☆ 売れない、集まらない二重苦に陥るリサイクル
世界的素材需要の下落は、家電リサイクルにも影響を及ぼし、リサイクルとして買い取られる価格は下落している。
買い取られた家電は今まで海外へ中古家電や素材として輸出されていたが、今や海外からの需要が激減している状態。
そのため、家電回収業者でも、無料引き取りなどは難しくなり、運送料として引き取り料金を徴収するようになっている。
しかし、そのことによってさらに回収品が集まらないという悪循環に見舞われている。
今後は、リサイクル家電の市場を国内へシフトする動きとなるようだ。
パソコンのリサイクルも、回収量の落ち込みが大きい。
リサイクル事業を行う大阪の「ケーエヌアイ」は、奈良に町おこしの一貫として廃校を利用したパソコンの解体工場を運営、自治体や企業から無料で回収したパソコンを地元住民のスタッフが解体作業をしている。
しかし、パソコンの買い替え需要が減り回収されてくるパソコンの量が激減、昨年8月時点で約4000台あった在庫が現在約500台に。
さらに、資源価格の下落が売上に追い打ちをかけている。
都市鉱山とまでいわれ期待された電子基板に含まれる素材価格が、景気後退で暴落しているのだ。
同社では、ケーブルなど他の素材を売ってなんとか採算をとっている状態。地域の活性化につながる事業なので閉めるわけにもいかないという。
リサイクルは事業収益という市場原理の面もあるが、環境対策という国の政策的な面もあるため、このまま放置しておくわけにはいかない。
事業として立ちゆかなくなる前に国はリサイクルを補完する制度を検討すべきだろう。
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