鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

秋の燈

2012-09-01 13:24:27 | 句鑑賞 Ⅰ(土)




     法燈の千二百年秋気澄む



         柴田由乃



比叡山延暦寺根本中堂には伝教大師最澄以来の 

「千二百年の不滅の法燈」が消えることがなかった。


標高800メートルの秋の澄んだ空気の中で

仏陀の教えを千二百年間守り継いできた 地にたって

この句は生まれた


不滅の法燈はもちろん不滅の真理のシンボルであるが

これに 「秋気澄む」を配したのは決して偶然ではない。

この地に荘厳を感じたと同時に、不滅の真理の静寂を感じ取ったのだ


不滅の真理はどこにもある。

しかし 我々の心が静まらないかぎり 姿を現さない

今の世界は ひたすら 富を求めて走り続けている

このような 文明の行き先は 誰の目にも明らかなのに 誰も根本を考えない。

「秋気澄む」 べきは 人々の心なのだ。

圧倒的な「千二百年」が それをうったえていると見るべきなのだろう。



今津 大天
俳句の対話術 より






比叡山の根本中堂のあるあたりに行くと 独特な雰囲気に圧倒されます。

そして あの 遣唐使のころよりの 「灯」が 時代を超えて うけつがれています。

比叡山が 焼かれても 延々と受け継いできた 「灯」

灯とともに 日本人としての 心も受け継がれてきたものでしょう。





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