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木々芽ぐむ月の満つるを力とし
柴田由乃
「つちくれ」平成14年より
昔から月の力が人間の精神や生理に大きな影響のあることは知られているが
揚句はその力が植物にも及ぶことを詩的に表している
「月の満つるを力とし」というは措辞は、擬人法を越えた文字通りの関係を想起させる。
木々の芽ぐむ命の力と月が満ちていく力との間の相関、
大自然の不思議な働きを感じとった句である
これからの人間には、自然を単に科学的、
客観的な証明可能性や利用可能な資源や今はやりの地球環境保全問題として扱うのではなく
木々と月とが語り合うように、人間も心や直感で自然と語る必要があるだろう。
俳句において季語は表現の束縛でなく
自然よりの贈り物であり、自然と人間の新しい関係を築くための僥倖だと言えるだろう。
俳句の対話術より
今津大天
春の朧の季節がまいりました。
その月は人間にも 植物にも 力を及ぼすという。
あの 「かぐや」が住んでいる月
月を愛でるには良い季節になってまいります。