牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

2月1日(金) 「ジャック・ウェルチ わが経営㊤」 ジャック・ウェルチ著  日本経済新聞社

2013-02-01 09:40:48 | 日記

 早いもので2013年がスタートして一ヶ月が経った。どの経営の本を読もうかと思って昨日本棚を見たのだが、4冊の本が目に留まった。ドラッカーの「マネジメント」、マズローの「完全なる経営」、スローンの「GMとともに」、ジャック・ウェルチの「わが経営㊤㊦」である。

 「ジャック・ウエルチ わが経営㊤」の第一部を読んだ。タイトルは、「GE(ゼネラル・エレクトリック)トップへの道」。少年時代からトップになるまでのことを書いている。著者は20世紀における世界で最も優れた経営者と称賛されている人物だ。

 本からの引用。「母からもらった最大の贈り物は、自信だったかもしれない。、、、人に自信をつけさせることが、リーダーの大事な仕事だ。」

 「私が目指していたのは「群れから抜け出す」ことだった。ガトフに認められたことは大きな力になった。その時以来ずっと比較して差をつけることが、私の経営の根幹になっている。差をつけることは、極端にやってこそ意味がある。有能な人は大切にすべきであり、無能な人は排除すべきだ。厳しく差をつけることが、本物のスターを生み出す。そして、スターが素晴らしいビジネスを築き上げる。」

 GEのような大きな会社だからそのように言えるのだろうか。言わんとすることは分かるが、私には正直ついていけない。私は健全な企業とは、「社員を大切にすることである」と思っている。もちろん怠惰であったり、ズルをしたり、情熱がないことは許されないであろうが、能力がないことは許されるべきではないだろうか、、、、でも確かに差をつけるのは大切だと感じた。一生懸命に働く人や教会に献身している人と一生懸命働かない人や全く教会に献身していない人を同じように扱うのはきっと違うのだろう。


 
 続いて本からの引用。「部下が過ちを犯した時、最も避けなければならないのは厳しい懲罰だ。この時こそ本人を励まして信頼感が生まれるようにすべきなのだ。上司の仕事は、部下に自信を取り戻させることだ。落ち込んでいる人を「鞭打つ」ことだけは絶対にしてはならない。」

 自信を持つことの大切さを少年時代に植えつけられたのだろう。それが経営者の仕事に生きているようだ。


 「私は「建設的衝突」が大好きで、様々なビジネスの課題についてお互いに腹蔵なく話し合うことによって、最善の決定に結びつくと考えていた。徹底的な議論に耐えられないようなアイデアは、市場でも生き残れないだろう。]

 農業経営でも教会開拓でも建設的な議論は絶対に必要であろう。今している最中であり、これからもしていくつもりだ。市場で生き残るために。


 著者はトップへ上がる前に、リーダーシップについての考えをまとめてこのように書いている。「私と一緒に協力してくれた人たちは、仕事に没頭し、仕事を楽しむようになり、はじめは必ずしもそうではありませんでしたが、最後には、以前にできると信じた以上のことを成し遂げる過程を通じて、自尊心を高め、自信を深めました。」

 自信を持つことがジャック・ウェルチの経営においてとても大切なようだ。自分自身が自信を持ち、周りの人々にも自信を与え、仕事をしながら更に自信をつけていき、良い結果を残していく、これが彼の経営スタイルなのだろう。