたわけです。

いや~よーございました。
ソレアもようございましたし、極めつけ!のアマルグーラ(聖週間の行進曲の名曲)も。
ニーニョ・リカルドのセビージャの思い出もひいてくれたし。
ファンとしては大満足。
でも個人的に一番ぐっときたのはガロティン。
そーなんですね、このアルバムに収録されている、ガロティン「デ・ラ・ベラ」なんです。
ほんと、こんなに美しいガロティンなんてほかにないです。
ぜひ一度きいていただきたいもんです。



セビージャは雨です。水不足なんで恵みの雨、なんだけどね。

第7回 エンリケ・メルチョール

2005-10-06 19:15:40 | ギター
これも今年発売のアルバム。
ベテラン・ギタリスト、エンリケ・メルチョールのいわばベスト・アルバムでございます。
このエンリケっていう人の位置というのはうん、ちょっと不思議な感じ。
ソロアルバムもいくつもあるのに、主な仕事は伴奏。
以前はホセ・メルセやメネセなんかもやってたように思うんだけど、
最近はスペイン歌謡の大御所、ロシオ・フラードが中心なような。
なもんで、フラメンコの公演で聴かなくなって久しい。。。わたしけっこう好きなんですけどね。
だからこのアルバムはうれしゅうございました。はい。
パコ・デ・ルシアやトマティート、マンサニータとの共演なんて、
ギターファンにはよだれものでは?
トマティートとのトリオはこれかぎり、だけど、
私的にはこういうギタリストの共演はもっと聴きたいなあ。。。
亡くなっちゃったマンサニータは無理だけど。
(最近息子がテレビにでてる。。。)

でも頭の中でいつまでもなっているのは
亡き名優パコ・ラバルの語りが入りアマンシオ・プラダが歌う「ダンサ・デ・ロス・ヒターノス」
だったりするのです。
こーゆー、ヒターノたちのオデッセイ的?テーマというと、
思い出すのはローレ・イ・マヌエルの曲で、ちょっとにてるなとも思ったり。

あーひさしぶりで生でききたいなあ。。。

志風恭子の“1日1枚” 第2回 リモン

2005-09-29 02:59:19 | ギター
まず最初に何を、と考えたのですが、はい、まずはやっぱ新譜かな、と思って、これにしませう。
最近話題のプロデューサー、ハビエル・リモンによる「リモン」。
新譜ったって、7月にでているんですけどね、いや、これがけっこうよいのです。
まずは参加アーティストをみて驚いてくださいまし。
パコ・デ・ルシアをはじめとするフラメンコ勢はニーニョ・ホセーレ、ドゥケンデ、ラ・タナ,モンセ・コルテス、アントニオ・セラーノ、アライン・ペレス、ピラーニャといっパコの新グループのメンバーたちが勢揃いしているほか、ポティートやグアディアナ、ラモン・ポリーナも。
でもってラテン・ジャズのべボ・バルデスやジェリー・ゴンサレス、フラメンコも歌うバルセロナ育ちのアフリカ系のブイカ、ポップス系のアンドレス・カラマロ、ダビ・ブロサら、ほんとまさに豪華な面々が参加。
純フラメンコなわけではなく、それこそあっちこっちいってるわけだけど、それも含めて、あ、ハビエルってこういうことがしたかったのね、とわかったような気がしたのでありました。
ちなみにこの人、わたしはもうずいぶん昔に、ペペ・デ・ルシアに紹介してもらったのだけど、実はどんな仕事してるのかようわからなかったのでした。コンピューターの話をよくしてるからそっちかな、とか思ってた。
それがある日,突然、という感じで、ウン・ラティートだっけか?、カンデラのライブ録音アルバムやらなんやらだしはじめ、あれよあれよという間にいっぱいプロデュース。。。
でもいったいどんな奴なんだ???つー疑問はずっとあったのでした。
が、これをきくと、ベースやピアノを弾いたりするわけだし、なんか、目からうろこ。
フラメンコも好きだけどそれだけでなく、もちょっと広い視野があって、好きなものを売りたい,世にだしたい、という感じと、ミーハー的な気分もちょっとあって、でもやっぱ好きなものは好きなんだよ~という気分があるというか。うまく説明できてませんね、でもそーゆー感じなんですわ。
なんといってもパコのブルース風ブレリアがわたしは一番のお気に入りだけど(アントニオ・セラーノやっぱいいよね~)、そのほかにもホセーレがパコか?という感じにパコの文法を完全把握していることとか、マドリのフラメンコたちがヘレスのパルマの天才、ボーをコピーしていることとか、いや、フラメンコおたくなら思わずにやっとしてしまうところがいっぱい。
10月17日にマドリで発表コンサートするそうです。楽しみ~