鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

盆の空

2012-09-22 20:22:34 | 句鑑賞 Ⅰ(土)





        流れ行く有象無象や盆の空




       浜 明史



       「竜」 平成16年




 時をわすれて雲の流れを見つめているとこれほど楽しいこともない


一時童心に返ったような感じがする

こころを楽しませてくれる雲が たんなる水蒸気やむ水滴の集まりであることを思い出すと

急に興ざめしてしまう。

時をわすれさせた楽しい想像の世界はどこに行ってしまうのだろう。

ふいと この世の無常と想いが重なる


提出句は盆の空を詠っている

お盆にはご先祖さまが帰ってくる 余談だか 父が亡くなるまえ お盆に家に帰りたいと言った

私が渋っていると「ご先祖さまさえ 家に帰ってくるというのに なぜ 俺が帰れないのだ」と 怒った

結局それが父の生前の最期の帰宅となった

お盆になるといつも それを思いだす。


きっと 作者もいろいろなことをお盆には思い出したのだろう。

父母のこと 友人のこと 師のことなど

次々と雲が連なるように

いろいろな心象がわき上がってきたのではないだろうか。


今津大天 俳句の対話術より





今年も盆がゆき 秋の彼岸を向かえました。

盆や彼岸は 亡き父や母をおもい 優しかった おばあさまをおもい出す日でも あります。

怒られた思い出より 楽しかったことを思い出します

あの日は もう帰ってこないのですね。









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