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モノクロの世となりゐたり秋出水
柴田由乃
平成十二年九月愛知県西部を襲った集中豪雨の句である。
テレビニュースで洪水の様子が映し出されていたが、カラー映像にもかかわらず、泥の海で灰色一色に見えた
水の引いた後も、道路や道路に詰まれた家具やゴミの山泥水に染まっていた。
そこを「モノクロ」と据えた作者の目を評価したい。
この句は最初に「モノクロの世となりゐたり」と語りだし、
読者は「モノクロの世」とは一体何のことだろうかと一瞬の戸惑いを感ずる。
この一瞬の間に、読み手の創造が一杯にひろがり、そして下五の「秋出水」の語によって、成る程と納得する
仕掛けになっているのである。
最初に読者に想像の余地を与える点が句の世界を拡げる力となった。
「モノクロ」てはなく「モノクロの世」と言ったことで、読者の世界観までもが、
此の句に動員されることとなったのである。
今津大天「句の対話術」より
モノクロの世 と述べたことで 洪水がどんなに悲しい財産を失うものであるかまで 想像させる句ですね。
読者に 想像の余地を 与え 共に悲しみを分かち合う 句とはすばらしいものです。
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愛知県西部を襲った集中豪雨。
まさに泥の海で灰色一色になっています。
被害の悲惨さを、まざまざと見る思いです。
「モノクロの世となりゐたり」
さすがですねえ。
読者にいろいろなことを、想像させます。
ああ、モノクロの世界もいいですなあ。^±^ノ