私は地球で楽しく遊ぶために生きている

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善人の背中 ~5~   

2017-11-13 11:13:37 | ミステリー恋愛小説
私が始めてキオに違和感を感じたのは偶然街で出会った親戚への言動でした。。
幾つかの附におちない場面、キオの親戚と偶然に会った時でした。
キオと久しぶりに渋谷で夕食後の帰り、駅へと歩いて行く途中でした。
「キオちゃん!」と大きな声が前方から聞こえて来ました。
その時でした。隣のキオはすはやく私から離れたのです。
その間私は三人の笑いあいながら会話するのを遠くから見ていました。
そして中年の女性と高校生くらいの女の子と親しそうに話し始めました。
5分程過ぎた頃二人と離れキオは私の側へ戻って来ました。
「あの人はだれ?」と聞いた時のキオを私の方を見て言いました。
あの時の瞳の色、それは今思い出しても背筋が凍る思いがします。
他人以上に他人を見つめるその色のない音のない瞳。
そして、「君には関係あるの?」ぞんんざいな言葉を放ち先に歩いて行きました。
惚れてしまいました。しょうがないのです。別れられないのです。
キオは一人暮らしのアパートはそのままです。
わかっているのです。キオが一人で暮らしていることの意味を私はわかっていたのです。
しかし、生活の大部分は私の家で生活しています。
私は尽くしました。キオの過ごしやすいように、インテリアも食事もすべては
キオの好みを、嗜好を優先しました。
そして、気まぐれに抱かれることだけに歓びをを感じていました。
その生活が三年を過ぎた頃、決定的な出来事が起こりました。
キオが上司の親戚の女性と見合をしたのです。
その事を後で知った時に問いつめた時でした。
「何?」またあの表情をします。私を通り越して何かを見つめるあの表情からは、
その質問はするなと放っています。
彼の拒否と否定の圧力は独特でした。
それでもキオは残業で遅くなると都心の私の家に泊まり翌日会社へ出社します、
附におちないと思うひとつに異常な避妊でし。
キオは異常な程に避妊には注意していました。
安全日だから大丈夫といっても彼は防具をしたのです。
「結婚していないのにできたら困るよね」といいながら行為に及ぶ、
その理由はいつか結婚を踏み台にしてのし上がっていきたいという
古来の男の野望があったのです。
キオという男がわかるまでなんと愚かにも七年の年月を要しました。


続く・・・