前回の“スピリチュアル”に関連して。
近くの七又集落の中の道路沿いに「鬼の杵・
神の杵(ウンヌンナツキ カンヌンナツキ)」という
文化財を示す標柱がある。実体はサトウキビ畑の
中にあり栽培中は見ることができない。
さて,本体は2つの石である。
伝説の1つは,女をさらった鬼とこれを助けようと
する御嶽神との戦いで,石の杵(ナツキ)の投げ合い
勝負の結果,神の勝ちとなるというもの。
2つはその時のものであるという。
もちろんこのような話立てのみで神聖化すること
でもないだろうけど,長く受け継がれてきた集落の
精神的拠り所ともなっている。
前回の場合は精霊のいる「領域」で,今回はそれを
具現化した実体と言えようか。
これと似たような石が近くの畑の中にもう1つある。
やはり同じ意味合いがあるのではないかと思っている。
なお,前回でてきた畑のおじさんは,構造物に対して
「ウンカジ」(あるいはイとウを一緒に発音するように
私には聞こえた)という語をよく使われていた。
*宮古方言では,「カジ」とは「魔物,ただよう精霊」の
意味があると記されていた。
参考:琉球大学沖縄言語センター
宮古方言音声データベース
http://133.13.160.25/rlang/myk/index.html
鬼の杵・神の杵の標柱 右:2011.04撮影
鬼の杵と神の杵
畑の中の石 高さ約1m