鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

句鑑賞 尺取虫

2012-07-14 21:05:07 | 句鑑賞 Ⅰ(土)






             尺取虫や世間見えぬと立ち上がり





                         柴田由乃



                    句集 「余生小粋に」より






尺取虫が後ろ脚で半分立ち上がった姿を
世間が見えないから
もっとよく見ようととして立ち上がった姿を
捉えた ユーモアー溢れる句である

揚句は 尺取虫の立ち上がる姿を句材とし
その姿に何かを求める
必死さを感じとった
尺取虫は「世間が見えぬ」と 立ちあがったのである

見逃せないのは
尺取虫の姿を見て誰もが感ずる
おかしみや 滑稽さの感覚を素直に昇華して
句にしたと言う点である
それこそが「世間みえぬと」の借辞の真骨頂なのである

俳句には表現のうまさ
技術 芸 というものも 必要だが

このような原感覚
驚きの念を失わない素直さが
最も必要とされるのではないだろうか。


今津大天  俳句の対話術 より







わずか数センチの尺取虫が
背伸びをしたところで どれだけのものが見えるように
なるのかしら

それを大仰に 詠ったところに
おかしみを おぼえます。

いや 皆 尺取虫でさえ 
必死に 世間からずれないように
世間の風を 乗り切って 生きているのです。

自分の感じたことを 素直に詠う

これこそ 俳句の真髄なのでは ないでしょうか。





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3 コメント

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Unknown (まこちゃん)
2012-07-14 22:03:37
紫陽花から優しさが溢れていますね

素直に詠む
写真も 自分が感じたことを少しでも伝えられたらイイなぁ~と思います ^^
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Unknown (ハセドン)
2012-07-15 10:31:39
鮎さん こんにちは。

立ち上がって、尺取り虫は何かが見えたのでしようか。ただ読み見過ごしてしまえば、そのままですが、ハッとするような心情が汲みとれる
句ですよね。

俳句は写生の世界の切り取りといいます。
一切の無駄な説明は不要なんですね。
読み手の感覚が問われていることが分ります。
返信する
おはようです。^±^ノ (てくっぺ)
2012-07-15 10:45:11
シャクトリムシ、不思議な動きをしますよね。^±^
あれは本当に1尺なんだろうか・・・。

尺取虫 尺貫は遠く なりにけり・・・。^±^

山頭火みたいな句になっちゃいました。^±^
そんないいものか!(゜Д゜)ノx±x
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