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母 ・・・304. : 黙って叱る ・・・ 沈黙の涙 

2011-01-27 11:00:11 | Weblog
母とて人間です。

激情に駆られ

  わが子を殺してやりたいくらいの憎しみを抱くこともあるでしょう。


しかし

母は 子どもに激情をふりむけたあとの恐さをよく知っている。

陰鬱な激情の発作が過ぎ去れば

  あとで襲ってくるものは ・・・ 暗い無残な思いだけです。


父の激怒のあとの爽快さは 母には残りません。

性根のやさしい母には

  沈鬱な自己呵責の苦しみだけが 澱(よど)み残ってゆくのです。


子どもは 母の怒りに対し

唇を噛みしめ 侮辱をふくんだ眼で見返してくるにちがいありません。


事実 子どもの母への憎悪は

  たいてい この激情の発作によって起こっています。

子どもを殺してしまうのも この激情です。


激情は ときに慟哭(どうこく)となって表現されます。

大声をあげて泣く母です。

こうした場合 子どもは困惑と蔑(さげす)みをいだきます。



母はつらいけれども

激情をおさえ 辛抱強く内心の怒りの焔(ほのお)を静め

心の奥に冷たい風をふきつけて ・・・ 耐えねばならないのです。


そこに 沈黙の涙が吹き出てくるのです。


子どもは それに負かされてしまうのです。





* 2010.11  東ブータンで






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